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無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜

今月の4日ですが、Amazon Prime Video(プライム・ビデオ)で視聴していた、「無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 」を見終わりましたので、その事について書きます。


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スタッフ
原作 : 理不尽な孫の手
監督 : 岡本学(第1期)、平野宏樹(第2期第1クール)、渋谷亮介(第2期第2クール)
シリーズ構成 : 岡本学(第1期)、大野敏哉(第2期)
キャラクターデザイン : 杉山和隆(第1期)、髙橋瑞紀(第1期第2クール)、嶋田真恵(第2期)、齊藤佳子(第2期)
音楽 : 藤澤慶昌 
アニメーション制作 : スタジオバインド
製作 : 「無職転生」製作委員会(第1期)、「無職転生II」製作委員会(第2期)


キャスト
ルーデウス・グレイラット : 内山夕実、杉田智和(前世)
ロキシー・ミグルディア : 小原好美
シルフィエット : 茅野愛衣
エリス・ボレアス・グレイラット : 加隈亜衣


ストーリー
いじめが原因で、引きこもりになってしまった34歳の無職の男性(名前は、語られていない)。
自宅を追い出されてしまった彼は、トラックにはねられそうになっていた、3人の高校生を助けようとしたが交通事故に遭い、命を落としてしまう。
「もう、おしまいか」と思った時、彼は中世ヨーロッパに似た異世界に転生し、ルーデウス・グレイラットとして第二の人生を歩む事となった。

最初は言葉や文字の壁があったものの、段々覚えてコミュニケーションを取れるようになり、更に魔法の才能がある事が判明し、両親は魔術師のロキシー・ミグルディアを家庭教師として雇う事に。
彼女のおかげで魔法が何不自由なく使いこなせるようになっただけでなく、トラウマだった引きこもりも克服出来たが、「もっと上手くなりたかったら、専門の学校へ行くと良い」と勧められる。
親友になったシルフィエットと共にそこへ行こうとするが、今のままではお金が足りなかった事から、父パウロの従兄弟の娘、エリスの家庭教師を任される事となった。

最初は強気で喧嘩っ早いエリスにたじたじだったルーデウスだったが、誘拐事件をきっかけに少しずつ打ち解けるようになり、彼女自身も成長していくが、フィットア領転移事件という魔力災害に巻き込まれて、魔大陸に飛ばされてしまう。

ルーデウス達は、故郷に帰る為の旅を始めるが…。


レビュー
理不尽な孫の手さんという方が、小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿していた、同名のライトノベルをテレビアニメ化したもの(第1期は番外編も含むと24話で、タイトルが「無職転生Ⅱ」と変更された第2期では12話となっている)。

所謂、異世界転生もの、なろう系の作品と言えば、何の取り柄もない凡人な主人公が、異世界に行っただけで、「TUEEE」で無双状態になりイキリまくる、異世界の住人が「今まで、どうやって生きてきたんだ?」と言いたくなるぐらいバカ過ぎるという、ステレオタイプなイメージがあるのですが、本作はそれらとは異なります(というか「無職転生」自体が、なろう系の代名詞、パイオニア、金字塔と呼ばれているらしい)。

トラックで死亡するのはよくありがちですが、主人公は高校生の頃、横入りされて困っていた同級生の女の子を救う為に、それをした男子高校生に注意したら、ボールをぶつけられたり裸で縛られて晒し者にされる、死因も不良少年に因縁を付けられていた女子高生を助けようとしたら事故に巻き込まれるという、根は良い人なんだけど、あまりにも過酷な人生を歩んでいる苦労人で、転生後も前世の記憶を引き継いでいるから、初めは外出が怖かった、けど周囲の人の助けもあって、それを克服したりと、ちゃんと主人公の成長物語になっています(しかも異世界にもいじめや差別、奴隷もあったりと、ブラックな部分も描かれている)。

魔法の才能があるのは主人公補正、もしくは作品の都合上仕方ない気もしますが、剣術は苦手でその戦いとなると押され気味、自分の判断ミスで死者を出してしまったから、それをきっかけに仲間と相談する事を学ぶ、いくつも経験を重ねて頼りがいのある性格になっていったから、女性にモテるのも納得出来ますし、強くなっても自分よりも強い人がいたり、苦手な事もあったりと好感の持てる作品となっています。

異世界人がバカ過ぎる?事も、精々字が読めない、計算が出来ない人といった、現実でもある事をベースにしているので、そこもリアリティがありました(前者は「ハリー・ポッターと秘密の部屋」や「RRR」にそのような台詞があり、後者は私自身が発達障害に近いと同時に、軽度の知的障害者なのが原因で、苦労した身なので…)。

他にも異国の言葉が複数登場するのですが、そこは本当に架空の言葉を使用しており、字幕がないと何を言っているのか不明で、ルーデウスは勉強したから流暢に話せるのも新鮮味がありました。

第1期はエリスメインで動なのに対し、2期はシルフィエットメインで静になっていたりと、良い感じに差別化も出来ていますが、まだ解決出来てない部分がいくつかあるので、2024年4月8日から第2期第2クールの放送が決まったのも、納得出来ます。

私としては楽しめたのですが、妙に下ネタが多い上に、ちょっと引いてしまうシーンもあるので、(「ドリフ大爆笑」「タモリ倶楽部」の空耳アワーみたいに、笑える作りならまだ良いのだが、こちらは気まずくなるだけ…)正直1人で見る事をオススメします。

これが「【推しの子】」や「呪術廻戦」などと違って、あまり表舞台出てこない理由な気がしました…。



PVです↓
ルーデウスについては前世の記憶を引き継いでいるので、心の声は前世時代の声で喋っているのですが、その声が杉田智和さんなので、何処か「涼宮ハルヒ」シリーズのキョンを思わせました。

個人的に驚いたのは、途中でルーデウス達の旅を手助けするルイジェルド・スペルディアを、浪川大輔さんが演じていた事です。

彼は子役としてデビューしており、その頃に「ターミネーター2」のフジテレビ版の日本語吹き替え版で、ジョン・コナーを演じていたのですが、かつてT-800に助けられた少年が、彼に負けない屈強な戦士に成長し、今度は自分が少年少女を守る側になったと思うと、何だか感慨深いです…!



出典


参考サイト









参考動画












# by asabatyou | 2024-03-11 21:49 | アニメ | Comments(0)

THAT’S on NOISE(ザッツ・オン・ノイズ)

昨日は、「THAT’S on NOISE(ザッツ・オン・ノイズ)」を見た事を書きます。


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スタッフ
演出 : 松尾朋虎
脚本 : 狐野トシノリ(演劇ユニットFOX WORKS)


キャスト
大岩春樹 : 赤堀愁 
猪熊琢磨 : 原口裕成 
桜川茜 : 松島里香


ストーリー
伊佐坂高校の放送部。
クリスマス前に行われる毎年恒例の、「諸人こぞりて祭」の進行を行っているミニFM局。
インターネットを利用して、学生達のリアルな声を放送している。
そんな中、「好きな子に絶対断られない告白の仕方を教えてください」という質問が。
恋愛偏差値一桁の男子2人に女子1人、この世に恋愛セオリーはあるのか?


レビュー
高校の放送部が舞台の青春ラブコメディで、菊川市のご当地タレントである赤堀愁さん、劇団静岡県史所属の松島里香さんと、原口裕成さんという方達が出演しました。

最初こそ会場となった菊川赤レンガ倉庫という建物の都合上、場面転換が出来なかったせいか、登場人物も主人公3人以外出てこないので、変化が乏しかった事もあり、正直退屈でした。

しかし後半になると色恋沙汰もあって、女性ばかりの部活だったので良いように利用された事で女性が苦手になってしまった、すれ違いが原因で喧嘩し「女性の考えている事が分からない」、初音ミクと結婚出来る時代なんだ!ギャルゲーでは問題ないといった台詞があったりと、今の時代を色々反映している部分があったので、楽しめました。

もっと広い場所で、絶妙なタイミングで場面転換があったら、より楽しめたかもしれないと思うと、少々残念な印象もありました(実際、終わり頃は面白かった)。

2023年を代表するアニメの1つとなった「【推しの子】」も、芸能界の闇を描いた皮肉った作品でありながら、恋愛要素も邪魔しない程度にあったのも人気になった理由の1つだと思うのですが、やはりいつの時代でも、このようなネタは人を惹きつける事を改めて感じます。



OPは、何とAdoさんの「唱」が使用されていましたが、「歌ってみた」の動画を何度か見たので、それを思い出します。
他にも挿入歌として色んな曲も使用されていましたが、尺の都合なのか「唱」と同様、少ししか使われませんでした。



参考サイト
















# by asabatyou | 2024-03-04 17:09 | 舞台、演劇 | Comments(0)

ヤマトタケル(1994年の映画)

今月の22日ですが、WOWOWで放送したのを録画した「ヤマトタケル」(同じ1994年にテレビアニメ版も放送されたらしいので、区別する為にここでは映画版と表記する)を見ましたので、その事について書きます。

存在自体は前から知っていましたが、実際に見たのは今回が初めてです。


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スタッフ
監督 : 大河原孝夫(本編)、川北紘一(特技)
脚本 : 三村渉
製作 : 富山省吾
音楽 : 荻野清子
主題歌 : GLAY「RAIN」 
撮影 : 関口芳則(本編)、江口憲一(特技)
殺陣 : 金田治
スタント : 岡元次郎、清家利一、大藤直樹、坂本隆、関誉技恵、菊池香理(ジャパン・アクション・クラブ)
編集 : 小川信夫 
製作会社 : 東宝映画 
配給 : 東宝


キャスト
ヤマトタケル : 髙嶋政宏
オトタチバナ : 沢口靖子
ツキノワ : 麿赤兒
ケイコウ : 篠田三郎
イナヒヒメ : 杜けあき 
スサノオ : 目黒祐樹 
ツクヨミ : 阿部寛 
クマソタケル : 藤岡弘(現 : 藤岡弘、)
ヤマトヒメ : 宮本信子
ヤマタノオロチ : 薩摩剣八郎
ウツノイクサガミ : 福田亘
クマソガミ : 破李拳竜
海神ムーバ : 冴木勇次


ストーリー
ヤマトの国に双子の王子の弟として生まれたオウス(後のヤマトタケル)は叔母に育てられるが、病死した母親と、母親が自分に殺されたと誤解した兄オオウスを殺したという濡れ衣を着せられる。
父親ケイコウは敵のクマソを討伐するという危険な仕事をオウスに与え、その道中、オウスは巫女である勝気なオトタチバナと出会い、共に行動する。
クマソタケルを倒して都に戻った2人は、邪悪な神ツクヨミの復活を阻止しようと挑む。


レビュー
日本神話の人物、ヤマトタケルを題材にした特撮映画。

話自体は敵の陰謀で母と兄を失い、周囲から避けられていた主人公が、ヘラクレスの十二の功業の如く、危険な任務を与えられていくというシンプルなものですが、いかんせんドラマの展開が平板なので、あまり面白くなかったです。

世界観や雰囲気は良く、魔物を相手に戦っていくところやそのデザインと造形は良いのですが、当時の技術的な問題や着ぐるみの構造上あまり動けなかったせいか、戦闘シーンに迫力がなかったのも残念でした。

ただ藤岡弘、さんが、まさかの敵役で出演していて驚きましたが、悪役というよりは新しい主人公を試す、あるいは鍛えるかのように出て来た感じで嫌味がなかったのは、色々配慮されていた結果かもしれません(他にも「ウルトラマンタロウ」でお馴染みの篠田三郎さんや、「ゴジラ」(1984年版)などに出演した沢口靖子さん、スーツアクターも薩摩剣八郎さんや破李拳竜さんといった、ゴジラ映画の常連さんだったりなど、特撮とは縁がある方達も出演している)。

他にもヤマタノオロチは、西洋のドラゴンのイメージした事や(顔は「ゴジラvsキングギドラ」のキングギドラに似ているが、特報では既存のキングギドラの首を用いて、合成で8つの頭があるように見せたという)、その姿で本当に火を吹くのは、実に見応えがあり、まさに生の迫力でした!

これは「モスラ」(1996年版)に登場したデスギドラも同様ですが、実際その首の1つはヤマタノオロチの改造らしいです。

このように不満点は確かにあるものの、ゴジラとは違った特撮映画を作りたい意気込みは感じられるので、そこを楽しむべき作品かもしれません。



特報です↓
また本作に登場したクマソガミですが、「ゴジラアイランド」ではそのソフビ人形を茶色に塗り替えたドロリンという怪獣が登場しており、ゴジラやガイガンと戦いました。

ちなみに本作は三部作になるはずだったのですが、興行成績は芳しくなかったので、続編は製作されずに終わりました(テンポが良かったら、引き込まれたかもしれないのに、そこが失敗した原因のように思える)。



出典
画像 : 八頭龍オロチ (1994) 画像ギャラリー _ Wikizilla、怪獣百科事典(https://wikizilla.org/wiki/Orochi,_the_Eight-Headed_Dragon/Gallery)


参考サイト
ヤマトタケル _ 映画 _ WOWOWオンライン(https://www.wowow.co.jp/detail/011524)

ヤマトタケル (映画) - Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤマトタケル_(映画))







参考文献

# by asabatyou | 2024-02-26 20:41 | 特撮、モンスター | Comments(0)

佐喜太郎と白い雲

今月の18日ですが、市民劇団メローの最新作「佐喜太郎と白い雲」に出演しましたので、その事について書きます。


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スタッフ
作 : 市民劇団メロー団員、狐野トシノリ
演出、脚本、朗読劇指導 : 狐野トシノリ


ストーリー
フランスの植民地となっていたベトナムを、独立させる為に力を入れるファン・ボイ・チャウを支援していた浅羽佐喜太郎。
だがその後に異世界へ飛ばされてしまい、様々な人々と出会う事に…!


レビュー
2019年からメロープラザで行われている、「あなたも気軽に演劇体験」の参加者が結成した、市民劇団メローの作品第5作目。

今までは「番町皿屋敷」や「守られた約束」など、既存の作品を朗読劇にする事がありましたが、今回は参加者全員が生み出した脚本を融合させた作品となりました。

例えば現代編は、静岡県指定文化財工芸品に指定された平治二年銘梵鐘で、明治時代編はかつて実在した、浅羽佐喜太郎さんとファン・ボイ・チャウ氏、遥か昔と異世界は「天狗になった芝村の小太郎」と、「龍巣院山門の龍」という地域の民話を基にしています。

なので登場人物や舞台がコロコロ変わるので、何も知らない方には誰が主人公なのか分かりにくいのでは?と思う事が、何度かありました(中には、これといった決まった主人公がいない群像劇というジャンルがあるものの)。

またタイトルから佐喜太郎さんが主役かな?という気もしますが、実際はそれほど活躍せず、脇役に見える小太郎少年の方がよっぽど出番が多くて主人公らしく、佐喜太郎さんが主役である意味が、あまり感じられませんでした。

劇中では存在が語られていた天狗が結局登場しなかったり、アオサギがメインキャラの1人なのは、どうしてもスタジオジブリ版「君たちはどう生きるか」と比較してしまい、二番煎じ感が無きにしも非ずでした(実際、私が稽古で演じた時も、完全にそれを意識してやっていました)。

次回作では本作をもっと深堀するとの事ですが、その時は主人公を明確にさせたいです(最初は小太郎を完全に主人公にさせようか?と思う時もありましたが、彼のお話は今回でやり尽くした感があるので、個人的に「龍巣院山門の龍」は、正統派のドラゴン退治の話なので、こちらをメインにした方が面白い気がします)。

他にも普通の劇なのか朗読劇なのかも、はっきりしておらず中途半端だったので、これもどちらかに統一してほしかったです(やっている方としては、ある程度セリフを覚えた方が却ってやりやすく、お客様のアンケートでも「台本に捕らわれちゃっている」的なコメントがあった)。

今回はこのようになりましたが、次回作に出たい方が2名いるという嬉しいお言葉もありましたので、もし何か分かりましたら、X=ツイッターで紹介していきます。



本編です↓
私は本作でファン・ボイ・チャウ役で出演しただけでなく、脚本の原案も担当しました。

実際、佐喜太郎さんとチャウ氏の会話シーンは完全に私が書いた脚本を基にしており、そちらはまた機会がありましたら、ピクシブ小説として紹介します。

チャウ氏を演じた時も付け髭があった方がらしく見えたので、正直悔いが残りました(お店に必ずあるとは限らないので、今後はAmazonで購入する事も考えた方が良いだろう)。



参考サイト

















参考動画



# by asabatyou | 2024-02-22 20:38 | 舞台、演劇

恐竜・怪鳥の伝説

今月の6日ですが、YouTubeで期間限定で視聴可能になっていた「恐竜・怪鳥の伝説」を見ましたので、その事について書きます。


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スタッフ
監督 : 倉田準二
脚本 : 伊上勝、松本功、大津一郎
製作 : 橋本慶一
音楽 : 八木正生
主題歌 : 宮永英一「遠い血の伝説」
撮影 : 塩見作治
編集 : 市田勇
造形、操演 : 大橋史典
製作会社 : 東映京都
配給 : 東映


キャスト
芦沢節 : 渡瀬恒彦 
小佐野亜希子 : 沢野火子 
谷木明 : 林彰太郎 
椋正平 : 牧冬吉


ストーリー
1977年の夏。
かつて富士の西湖に恐竜が今も生存すると主張して非業の死を遂げた父を持つ芦沢節は、樹海で女性が怪死した事件に興味を覚えて調査を開始。
まもなく西湖では不可解な事件が多発し、次々と人々が襲われていく…。


レビュー
東映による特撮映画で、日本の実写映画にしては珍しくかつて実在した古生物が登場する異色作。

存在自体は知っていたものの、正直全然面白くなかったです。

そもそもタイトルからしてツッコミどころしかなく、本作に登場するのはプレシオサウルスとランフォリンクスなのですが、前者は首長竜という水生爬虫類で、後者は翼竜という空飛ぶ爬虫類なので、恐竜でも鳥でもありません。

まず恐竜の定義が、地上で生活している直立歩行に適した骨格を持った爬虫類なので、看板に偽りありとはまさにこの事です。

内容は明らかに「ジョーズ」の影響を受けており、サメの背びれの被り物を使って悪戯したり、残酷なシーンもあったりするので、他の怪獣映画や恐竜映画と異なる印象があります。

しかし「ジョーズ」の場合は、都会は犯罪が多いから嫌だと逃げるような生活を送っていたら、ホホジロザメ(ホオジロザメ)の襲撃事件に巻き込まれただけでなく、自分の子供まで危険な目に遭わせてしまったから、サメに詳しい人達の協力を得て立ち向かう様を無駄なくテンポ良く描いているし、サメが殆ど出てこないのも気にならないどころか、見えない敵の恐怖を表現していたので、却って良い方向に進みました。

ですがこの映画は、謎の生物による人間と動物が殺害される事件が起きる→だが犯人は見つからない→更にランフォリンクスまで出現して、プレシオサウルスと戦うという非常にシンプルな内容なのに、テンポが悪くて退屈です。

だから敵が姿を見せないのがマイナスになっていて、「まだ出てこないの?早く終わらないかな…」という気分にしかなれません。

しかもランフォリンクスの登場が、あまりにも後付け感しかなかったし、プレシオサウルスとの戦いも迫力がないので、別に出てこなくても話が成立するレベルでした(他にも、何故この状況でこの音楽?なシーンもあった)。

ラストも「これで終わり?」って言わざるを得ないし、「ジョーズ」がいかに凄かったかを再確認する為に作られた印象すらありました(やはりスティーヴン・スピルバーグ監督は、偉大であった…)。



予告編です↓
ちなみに造形や操演を担当した大橋史典さんは、「マグマ大使」(1966年版)で大恐竜を自作自演したり、「007は二度死ぬ」では美術スタッフ、「猿の惑星」では造形スタッフとして参加した実力者です。

ですが本作では、特撮に関しては突貫工事で予算も不足だったらしく、あまりにも作り物然としており、その手腕を発揮していませんでした。

結果的に大コケしてしまっただけでなく、大橋さんもこれが最後の作品になったのも残念です。



出典


参考サイト




# by asabatyou | 2024-02-13 17:29 | 特撮、モンスター | Comments(0)