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DR. CYCLOPS(ドクター・サイクロプス)

今日は「DR. CYCLOPS(ドクター・サイクロプス)」を観ましたので、その事について書きたいと思います。
怪獣映画に関連する本で、存在自体は中学生ぐらいの時から知っていたのですが、YouTubeにある事を知り早速観てみたいと思って観る事にしました。


ストーリー
行方不明になった博士を捜す為に、探検隊はアマゾンの奥地へ向かった。
博士は探検隊達を温かく迎えるが、彼には下心があった。
そう、博士はこの5人を縮小実験の実験台にしようとしたのだった!!
博士の陰謀でまんまと縮小されてしまった5人は、様々な脅威に晒されながらも、この狂気の博士を倒すべく立ち向かう。


解説&感想
メリアン・C・クーパーやウィリス・オブライエンなどと一緒に、「キング・コング」を手掛けたアーネスト・B・シュードサック監督によるSF映画。
何故「ドクター・サイクロプス」なのかといいますと、博士は眼鏡がないとまともに見えない程目が悪く、最後は主人公達によって眼鏡を全て破壊されて、盲目になってしまうというストーリー展開が、ホメロスの「オデュッセイア」にあるサイクロプスのポリュペモスが登場するエピソードに似ているからです。
この時代にしては珍しくテクニカラーで、画質が大変綺麗で特撮も素晴らしく、ちょうど同じ頃に作られた、「オズの魔法使」や「バグダッドの盗賊」(1940年版)と肩を並べる程、完成度が高い作品となっています。
さて主役のドクター・サイクロプスですが、スキンヘッドで牛乳瓶の底のような眼鏡を掛けており、見るからにあくどい雰囲気を漂わせているその姿は、どう見ても東京裁判で有名な東条英機そのもの(ドイツ人のプッツンした科学者と言われる事も)。
本作が作られた1940年といいましたら、ちょうど第2次世界大戦の真っ只中であり、しかもアメリカと日本は敵同士で反日感情も高まっていた事から、当然の結果なのかもしれません。なのでSF・特撮映画であると同時に、プロパガンダ映画とも言えるでしょう。その事が影響しているせいか、本作は日本で劇場公開される事はなく、さらにテレビ放送やDVDなどの発売もない、完全な日本未公開作品です。
それと「あなたの知らない怪獣マル秘大百科」では、博士も最後は小さくなってしまうと書いてありましたが、実際は主人公の活躍によりロープからの転落死というラストでした。う~ん「豪勇ペルシウス大反撃」や「キング・ダイナソア/恐竜王」を観た時でも思った事ですがなんで事実と全然違うのに間違えるんですかね?まあそれらの本が出た当時は、今のようにYouTubeやニコニコ動画のような動画サイトがなく、DVDなどの発売もありませんでしたので、うろ覚えなのも仕方ないような気がしますが…。
最後になりますが、このドクター・サイクロプスを演じたアルバート・デッカーという役者は結構名の知れた俳優らしく、「エデンの東」といった名作に出演していたそうですが、ひとりSMの最中の事故死ではないかと思われる変わった死を遂げたのは、有名な話だそうです。
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スタッフ
監督:アーネスト・B・シュードサック
製作:メリアン・C・クーパー
原作:ヘンリー・カットナー(サマルマン)
脚本:トム・キルパトリック
撮影:ヘンリー・カットナー
編集:エルスワース・ホーグランド
音楽:ジェラルド・カルボナラ、アルバート・ヘイ・マロッテ、エルンスト・トッホ


キャスト
ターケル博士:アルバート・デッカー
ビル・ストックトン:トーマス・コレイ
マリー・ロビンソン博士:ジェニス・ローガン
ブルフィンチ博士:チャールズ・ハルトン
スティーブ・ベイカー:ヴィクター・キリアン
ペドロ:フランク・ヤコネッリ


上が本編で、下が予告編です↓





個人的にこの映画の不満といいましたら、主人公達が縮小されてしまう時、博士をメインに映していた事ですね。
僕としては縮小されてしまう機械に入れられてしまい、パニック状態になる主人公→縮小され「何がどうなってんだ?俺達生きてんのか?」、「これは一体どういう事だ?」などと思っている所へ、扉がバタッと開き、見ると自分達が小さくなった事で巨人のようになった博士が、「フッフッフッフ…」と不気味な笑みを浮かべながら主人公達を見下ろすという、主人公達をメインに映してほしかったです。てっきり、こういう感じなんだろうなと思っていましたので…。


1枚目:Dr. Cyclops - Wikipedia, the free encyclopedia
2枚目:Playing Horror Catchup 2009 Edition - Row Three

参考
SF MOVIE DataBank:ドクター・サイクロプス
最低映画館~ドクター・サイクロプス
『ドクター・サイクロップス』(『Dr. Cyclops』 1940) SFシネクラシックス
アルバート・デッカー - Wikipedia
モンスターパニック―超空想生物大百科
あなたの知らない怪獣マル秘大百科

by asabatyou | 2012-04-26 22:58 | 特撮、モンスター | Comments(2)

Commented by エースロボット改 at 2012-04-27 17:54 x
ウルトラQの1/8計画や映画ミクロキッズを思い出す内容ですね。
縮小人間のサイズはざっと元の1/5ほどでしょうか。これなら人形店でじっとしてたら見分けつきませんね(笑
人間を小さくするっていうのはSFでは一種の定番ですね。ドラえもんのメイン道具のスモールライトしかりと例には事欠きません。
でもどうせなら、こういう発明はいい方向に使ってもらいたいものですね。映画、ミクロの決死線などおもしろかったです。
けれど、これからはあまり人間そのものを縮小というのははやらないかもしれませんね。なぜなら、小さくなっての作業はすでに超高精度の内視鏡やナノマシンによって、夢ではなくなってきているのですから。
Commented by asabatyou at 2012-04-27 19:17
ミクロキッズ懐かしいです!!
個人的にはストップモーション・アニメによる、アリやサソリの登場シーンが好きです。
「人間を小さくするっていうのはSFでは一種の定番ですね。」そうですね。合成が上手ければ、さも人間が小さくなったかのように見える、または巨大生物に見えるわけで、比較的シンプルな特撮で済みますから、昔からよく映像化されたのではないかと思います。
「ミクロの決死線」って、確か「恐竜100万年」で有名なラクウェル・ウェルチが出ていたような気がします。
「小さくなっての作業はすでに超高精度の内視鏡やナノマシンによって、夢ではなくなってきているのですから。」
現実では絶対にありえない事をやるのが面白いですから、それを実現してしまったら当たり前になってしまい、夢や神秘性が失われますからね。