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asabatyouのなんでもブログ2

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タイトルの通りasabatyouのなんでもブログ(http://d.hatena.ne.jp/asabatyou/)の続編です。

地球へ2千万マイル

昨日は今月の3日に買ったDVDの1枚、「地球へ2千万マイル」を見ましたので、その事について書きます。
元々DVDを持っていまして、小学生の頃から何度も見た馴染みのある映画の1本ですが、2007年に公開50周年を迎えたので、それを記念したカラー版が作られたからです(本当はカラー映画にしたかったんだが、特撮を担当したレイ・ハリーハウゼンがフィルムの質に難色を示したので中止になり、モノクロ映画になった)。


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スタッフ
監督 : ネイザン・ジュラン
製作 : チャールズ・H・シニア
特撮 : レイ・ハリーハウゼン
音楽 : ミーシャ・バカレコフ(ノンクレジット)


キャスト
カルダー大佐 : ウィリアム・ホッパー
マリサ・レオナルド : ジョーン・テイラー
レオナルド博士 : フランク・プーリア
マッキントッシュ将軍 : トーマス・ブロウン・ヘンリー
象に餌をやる客 : レイ・ハリーハウゼン(ノンクレジット)


ストーリー
イタリアのシシリー近くの漁村に墜落した金星ロケットが持ち帰ったゼリーのような物体から、人間と爬虫類が混ざったかのような奇妙な生物イーミア(イーマ、イーマ竜などの表記もあり)が誕生した。
急速に成長していくイーミアは、ロケット乗員で唯一の生存者であるカルダー大佐らに捕らえられるが、蘇生して暴れ出す。
動物園の巨象との死闘の末、イーミアはローマ市街地に逃走してしまう。
ここに至って機甲部隊が出動し、コロセウムを舞台にイーミアと人類の決戦が始まった。


レビュー
マスター・オブ・モンスターこと、レイ・ハリーハウゼンの特撮で有名な怪獣映画。
主演は「悪い種子」で主人公の父親役だった、ウィリアム・ホッパーです。
これまでハリーハウゼンは「原子怪獣現わる」ではニューヨーク、「水爆と深海の怪物」ではサンフランシスコ、
「世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す」ではワシントンといった、アメリカ国内を破壊し続けたのですが、ここではイタリアを舞台にしています。
ハリーハウゼンは「The Elementals」というパリを舞台にした怪獣映画を企画していたのですが、それが実現しなかったので、これを作る事になりました。
予算の関係で大規模なロケ隊は組めなかったのですが、ハリーハウゼンはイタリア旅行を楽しんだそうです(オードリー・ヘプバーンの「ローマの休日」以降、ハリウッドではちょっとしたローマブームがあったようで、同地を舞台にした作品は結構多いという)。
ストーリー自体は宇宙からやって来た怪獣が地球で暴れまわる、よくあるパターンなのですが、イーミアの立場になって考えると悲劇でしかないのです。
イーミアは自分から敵に攻撃する事はなく、どちらかといいますと大人しい性格なのですが、人間によって望んでもいないのに地球に連れて来られて、そこで殆ど一方的に攻撃されて最後は軍隊に殺されてしまいます(犬や象と戦うシーンがあるが、先に喧嘩を売ったのは動物たちの方であり、イーミアは正当防衛でやっただけに過ぎない。牧場に迷い込んだ時でも逃げようとしなかった子羊に対して、ただ静かに見ているだけで危害は一切加えていない)。
とは言いましても、人類も自分達の発展の為に「金星の環境で生きるにはどうしたら良いのか?」を知る為にイーミアを実験体にして、その問題を解決しようとしていただけで悪気はありませんから、どっちにとっても悲劇だったと言えるでしょう。
イーミアの外見は一見怪獣らしい姿をした正統派に見えますが、体は人間に似ているので、リザードマンに見えます。
これは「猿人ジョー・ヤング」を作った時の経験を活かし、人間に近い姿をしている方が面白い表現ができると思ったからだそうです。
これで怪獣でありながら人間のようにも見える独特の雰囲気が出て、他の怪獣との差別化を図る事に成功しました。
このデザインは、明らかにローランド・エメリッヒ版のゴジラ(今は「ゴジラ FINAL WARS」に登場したのをきっかけに、ジラという名前に変えられたが・・・)に影響を与えたと言えます。
人間に迫害や攻撃された末に殺されてしまうところは、ハリーハウゼンが特撮を目指すきっかけになった「キング・コング」(1933年版)へのオマージュです。
ちなみに本作には恋愛描写もあるのですが、本編に係わる重要な要素ではないので、はっきり言って蛇足です(笑)。
イーミアが一体どこへ行ってしまったのか分からないというのに、そういうシーンがありましたから、「そんな事してる場合じゃないだろ」と言わざるを得ませんでした(笑)。
このように見所もたくさんあると同時に、テンポ良く進んでいきますので、まったく飽きずに最後まで楽しんで見られます。


予告編です↓

本作は日本では何故か劇場公開されなかったのですが、「ウルトラ怪獣図鑑」などで有名な大伴昌司さんが紹介した事によって、「金星人地球を征服」の金星ガニと同様、海外のモンスターとしては知名度が高いです。



出典
画像1:金星竜イーマ _ 怪獣ブログ.html
画像2:Colorized Black-and-White Film - a gallery on Flickr.html

参考サイト
地球へ2千万マイル - Wikipedia.html
20 Million Miles to Earth (1957) - IMDb.html
地球へ2千万マイル~缶詰の映画.html
地球へ2千万マイル _ メタボの気まぐれ - 楽天ブログ.html
続「世界怪物怪獣大全集」のご紹介 ( 映画レビュー ) - ALWAYS四丁目 ギドラキュラのお伽話 - Yahoo!ブログ.html

参考動画
レイ・ハリーハウゼンのすべて - YouTube.html

参考文献
レイ・ハリーハウゼン DVDライブラリー Limited Box 2に入っている解説書
モンスターメイカーズ―ハリウッド怪獣特撮史
モンスターパニック―超空想生物大百科
別冊映画秘宝世界怪獣映画入門!
あなたの知らない怪獣マル秘大百科
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by asabatyou | 2016-01-17 12:12 | 特撮、モンスター | Comments(2)
Commented by asabatyou at 2016-01-22 20:07
この映画では怪物と動物の死闘という、かなり異色の戦いが見られる映画ですが、このイーミアと象が戦うシーンは(私のお気に入りシーン)、以前ハリーハウゼンがマンモスと木星からやって宇宙人が戦う映画(未完成作品なのが残念)を作ったそうなので、それが元になっていると思います。

参考動画の「レイ・ハリーハウゼンのすべて」で、6:45ぐらいからその一部を見る事が出来ます。

象と戦うシーンは、後の「恐竜グワンジ」にもありました→https://www.youtube.com/watch?v=3A6tNff9y98
Commented by asabatyou at 2016-01-22 20:25
ちなみにイーミアという名前は、北欧神話に登場する巨人ユミルが元になっているそうです(綴りは、同じYmir)。
最初に生まれた神ブーリの息子ボル(ブル)が、ユミルの一族である霜の巨人ボルソルンの娘ベストラと結婚し、オーディン、ヴィリ、ヴェーの三神が生まれたのですが、ユミルはこの三神に殺されてしまったそうです。
その後その死骸を使って、世界を作ったようです。

詳しくはこちら→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%9F%E3%83%AB、http://dic.pixiv.net/a/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%83%AB