人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブードゥリアン

昨日は買ったDVDの1枚「ブードゥリアン」を見ましたので、その事について書きます。


ブードゥリアン_a0265223_13354047.jpg
ブードゥリアン_a0265223_13392395.jpg

スタッフ
製作 : ヴァル・リュートン
監督 : ジャック・ターナー
撮影 : J・ロイ・ハント


キャスト
ベッツィー・カーネル : フランシス・ディー
ポール・ホーランド : トム・コンウェイ
ウエスリー・ランド : ジェームズ・エリソン


ストーリー
看護師のベッツィー・カーネルは、砂糖農園を経営しているホーランドの依頼で、西インド諸島に招かれた。
実はホーランドの妻が現地ブードゥー族の呪いで、生ける屍ゾンビとなって俗界と死界をさまよっていた。
ベッツィーはホーランド夫人の手を取って、ブードゥー教の儀式に参加するが・・・。


レビュー
「キング・コング」(1933年版)で有名な、RKOが製作したゾンビ映画。
監督はフランスからハリウッドに逃げてきたジャック・ターナーという人で、「キャット・ピープル」(1942年版)とこの2本でホラーの巨匠にランクされたらしいです。
と言いましても、ゾンビのイメージを決定付けたジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」が作られる25年前の映画ですから、お馴染みの化け物然とした姿をしておらず、人間とまったく同じ姿をしています。
無表情で声もなく殆ど動く人形のようであり、人を襲う事もないので、後年のイメージと異なる印象を受けます。
ゾンビ映画の第1号「恐怖城(「ホワイト・ゾンビ」や、「ベラ・ルゴシのホワイト・ゾンビ」という表記もあり)」から11年経っていますが、まだゾンビが馴染みがなかった為、主人公がゾンビを知らず、それを教える人がいるという説明的なところがあります。
人間ドラマ中心でモンスターパニック物ではありませんが、ゾンビが死んだ人間が生き返ったものではなく、生きた人間が死んだような感じになる病気のようなものとして描いているので、今となっては非常に新鮮味のある設定になっています。
さてこの映画の一番の見せ場は、ブードゥー教の儀式の番人をしているゾンビ、カラフォーではないでしょうか?
出番はそんなに多くはありませんが、ひょろっと背が高くギョロっとしている且つ、生気のない目をしていて、見た目は人間と変わらないのに、圧倒的な存在感と威圧感と不気味さがあります。
演じたのはダービー・ジョーンズという人で、ベラ・ルゴシ主演の「Zombies on Broadway」という映画でも、似たようなゾンビを演じているみたいです。


予告編です↓

ちなみに本作には邦題がいくつかあり、テレビ放送では「生と死の間」で、DVD版では「私はゾンビと歩いた!」になっています。
DVD版は「何だこのふざけたタイトルは」と言いたくなりますが、原題を直訳するとこのタイトルになるからです。
確かに主人公がゾンビと一緒に歩くシーンはありますが、もう少し何とかならなかったのでしょうか・・・。これでは、コントみたいですし・・・。
2001年には「デス・ヴィレッジ」というタイトルでリメイクされたらしく、2009年にも「13日の金曜日/ジェイソンの命日」の監督だった、アダム・マーカスという人がリメイクするという話があったようです(結局、その後どうなったのかは不明)。



出典
画像1:I Walked With a Zombie 1943 Val Lewton _ Monster Movie Posters _ Pinterest _ ゾンビ.html
画像2:I Walked with a Zombie (1943) – HORRORPEDIA.html


参考サイト
SF MOVIE DataBank:ブードゥリアン.html
I Walked with a Zombie(1943) _ Digitalvampire.net.html
私はゾンビと歩いた!(別題:ブードゥリアン).html
ゾンビ映画の一覧 - Wikipedia.html
映画 ブードゥリアン - allcinema.html
I Walked with a Zombie (1943) - IMDb.html
Darby Jones.html
生と死の間.html
ブードゥの方も忘れないで。  『私はゾンビと歩いた!』 - 菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。.html
古典ゾンビ映画『私はゾンビと歩いた!』がリメイク _ ZOMBIE手帖ブログ.html
『私はゾンビと歩いた!』 _ La.La.La.html


参考文献
図説 モンスター―映画の空想生物たち
モンスター大図鑑

by asabatyou | 2016-05-05 11:51 | 特撮、モンスター | Comments(1)

Commented by asabatyou at 2016-05-11 22:26
この映画に出ている黒人の使用人達ですが、昔は奴隷だった事に時代を感じてしまいます。
同じ1943年に作られた「ルーニー・テューンズ」の「Coal Black and de Sebben Dwarfs」は、完全にステレオタイプな人種差別描写てんこ盛りですし、「Any Bonds Today?」はバッグス・バニーがミンストレル・ショーを彷彿させる事をやるシーンがあります。
ジョン・キャラダイン主演の「死体に殺された男」は、作られた1943年当時にしては珍しく、異人種の俳優が混ざったゾンビ映画らしく、ウォルト・ディズニーですら人種差別主義者だったと言われていますから、いかに今以上に差別が酷かったかを実感してしまいます。