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帰ってきたヒトラー

昨日は録画した「帰ってきたヒトラー」を見ましたので、それについて書きます。
前から興味がありましたが、やっと見る事が出来ました。


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スタッフ
監督、脚本 : デヴィッド・ヴェンド
製作 : ラース・ディートリヒ、クリストフ・マーラー
撮影 : ハンノ・レンツ
原作 : ティムール・ヴェルメシュ


キャスト
アドルフ・ヒトラー : オリヴァー・マスッチ
ファビアン・ザヴァツキ : ファビアン・ブッシュ
クリストフ・ゼンゼンブリンク : クリストフ・マリア・ヘルプスト
カッチャ・ベリーニ : カッチャ・リーマン
フランツィスカ・クレマイヤー : フランツィスカ・ウルフ


ストーリー
第2次世界大戦の終戦が迫った1945年。
ドイツの敗北が決定的となり、ナチスの総統アドルフ・ヒトラーは自殺した・・・、と思っていたら何と現代へタイムスリップしてしまった!!
何もかも変わってしまった世界に初めは困惑するヒトラーだったが、テレビ番組制作会社のフラッシュライト社に所属している、フランク・サヴァッキと出会った事でその運命が大きく変わる事になる。
何と彼はヒトラーそっくりの芸人だと勘違いされ、さらにテレビまでにも出演し、一躍人気者となってしまう。
自身が現代へ来た事を一冊の本にまとめ映画化もされたが、これらも大ヒットし、ヒトラーの人気はとどまる事を知らない。
だが気付いている者は、誰1人いなかった。彼が過去の時代からやって来た、ホンモノである事を・・・。
果たして世界は、どこに導かれるのか・・・?


レビュー
同名の風刺小説を映像化したブラックなコメディ映画で、もしもヒトラーが現代に蘇ってしまったら…、を描いた内容になっています。

ヒトラーといったらドイツでは今現在でもタブーとされていて、ナチス式敬礼をしたり「ジークハイル」と言ったりするなどが禁止されているほどで、拒絶されるばかりで馴染めるわけがないと思ってしまいがちです。
しかしこの映画では真逆で、ヒトラーが普通に街中を歩いていても、別に嫌悪感を抱かれていないどころか、移民や少子化などのドイツが抱えている問題を聞き入れているので、人気者になる驚きの状態が描かれています(テレビで演説をする時も、あえて人々が沈黙するまで待ってから始めるという、昔と変わらぬやり方であった)。

最初はかなりコミカルタッチで描かれていて、ヒトラーも普通のおっちゃんに見えてしまうのですが、終わり頃でサヴァッキがヒトラーがモノマネ芸人ではなく、1945年からやって来たホンモノである事を知ってから、シリアスになっていきます。
「こりゃ大変だ!早くアイツを止めないと!」と周囲に危機が迫っている事を伝えますが、結局失敗しサヴァッキは精神病棟に入れられて、ヒトラーも現代で知り合った人達を何人か手下にして引き連れていたり、一般市民にもヒトラーの信者は依然増え続けているという、何とも後味の悪い結末となっています。
ギャグも完全になくなって、ヒトラーが今までと別人かと思えるほど、一気に不気味に見える恐ろしさです(しかも元々頭が良いので、インターネットやメールアドレスといった現代的な物も、すぐに慣れて適応してしまった)。

ヒトラーといいましたらユダヤ人虐殺で有名で、そんな彼を我々が皮肉ると思ってしまいがちですが、ここでは真実が分かってヒトラーを抹殺しようとするサヴァッキに、「私を怪物と呼んだが、そんな私を選んだのは、君達国民ではないか」、「君は決して私から逃れられない。私は君の一部だ」と逆に皮肉られてしまいます。なんてこった・・・。

ヒトラーが一般市民と会話するシーンは、ヒトラー役のオリヴァ―・マスッチが実際にベルリンなどの街中に現れ市民と対話するアドリブ形式で撮影されており、ドキュメンタリー的な部分もありますが、ドラマも見逃せずかつてヒトラーに家族を殺されたユダヤ人の老女(認知症だったのに、ヒトラーを見た途端全てを思い出す)と、因縁の再会するシーンもあります。

キャッチコピーに「笑うな危険」とあり、まさにその通りの映画ですが必見です。
私が思うに「総統閣下シリーズ」としてネタにされる事で有名な、「ヒトラー ~最期の12日間~」とセットで見る事をオススメします(本作の映像が一部流用されており、有名な側近との会話中に激昂するシーンを、パロディにしたと思われるシーンもある)。
「最期の12日間」は本来ヒトラーが生きている時代で何があったかを描き、こちらはその後(?)をやっているので、ある意味続編とも言えます(製作会社も同じ、コンスタンティン・フィルムである)。
ヒトラーの秘書となった、クレマイヤー嬢もカワイイし♪



予告編です(本編にある一部の映像と、セットになっているものもあり)↓






主人公の1人サヴァツキの服装ですが、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズの主人公、マーティ・マクフライとそっくりだったりします。
実際そのポスターが劇中に登場しているようですが、同じタイムトラベルを題材にしているので、敬意を払っている事が分かります。



出典


参考サイト

by asabatyou | 2017-07-01 11:09 | 映画 | Comments(3)

Commented by asabatyou at 2017-07-04 22:45
「ヒトラー ~最期の12日間~」でブルーノ・ガンツ氏が演じたヒトラーは、枯れていて悲壮感がありました。
でもこちらのヒトラーは、演じたオリヴァー・マスッチ氏が本物よりも若い40代な事や、新しい野望の実現のために動き出すので、余裕や力強さがあり(特に後半)、まさに野心家という言葉が似合います。
なので、「最期の12日間」とは対照的です。

日本語吹き替え版でのヒトラーの声は、「最期の12日間」では今は亡き大塚周夫さんで、こちらでは飛田展男さんが演じました。
Commented by asabatyou at 2018-03-01 22:18
最近知ったのですが、ヒトラーみたいな口髭模様をしてるからという理由で、虐待された猫がいるようです(https://rocketnews24.com/2014/05/29/445868/)。

たまたまその状態で生まれてきただけなのに、これはあんまりです。
ゲームのキャラクタークリエーションと違って現実では、自分の顔や姿など選べない事ぐらい分かっているはずなのに(まさに、現実はクソゲー)。

はっきり言ってこの猫より、それを虐待した人こそユダヤ人や障害者などを迫害し殺害したヒトラーそのものではありませんか。

それを知ったうえで「帰ってきたヒトラー」が作られたのは、必然だったと言えるでしょう。

エンディングでヒトラーが主人公を皮肉った時の台詞が、頭をよぎります。

「君は私を怪物呼ばわりしたが、そんな私を選んだのは君達国民ではないか。君は私からは、決して逃れられない。私は君達の中にいるのだ」



Commented by asabatyou at 2019-05-13 20:23
動画の下に書かれていた文章を、変えました。

その時参考にしたページは、これらです↓

https://tsutaya.tsite.jp/news/cinema/i/29317641/index、

http://cinemactif.com/eristwiederda_for_watchmen/、

https://eiga.com/movie/83898/critic/、

https://blogs.yahoo.co.jp/sweetmango727/55936656.html、

https://twitter.com/enonta/status/744881410096271360


さらに昨日知ったのですが、本作をイタリアでリメイクした「帰ってきたムッソリーニ」があるようです。
その名の通り、主役がムッソリーニに変更されており、去年の映画ではありますが、日本では今年の9月20日らしいです。
もし機会がありましたら、こちらも見てみたいです。
詳しくは、こちら↓

https://eiga.com/movie/90911/、

https://movie.walkerplus.com/mv67572/、

https://twitter.com/tomomori34/status/1122482420958109696、

https://m-dojo.hatenadiary.com/entry/2019/04/25/025447、

https://ameblo.jp/yukigame/entry-12457559076.html