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キングコング: 髑髏島の巨神

昨日は「キングコング: 髑髏島の巨神」を見ましたので、その事について書きます。


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スタッフ
監督 : ジョーダン・ヴォート・ロバーツ
ストーリー : ジョン・ゲイティンズ
製作総指揮 : エリック・マクレオド
音楽 : ヘンリー・ジャックマン


キャスト
ジェームズ・コンラッド : トム・ヒドルストン
メイソン・ウィーバー : ブリー・ラーソン
プレストン・パッカード : サミュエル・L・ジャクソン
キング・コング : テリー・ノタリー、トビー・ケベル


ストーリー
観測衛星によってその存在が明らかになった未知の島、髑髏(ドクロ)島。
アメリカ政府は研究者や兵士からなる調査遠征隊を派遣するが、そこは決して踏み入れてはいけない非常に危険な島だった。
ヘリコプターを次々と叩きのめしていく、この島の巨大なる王者コング。
なすすべなく逃げ惑う隊員達だったが、怪物はコングだけではなかった。
巨大なナナフシのスポア・マンティス、翼竜に似たサイコ・バルチャー、タコやイカに似たリバー・デビル、牛と植物が混ざったかのようなスケル・バッファロー、足が長い巨大蜘蛛のバンブー・スパイダー、骸骨みたいな顔をしたスカル・クローラー(巨大な個体は、スカル・デビルと呼ばれている)・・・。
そう、この島で人類は、虫けらに過ぎない・・・!!


レビュー
キング・コングシリーズ第8作目で、レジェンダリー・ピクチャーズ製作の怪獣映画を同一世界観のクロスオーバー作品として扱うモンスターバースシリーズ(「GODZILLA ゴジラ」(2014年版)など)としては第2作目の映画。

ストーリーは完全オリジナルで過去作品とは何も繋がりはありませんが、基本は未知の島に入り込んでそこに生息している巨大生物に襲われるというものなので、今までとほぼ同じです。
しかし今まで異なり、コングが人間界に連れて来られてそこで暴れるというお約束がなくなり、髑髏島だけで全てが完結しているのが特徴です。

さてキング・コングといいましたら、第1作目以降はどうもただの巨大猿で、同時に恋愛映画の主人公みたいに描かれていて、中々満足出来るものがありませんでした(東宝が作った「キングコング対ゴジラ」と「キングコングの逆襲」は、見た目は正直あれだけど、ちゃんと怪獣になっているから遥かにマシで、後の1976年版や2005年版と比べれば余っ程見応えがあり、本家のイメージや雰囲気を守ってると言える)。
ですが今回のコングは、第1作目の雰囲気を残した、嬉しい出来栄えとなっています。
怒った時の顔が第1作目のコングに似ていましたが(トッド・マクファーレン氏が作った、フィギュアのコングに見えなくもない)、これは作り手側が原点回帰したかったからなんだとか。

オリジナルはヒロインのアン以外の他者には問答無用で捻り潰す荒ぶる神でしたが、今回は島を守る為に戦う守護神なので、敵じゃない者は例えよそ者でも優しく接する穏やかな性格です(お馴染みの美女を助けるシーンもあるが、本当にただの人助けなので、今までのような恋愛感情や男女関係は、まったくない)。
1作目のような荒っぽさはありませんが、その代わりにヒーローキャラとしても見られるので、どちらかといいますと、「コングの復讐」や「キングコングの逆襲」、ガメラシリーズに近いです。

このように原点に戻りつつもヒーローらしさも取り入れているので、久々に満足出来るコングとなりましたから、オリジナルが好きな人なら、きっと楽しめると私は信じています。

リバー・デビルとの戦いは「キングコング対ゴジラ」で、鎖を引きちぎるのは第1作目、大木を武器として使うのは「コングの復讐」を思わせるので、過去作品へのオマージュも見られます。

ずっと2足歩行でナックル・ウォークをしなかったのは、1976年版でリック・ベイカー氏が自作自演した着ぐるみコングみたいですが、今の技術でそれをやってしまうとリアルになり過ぎて、ただ単にデカいだけのゴリラに見えてしまう可能性があったから、わざとやめたのかもしれません。

このコングは体長31.6メートルでありながら、まだ成長期の若者なのは、「Godzilla vs. Kong」でゴジラと再び戦う事が決まっていますから、その準備期間なのでしょうか?
時代設定も、現代ではなくて1973年にしたのも納得出来ます。

この映画で思ったのですが、ゴジラとの再会がコングを本来のキャラクターに戻してくれたのでしょう。



予告編です↓







個人的にこの映画のポスターは、本家より日本公開版の方が断然好きです。
本家ははっきり言って地味で面白みがないのですが、こちらはどういう映画なのかが見れば一発で分かりますし、「これ見たい!!」という好奇心が湧きます。
コングの表情が「キングコング2」に似ており、何だか古風で懐かしい気分を味わえますが、そこが良い!!
実際監督のジョーダン・ヴォート=ロバーツ氏も絶賛していて、SNSで注目を集めたのも頷けます。
これを描いたのは開田裕治さんという方で、「ゴジラ対エヴァンゲリオン」などを担当した、イラストレーターです。
開田さんは「怪獣絵師」と呼ばれていますが、本当に良い仕事をしてくれました。ありがとうございます!!
またこういう映画のポスターを描いてくれましたら、非常に嬉しいです♪

ちなみにコング以外に登場するモンスターで印象に残る、スカル・クローラー。
コングの種族を全滅させた張本人で、島の食物連鎖から外れた存在だから、コングも彼らを目の敵にしているので、まさに最初から戦う事が宿命づけられた、ライバルキャラです(ここが平成シリーズの、ガメラとギャオスの関係に似ている)。
爬虫類系との戦いをやる時点で「分かってるな」と言わざるを得ませんが、何と第1作目に登場した後足のないオオトカゲがモチーフなのが驚きです(「千と千尋の神隠し」のカオナシや、「新世紀エヴァンゲリオン」の使徒サキエルに似てると言われる事も)。
「ウルトラマン」シリーズに登場したガボラを細くした感じにも見えますが、まさかあのトカゲがコングのライバルに出世するとは・・・。世の中何が起こるか分かりません。



出典
画像1:キングコング 髑髏島の巨神 _ 作品情報 - 映画.com.html
画像2:ド迫力!怪獣バトル~『キングコング:髑髏島の巨神』最終予告が公開|週末は映画を観たい!.html


参考サイト
髑髏島の巨神 (どくろとうのきょじん)とは【ピクシブ百科事典】.html
キングコング_ 髑髏島の巨神 - Wikipedia.html
Kingu Kongu_ Dokuroto no kyoshin (2017) - IMDb.html
ヘリコプター握りつぶされとる 「キングコング:髑髏島の巨神」日本版オリジナルポスターの怪獣映画感半端無い - ねとらぼ.html
監督も絶賛!日本版の『キングコング:髑髏島の巨神』のポスターが素晴らしすぎる _ World Action.html
海外『日本人はやっぱり芸術的!』映画「キングコング:髑髏島の巨神」の日本版ポスター公開! _ 映画狂の詩.html
外国人「日本が一番イカしてる!」映画「キングコング:髑髏島の巨神」の日本版ポスターが異様にカッコイイと話題に 海外の反応|海外まとめネット _ 海外の反応まとめブログ.html
『キングコング:髑髏島の巨神』監督が怪獣画師・開田裕治氏の日本版ポスターを絶賛 エヴァや『ワンダと巨像』との関連性にも触れる _ SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス.html
開田裕治氏、作画ビジュアルを公開!|NEWS|映画『シン・ゴジラ』公式サイト.html
開田裕治 - Wikipedia.html


参考文献
この映画のパンフレット

by asabatyou | 2017-03-27 18:14 | 特撮、モンスター | Comments(5)

Commented by asabatyou at 2017-04-01 10:53
最近ふと思ったのですが、この髑髏島だけで話が完結しているのは、「コングの復讐」と同じです。

ただ「コングの復讐」は終わり頃で髑髏島は地震で海に沈み、コングもそれと運命を共にするのですが、本作では島もコングも最後までバリバリ健在なので、そこが唯一違います。

今思えばコングが住んでいる島をここまで恐ろしく描いたのは、これが初めてです。
今回はその島から脱出しないと生き残れないサバイバルもので、さらに「食人族」へのオマージュを捧げた残酷なシーンが、ほんの少しとはいえありましたから。
Commented by カーメン at 2017-04-01 15:41 x
自分もこういうタイプの、怪獣が人間に対する絶対者として終始君臨する映画は好きです。
怪物の島からの脱出といえば有名なところでは他にジュラシックパーク、日本ではゴジラの息子とかがありますね。マタンゴは怪獣映画とは言いがたいですが。
あと、最近人気のけものフレンズも、この映画とは雰囲気が正反対ですが終盤は怪物と戦って島を出ていくというところで似ていました。昔や今や、東西は違っても物語の王道は不滅なんですね。
次はコング対ゴジラ。メカニコングもまた出ないものですかねえ。
Commented by asabatyou at 2017-04-01 23:23
「他にジュラシックパーク、日本ではゴジラの息子とかがありますね。」

言われてみれば、確かにそうですね。
すっかり忘れていました(笑)。
「マタンゴ」は怪物よりも人間の方が怖く描かれていましたから、マタンゴ自身は影が少し薄かったです。

「けものフレンズ」はジェンツーペンギンなどが擬人化されていて驚きましたが、そういう話なのですね。
何だか想像できませんが(笑)。

「メカニコングもまた出ないものですかねえ。」
メカニコングは造形は日本ですが、デザインはアメリカが担当しているので、版権が複雑なのです。
だから色んな意味で、難しいかも…。
レジェンダリー・ピクチャーズが持っていれば、可能でしょうけど…↓
http://ameblo.jp/ayashii-museum/entry-12234252211.html、
http://ameblo.jp/yakan-1/entry-12052946802.html、
http://kumaking.sakura.ne.jp/kuma2/?p=7254、
http://blog.livedoor.jp/goldhagen/archives/35826531.html、
http://www.geocities.jp/jupitertetsu/godzilla4.html、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E9%80%86%E8%A5%B2
Commented by asabatyou at 2020-07-06 13:28
実は本作と世界観が同じと思われる、「ザ・バース・オブ・コング」という漫画があったりします。

そこではコングは昔はもっと沢山いたけど、スカルクローラー達との戦いで殆ど死亡し、もう2匹しかいない事が明らかになっていました。

もしかしてこの2匹が、映画本編に登場するコングの両親かもしれません↓

http://horrormovie.tokyo/2019/07/07/the-birth-of-kong1/
Commented by asabatyou at 2020-07-06 15:04
「キング・コング」(2005年版)以降、コングは滅びゆく種族で、映画に登場した個体が最後の1匹とされる事が多いですが、実際のゴリラも森林伐採や採掘による生息地の破壊、食用(ブッシュミート)の乱獲、内戦、感染症などにより生息数は減少しているという共通点があったりします。

ただコングの場合は、恐竜や他の怪獣との生存競争に敗れて消えつつあるという設定なのに、実際のゴリラは明らかに人間が絡んでいますが…。


詳しくは、こちら↓

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%83%A9、

https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/35263.html、

https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%83%A9、

https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%83%A9