人気ブログランキング | 話題のタグを見る

GODZILLA 怪獣惑星

昨日は映画館で「GODZILLA 怪獣惑星」を見ましたので、その事について書きます。
かつて1994年に「怪獣プラネットゴジラ」が作られましたが、まったく関係や繋がりはありません。


GODZILLA 怪獣惑星_a0265223_20131828.jpg
GODZILLA 怪獣惑星_a0265223_21200801.jpg
スタッフ
監督 : 静野孔文、瀬下寛之
原案、脚本 : 虚淵玄
キャラクターデザイン原案 : コザキユースケ
造形監督 : 片塰満則
演出 : 吉平“Tady”直弘
音楽 : 服部隆之


キャスト
ハルオ・サカキ : 宮野真守
ユウコ・タニ : 花澤香菜
マーティン・ラッザリ : 杉田智和
アダム・ビンデバルト : 梶裕貴
エリオット・リーランド : 小野大輔
ウンベルト・モーリ : 堀内賢雄
メトフィエス : 櫻井孝宏
エンダルフ : 山路和弘
ムルエル・ガルグ : 諏訪部順一
リルエル・ベルベ : 三宅健太
ハルエル・ドルド : 中井和哉


ストーリー
20世紀の終わり頃、人類は環境変化が原因で地球上に出現した巨大生物「怪獣」の脅威に晒されるようになった。
だが究極の生命体ゴジラの出現により他の怪獣は駆逐され、人類は地球脱出計画を開始する。
2048年になって、中央政府管理下の人工知能による選別を受けた人間だけが、恒星間移民船のアラトラム号で同盟を結んでいた異星種「エクシフ」と「ビルサルド」の人員を乗せ、11.9光年彼方のくじら座タウ星eを目指して旅立った。
しかしそのタウ星eは人類が生存出来る環境ではなかったので、他に行く当てのない彼らは地球への帰還を決意する。
ところが地球は2万年の月日が経過しており、地上はゴジラを頂点とした生態系による未知の世界となっていた。
果たして人類は、ゴジラから地球を取り戻せるのか。


レビュー
ゴジラシリーズ第32作目である、CGアニメ映画。
これまでアニメのゴジラといいますと、ディズニー作品の「バンビ」とコラボした「バンビ、ゴジラに会う」や、ハンナ・バーベラ・プロダクション(「トムとジェリー」で有名なウィリアム・ハンナ氏と、ジョセフ・バーベラ氏が設立したアニメ製作会社)が製作した「GODZILLA」(1978年版)、ローランド・エメリッヒ版の続編である「ゴジラ ザ・シリーズ」、幼児向けに製作された「すすめ!ゴジランド」がありました。
ですが短編だったりテレビアニメやOVAだったので、長編作品としてはこれが初となります。

ストーリーは至ってシンプルで、地球にゴジラが出現した為人類はそこを脱出したけど、他に住みやすい所がなかったので地球へ戻り、ゴジラと対決する内容となっています。
さらに主役の若者ハルオ(元ネタは、元祖ゴジラ俳優で今年の8月7日に肺炎で亡くなられた、中島春雄さんで間違いないと思われる)は、ゴジラに家族を殺された過去があり復讐しようとしているところは、ありがちではありますが「白鯨」みたいです(「進撃の巨人」を、SF風にアレンジしたかのように見えなくもない)。

分かりやすいと言えば分かりやすいですが、イマイチ物足りなさを感じたのも事実です。
前作の「シン・ゴジラ」は、今までのイメージを残しつつも良い意味でそれを壊す事もやっていましたし、そこに3.11こと東日本大震災のイメージを取り入れたり、登場人物が全員早口で淡々としている独特の世界観や雰囲気、監督が「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明さんで、音楽も同じく鷺巣詩郎さんが担当しているので、「EM20」(ヤシマ作戦の曲として有名な「DECISIVE BATTLE」と、戦闘準備シーンなどで使用される「Spending Time in Preparation」がベースとなっている)が使用されていたりとネタ要素満載でボリュームたっぷりでした。
しかしこちらではそれらがなく、主人公の復讐劇である以外何もないので、「シン・ゴジラ」の後では地味に見えてしまいます(敵がゴジラである以外、他のアニメと雰囲気やノリがあまり変わらず、CGも薄っぺらく動きもカタカタカサカサ気味なので、見劣りもしてしまう)。
「シン・ゴジラ」との差別化を出す為か、このゴジラにしかない特殊能力もありましたが、いかんせんインパクトがやや弱いです。
音楽も「ゴジラvsスペースゴジラ」や「ゴジラ2000 ミレニアム」の服部隆之さんなのに、全然印象に残りません。

ですが決して駄作ではないしつまらなくもないので、1回は見て損はないでしょう。
ゴジラの放射火炎も今までの作品と、「シン・ゴジラ」のイメージを上手く取り入れて、良い感じにアレンジされています。
声優も話題作りの為に本業ではない人がやる事なく、宮野真守さんや櫻井孝宏さん、小野大輔さんといった有名で人気のある方々が勢揃いなので、安心して見られます。
これは「シン・ゴジラ」の大ヒットで、改めてゴジラの人気の高さを思い知るきっかけになったので、もうそんな事する必要がないと判断したからでしょう(「GODZILLA ゴジラ」(2014年版)の日本語吹き替え版でそれをやったら、下手クソな奴がいると評判が悪かった事が影響してるんだろうな)。
以前地球で暴れまわった怪獣も、過去のシリーズに登場したものから、それ以外の東宝映画に登場した怪獣もいるので、知っている人が見たらニヤリとするのではないでしょうか?
実はセルヴァムという新しい怪獣も登場しているのですが、大きさは恐竜ぐらいで地球にやって来た主人公を襲ったり、人類とゴジラの戦いを妨害するかのように現れるだけなので、完全に添え物です(敵怪獣がいても人類vsゴジラがメインなのは、「ゴジラvsビオランテ」と同じ)。

昔あった連続活劇と同じで続きが気になるところで終わっていますが、来年の5月に「GODZILLA 決戦機動増殖都市」という続編が公開されます。
「GODZILLA ゴジラ」(2014年版)の続編である、「Godzilla: King of Monsters」や「Godzilla vs. kong」の公開も近づいているので、やがて日米を舞台に2匹のゴジラが跋扈する時代が到来します。
果たして生き残るのは、人類か、ゴジラか・・・。



予告編、特報、TVスポットです↓






今回のゴジラは外見こそ2014年版に似てますが、古代生物が起源だった従来の作品と異なり、何と樹木がモチーフとなっています。
その為体全身が大木みたいになっているのが特徴ですが、見た目に似合わず植物が起源なのは、「遊星よりの物体X」に登場した物体と共通しています。

それと出演している声優ですが、ウルトラマン関連の人物がいるので、ある意味「ゴジラvsウルトラマン」という見方も出来ます(宮野真守さんはウルトラマンゼロで、杉田智和さんはウルトラマンギンガ、中井和哉さんはウルトラマンマックスを演じているので)。



出典


参考サイト


参考文献
本作のパンフレット
「ゴジラvsスペースゴジラ」のパンフレット

by asabatyou | 2017-11-20 17:44 | アニメ | Comments(6)

Commented by asabatyou at 2017-11-21 18:09
書き忘れた事がありますが、今回のゴジラの鳴き声は「ゴジラ2000 ミレニアム」から「ゴジラ FINAL WARS」までの、ミレニアムシリーズの物が2回使われていて、後は全て新しく作ったとされる声でした。

他にも「ゴジラ FINAL WARS」以来久々に宇宙人が登場しますが、エクシフは「怪獣大戦争」や「ゴジラ FINAL WARS」、「ゴジラアイランド」に登場したX星人で、ビルサルドは「ゴジラ対メカゴジラ」と「メカゴジラの逆襲」のブラックホール第3惑星人が元ネタです。

監督の静野孔文さんは、ゴジラシリーズに宇宙人が登場する事自体知らなかったようですが、原案と脚本担当の虚淵玄さんが、アニメならではの面白さを出す為や「シン・ゴジラ」では切り捨てられたものをやろうとの事です。

この2種類の宇宙人は元ネタの面影がちっともないで、おそらく言われないと分からないかもしれません。
これは静野さんが元の姿を見た時、もろ古さを感じて固まったというか、リアクションがなくなったらしく、これはデザインを変更した方が良いなと判断したからです。

「ガメラ2 レギオン襲来」で「ガメラ対大悪獣ギロン」のギロンが再登場するはずが、「今時こんなデザイン、使えるかよ」と言われてボツになった時と似ています。
Commented by エースロボット改 at 2017-11-21 20:03 x
自分は来月これを見に行く予定です。見てきたら感想書きますね
Commented by asabatyou at 2017-11-22 19:17
是非お願いします。
でも私としては、前作の「シン・ゴジラ」の方が楽しめました。

今回のゴジラもS.H.MonsterArts(モンスターアーツ)で出ますので、こちらもどうぞ↓
http://tamashii.jp/item/12243/

アニメでゴジラといいましたら、「クレヨンしんちゃん」とコラボした「しんのすけ対シン・ゴジラ」があったのも思い出しました↓
http://www.henshin-hero.com/archives/20029589.html

それにしても「シン・ゴジラ」のヒットで、色んな所でゴジラを見るようになりましたが、何だか1990年代を思い出して懐かしいです。
Commented by asabatyou at 2017-11-22 21:17
過去に登場したキャラクターをそのまま出すのではなく、それをモデルにしたキャラクターを出すのは、ウルトラマンシリーズにもあります。

ミラーナイトはミラーマンで、グレンファイヤーはファイヤーマン、ジャンボットはジャンボーグA、ジャンナインは同じく「ジャンボーグA」に登場したジャンボーグ9がモデルです。
Commented by エースロボット改 at 2017-12-30 20:28 x
自分もついにこれを見に行け・・・なかったです。
実は見るつもりではあったのですが、適当な休日にしようと後回しにしていていざその日にしようとしたら、その前日に上映終了というマヌケな結果になってしまったしだいで、残念ですがDVDの発売を待つことにします。
代わりにガールズ&パンツァー最終章を見てきました。こちらは噂に違わぬクオリティの戦車が生き生きと動いていて見ごたえがありました。シンゴジラのCGの10式戦車もすごかったですが、映像技術の進歩というのはどこまででも行くものだと思いました。
そういえば、自分はゴジラといえば平成のがっしりしたものをまず思い浮かべますが、このアニメのゴジラはギャレゴジのマッシブなものを引き継いでいますね。そのおかげでシンゴジのような新鮮味は正直感じませんでしたが、今後のゴジラシリーズでどんな新しいデザインのゴジラが見られるかは気になります。でも正直言えばビオゴジあたりのデザインで作ってほしいというのもありますね。
では、よいお年を!
Commented by asabatyou at 2017-12-31 11:39
見に行けなかったのですか。
エースロボット改さんの感想を聴きたかったので、正直残念です。
来年の5月には、続編の「GODZILLA 決戦機動増殖都市」が公開されますので、こちらもお楽しみください。

「シンゴジラのCGの10式戦車もすごかったですが、映像技術の進歩というのはどこまででも行くものだと思いました。」
私もhttps://www.youtube.com/watch?v=66SAVZ4JxY8を見た時、「えっ!?これもCGだったの!?」と言いたくなるばかりだったので、正直驚きました。

本作のゴジラは今までの作品と異なり、植物が起源となっているので、全身が大木のようになっているのが特徴ですが、それ以外は2014年版と変わらないので、確かに新鮮味はありませんでした。

「でも正直言えばビオゴジあたりのデザインで作ってほしいというのもありますね。」
ゴジラといいましたら、未だに平成シリーズのイメージが強いのでゲームやイベントなどで、このゴジラが登場する事が多いですからね。
後は主役や王者としての威厳が感じられるのも、良いです。
でも物語的にあのゴジラは「vsデストロイア」で死亡しており、平成シリーズ以外の世界観では合わない事も考えられるので、色々難しいかもしれません。

話が長くなってしまいましたが、良いお年を!!