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asabatyouのなんでもブログ2

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タイトルの通りasabatyouのなんでもブログ(http://d.hatena.ne.jp/asabatyou/)の続編です。ツイッターは、こちらです(https://twitter.com/asabatyou)。

ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団

昨日はYouTubeで前から見たかった、「ウルトラ6兄弟vs怪獣軍団」を見ましたので、その事について書きます。
幼い頃持っていたウルトラマンの本に本作の事が書いてあったので、存在は知っていましたが、ちゃんと見たのは今回が初めてです。


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スタッフ
企画、製作 : 円谷皐
プロデューサー : ソムポート・センドゥアンチャイ、伊藤久夫
監督 : 東條昭平
音楽 : 冬木透


キャスト
コチャン : コ・ガオデンディ
アナン : アナン・プリーチャー
ヴィルッド博士 : ヨーチャイ・メクスワン
マリサー : パワナー・チャナチット


ストーリー
ブッダを敬う心優しい少年コチャンは、いつにもまして激しい高気温と乾燥がタイを襲う中、貧しいながらも仲間の少年達と一緒に楽しく生活していた。
ある日彼は仏像を盗みに来た泥棒3人組の後を追ったのは良いが、返り討ちにあい射殺されてしまう。
だがその様子を見ていたウルトラの母は、コチャンの亡骸を光の国へ運び、彼を白猿ハヌマーンとして復活させた。
蘇ったコチャンはハヌマーンに変身し泥棒3人組を成敗した後、地を焼き尽くすばかりの強い光を放つ太陽を説得して、タイを救った。
しかし乾燥と高気温に対抗する為に、人口降雨ロケット発射計画を進めていたヴィルッド博士達が、無茶な進行を続けた結果、地底に眠っていた怪獣達を目覚めさせてしまう・・・。


レビュー
日本の円谷プロダクションとタイのチャイヨー・プロダクションの合作による、ウルトラマン映画。
一見純粋なウルトラマンの映画に思えますが、原題が日本語に訳すると「ハヌマーンと7人のウルトラマン」で(理由はタイ語で「6」は「転ぶ」という単語と同じで、縁起があまり良くない数字だから、ウルトラの母も入れて7人になった)、あくまでハヌマーンが主役だから、ウルトラマン達は助っ人として終わり頃に登場するだけです。

異国の地でウルトラマン達が大活躍し、地元のヒーローと共闘する様を描いているので、一見夢のような作品に思えますが、実際は色々と残念な仕上がりになっています。

ストーリーや世界観や登場人物が完全にタイなので、全体的に仏教臭い民話的な価値観が漂っていて、他のウルトラマンとは明らかに異なる、異色のファンタジー映画といった感じになっています。
そこは別に良いのですが、問題はそれ以外です。
この映画は文化や時代の違いが影響しているのか、「悪には何をしても良いのだ」とでも言いたげで、他の作品と比べるとより過激で残酷な描写が目立ちます。

まず主役のハヌマーンですが(日本語吹き替え版の声は、「めぞん一刻」や「うる星やつら」などに出演した二又一成さん)、いかにも民族的でエキゾチックなルックスをしているのは良いにしても、いつも変な踊りをしていて落ち着きがなく、空を飛ぶポーズが「卍」に似ている珍妙さです。
人々には正統派ヒーローとして見られていますが、果たしてこれをカッコいいと思っているのでしょうか?
コミカルタッチなヒーローとして作られているなら、これでも多少は許される、かな・・・?
だけどその一方で、いくらかつて自分を殺した悪党とはいえ、巨大化した状態で「仏様を大切にしろ!大切にしない奴は死ぬべきなんだ!!」や「お前達を殺してやる!」などとヒーローらしかぬ物騒な事を言いながら、やけに楽しそうに人間達を血祭りに上げていく、サディスティックな一面があるのも事実です(当然、鬼畜ヒーローシリーズに1つにカウントされている)。
日本公開版ではカットされていましたが、本家では最後の泥棒を殺害した時流血しています。
いくら同じ人間の悪党を殺害した巨大ヒーローでも、大魔神のような爽快感は皆無です。

ウルトラマン達もそれに合わせているので、ドロボンの頭と両腕の皮と肉を剥いで骨を丸見えにしたり、たった1匹だけ残ったゴモラをみんなで寄ってたかって集団リンチするという、怪獣退治ではなく動物虐待にしか見えない蛮行をしているので、悪い意味で印象に残ってしまいます(他にも音楽や光線の構えが、かなり適当でいい加減)。
確かにこれが作られた1970年代といいましたら、表現規制が緩かったせいか、敵の体をバラバラに引き裂いたり、切断された時腸が飛び出る描写があり、同じ円谷プロが作った「レッドマン」では、倒れた敵の口に向かって槍を突き刺したり、敵の死骸を引きずって崖から落とすなどのシーンがありましたが・・・。

ラスボスのゴモラも、本来はキング・コングみたいに故郷で平和に暮らしていたけど、身勝手な人間によって連れて来られた哀れな被害者なのに、ここでは単なる悪役なので、正直納得出来ない扱いです。

決して傑作とは言えませんが駄作とも言えず(特撮の完成度は高い)、怪作と言うべきでしょう。

昔はVHSやレーザーディスクが出ていて日本でも視聴可能でしたが、今現在は円谷プロとチャイヨープロの関係が悪化したので、DVDやブルーレイは一切出ていません(ただし、タイではDVDなどが今日に至るまで発売されている)。



上が予告編で、下が本編です↓









1970年代半ばのタイは日本の漫画やアニメ、ヒーロー物が人気を博していて、チャイヨープロの社長ソンポート=セーンドゥアンチャイ(ソンポート・センゲンチャイ)氏も、かつて日本の東宝撮影所に留学して円谷英二さんや円谷皐さんらと、親交を深めていた縁でこれが製作されました。
それは嬉しいのですが、このチャイヨープロは何かとお騒がせな会社らしく、本作の続編として作られた「ハヌマーンと5人の仮面ライダー」は、東映の許可なしで作ったので日本未公開で非公式扱いになっている、「ハヌマーンと11人のウルトラマン」を作った時は、円谷プロの許可なしに「ウルトラマンレオ」などの映像を流用したので、映像ソフト化はされていない、円谷プロ抜きで中国との合作で「ウルトラマンミレニアム」を作ったので、著作権侵害訴訟になったとか・・・。

判決では円谷プロが「ウルトラシリーズ」唯一の著作者で、ソムポーテ氏の契約書が偽造とする円谷側の主張が認められました。



出典


参考サイト

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by asabatyou | 2017-05-19 17:14 | 特撮、モンスター | Comments(4)
Commented by asabatyou at 2017-05-20 12:09
参考にしたサイトで、
http://ameblo.jp/demae01/entry-10866549681.html、
http://blog.livedoor.jp/textsite/archives/17779379.html、
https://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=5951
を追加しました。

ちなみに登場した怪獣の中に、「ミラーマン」のダストパンがいますが(ただし虫みたいな触覚や羽がないなど、見た目に違いがある→https://ameblo.jp/rainbowsentair0b1n/entry-12157825826.html)、同じ円谷プロの作品で、「ウルトラマンタロウ」にも「ミラーマン」に登場したゴルゴザウルスが出ていましたから(http://dic.pixiv.net/a/%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%82%B6%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B9、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%82%A6%E3%81%AE%E7%99%BB%E5%A0%B4%E6%80%AA%E7%8D%A3#.E5.AE.87.E5.AE.99.E6.80.AA.E7.8D.A3_.E3.82.B4.E3.83.AB.E3.82.B4.E3.82.B6.E3.82.A6.E3.83.AB.E3.82.B9.E4.BA.8C.E4.B8.96)、それが影響しているかもしれません。
Commented by asabatyou at 2017-05-21 12:56
ハヌマーンが泥棒達を殺害するシーンでは、泥棒が明らかに悪意があり、何の罪もない幼気な子供を容赦なく殺していますから、当然の報いであり自業自得という見方も出来ます。

しかし怪獣達はhttp://dic.nicovideo.jp/b/a/%E3%83%8F%E3%83%8C%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%B3/31-にも書いてありますが、現実世界で例えると、サメやイノシシやクマといった危険生物が人里に現れて暴れているだけですからね。

確かに人類にとって脅威ですが、悪意があるとは言えないのに、それをあんなに楽しそうに殺害するのは理解出来ません。
ハヌマーンもウルトラ戦士の助けが来る前では怪獣達にリンチされていますが、サディスティックな一面があるせいで、ちっとも痛ましく見えません(笑)。
Commented by カーメン at 2017-05-23 17:51 x
この映画は私も見たことありますが、劣化して薄汚くなったウルトラマンたちのスーツが目につきました。
せっかくの国際共同製作だというのにまともに予算も出せなかった当時の円谷の台所事情が透けて痛々しいものと考えれば、怪作でも見方が多少変わってくるのではないかと、少しだけ思います。
Commented by asabatyou at 2017-05-23 23:51
http://dic.pixiv.net/a/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%80%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3やhttp://yojimbonoyoieiga.at.webry.info/200801/article_3.htmlにも書いてありましたが、当時の円谷プロは怪獣ブームはが下火になった事で倒産の危機が迫っていたので、余裕がなかったのでしょう。

これが海外のウルトラマンシリーズ第1号で、「ウルトラマングレート」やパワードの先駆けですが、その結果は苦いものとなってしまいました。