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イン・ザ・ヒーロー

昨日は前から興味があった「イン・ザ・ヒーロー」を、映画館で観ましたのでその事について書きます。
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スタッフ
監督:武正晴
音楽:李東峻
劇中歌:串田アキラ 「誰も知らないヒーロー」


キャスト
本城渉:唐沢寿明
一ノ瀬リョウ:福士蒼汰
大芝美咲:黒谷友香
海野吾郎:寺島進
真鍋満:草野イニ
森田真澄:日向丈


ストーリー
スーツアクター歴25年のベテラン・本城渉は、自身が代表を務める「下落合ヒーローアクションクラブ」(HAC)のメンバーとともにテレビ番組「神龍戦士ドラゴンフォー」のスーツを演じている。
そんな彼の共に「ドラゴンフォー」の新作に、数年ぶりに顔出し出演のオファーが届くが、その役が人気若手俳優の一ノ瀬リョウに交代されてしまう。
しかしハリウッド映画「ラストブレイド」のオーディションに挑んでいた一ノ瀬は、特撮物に出演するのは乗り気ではなかった為、幼稚なものと見下し周囲の人々と対立してしまう。
そんな一ノ瀬だったが、世界中で遊ばれているゲームのモーションアクターを、本城が演じている事を知って尊敬の念が芽生え、自分にアクションを教えてほしいと本城に頼んだ。
こうして、一ノ瀬の特訓の日々が始まる事になったが・・・。


レビュー
日本の特撮に絶対欠かせない、スーツアクター焦点を当てたドラマ映画。
かつてライダーマンを演じた事がある元スーツアクターの唐沢寿明さんが、主人公の本城を演じているので、彼にとってまさに原点回帰と言えるでしょう。
あまり例のないスーツアクターの映画ではありますが、東映が作った事もあって完全にスーパー戦隊シリーズノリで、ウルトラマンや仮面ライダーやゴジラといった、それ以外の作品は一切出てくる事はありません。
まぁそれが悪いわけではなく嫌いじゃないですが、ちょっと想像と違っていたかな・・・。
特に最後は完全に時代劇そのもので、戸隠流忍者アクションショーを見ているかのようでした。
このシーンは大変迫力があったのですが、もう特撮やスーツアクターそっちのけ状態であった事は確かです。
映画自体の出来は悪くはないのですが、果たしてファンが望んでいる映画なのかと言われますと、正直微妙なところです。
それに本当は顔出しの俳優になりたいんだけど、色々あってスーツアクターになっているみたいな描写が見え隠れしていたのもちょっとね・・・。
中には山村哲夫さんみたいに、怪獣になりたくて自らなった人もいますし、中島春雄さんや橋本力さんみたいにそれをやったからこそ有名になれた人もいるというのに・・・。
同じ顔出ししない役者でも、もしもこれが声優だったら、また違っていたかもしれません。
やっぱり声優と比べるとスーツアクターって、低く見られがちなのでしょうか・・・?
私が思うに同じような映画でも、ドキュメンタリーの「Men in Suits(メン・イン・スーツ)」の方が楽しめるような気がしました。


予告編です↓

また公式サイトではスーツアクターは、日本で生まれたと書いてあるのですが、これはどうなんでしょうか?
確かにスーツアクターという言い方は和製英語ですが、着ぐるみの仕事は映画の時代がまだサイレントの頃からあり、海外でよく使われています。
「ピーター・パン」(1924年版)や「人間タンク」などがそうですが、最も有名なのはフリッツ・ラングの「メトロポリス」でしょう。


1枚目:イン・ザ・ヒーロー:おすすめ映画(シネマ・チックス).htm
2枚目:イン・ザ・ヒーロー シネマ 居合い斬り! - ブロマガ.htm
参考:イン・ザ・ヒーロー - Wikipedia.htm映画『イン・ザ・ヒーロー』絶賛★上映中.htm、この映画のパンフレット、カズさんのコメント その①その②

by asabatyou | 2014-09-24 18:00 | 映画 | Comments(18)

Commented by カズ at 2014-09-26 11:54 x
出ましたね!
平日、午前の上映で俺を含めて観客は3名でした。
やっぱり、特殊な内容の映画だからでしょうか。
周防正行監督の「舞妓はレディ」は大勢いました。
せっかくスーツアクターものを作ったんだから、ヒットして欲しいですが、
後半は全て忍者の殺陣でしたから・・・どうなんでしょう。
Commented by カズ at 2014-09-26 11:59 x
この映画のことではないのですが・・・すいません。
「さぼげぶっ!」を観ました。

まるで実写のようにはくりょくがあるサバイバルでした。
玄田哲章さんのナレーションが面白かったです。
Commented by asabatyou at 2014-09-26 19:42
「平日、午前の上映で俺を含めて観客は3名でした。やっぱり、特殊な内容の映画だからでしょうか。」

私の時もそうでした。やはりマニアックな内容だから、人が入りにくいのではないかと思っています。
Commented by asabatyou at 2014-09-26 19:43
「せっかくスーツアクターものを作ったんだから、ヒットして欲しいですが、」

私としては・・・、どうなんでしょう・・・。
上に書いた事と同じになるかもしれませんが、「スーツアクターは普通の顔出し俳優になれなかった負け犬」とでも言いたげな所が見え隠れしていたのが、どうも気に入りませんでした。
中にはそういう人もいるかもしれませんが、みんながみんなそうとは限りませんし、スーツアクターに最初からなりたくてなった人や、その仕事を心の底から楽しんでやっている人だって、当然いるはずです。
にも関わらず、あのような描き方をしてしまうのは、あまりにも失礼です。
これがもし声優だったら、主人公はそれに憧れている、または声優としてすでに働いており、大変な事もあるけど楽しい事もある充実とした毎日を送っているストーリーとなり、俳優になれなかった負け犬とは絶対に描かないでしょう。
声優を題材にした漫画やアニメはいくつかありますが、大体こんな感じですし。
「イン・ザ・ヒーロー」は映画としては悪くはありませんが、本当のスーツアクターの為の映画ではないと思っています。
Commented by asabatyou at 2014-09-26 19:59
「玄田哲章さんのナレーションが面白かったです。」

シュワちゃんの吹き替えで、すっかりお馴染みの人ですね。
私は玄田さんといいますと、必ずと言って良いほどシュワちゃんの顔が出てきます(笑)。
今玄田さんといいますと、「コマンドー」関連の動画で観る事が多いかな(笑)?→http://www.nicovideo.jp/watch/sm17987960、http://www.nicovideo.jp/watch/sm20494384、http://www.nicovideo.jp/watch/sm21041481、http://www.nicovideo.jp/watch/sm18208070など(笑)。
Commented by カズ at 2014-09-29 12:20 x
asabatyouさんのコメントに涙が出そうでした。
特に、ヒデアキ先輩なんかそうですけど、俳優として顔なんか出したくなかった人で、マスクの中でそのキャラクターになって子どもたちや大人のファンの人たちとの接点を感じて、その返ってくる感動を喜びにしてきた人です。俺もそうです。
そのファンとの接点を感じられなかったら、暑くて息苦しいスーツの中になんて入っていられません。
特に、鈴木邦夫さんのように、怪獣モゴラになりきって演じてきたような人は、退職して着ぐるみ劇団なんか作りませんよ。
怪獣なんて、もっと息苦しいし、死を覚悟して演じているんですから。
asabatyouさんのこと、俺、大好きになりました。有り難う!!!!!
Commented by カズ at 2014-09-29 12:34 x
俺たちマン系のスーツは、頭部と首もゴムでつながっていて密閉度が高いのです。
レンジャー系やライダー系のスーツは、頭部と離れているマスクなので息も楽ですし、布系でできているの動きも楽で通気性もあります。
しかし、我々のマン系のスーツは、背中のファスナーを締められると、まさに密閉状態で、口に見えないような細いカミソリの刃のような空気穴と目は電飾でその下に小さなのぞき穴なので、アクションの後は本当に苦しいです。
レンジャー系は外からは見えないけれど、中からは良く見えるマスクの目なので動きも楽です。
比べてどうのこうのというのではありませんが、この密閉度の違いというのは大きいです。特に、マン系の怪獣はほんとうに辛いです。
でも、asabatyouさんのような人がいらっしゃることで、がんばれます。仲間たちに代わってお礼を言います。本当に有り難う!
Commented by asabatyou at 2014-09-29 18:58
「特に、ヒデアキ先輩なんかそうですけど、俳優として顔なんか出したくなかった人で、マスクの中でそのキャラクターになって子どもたちや大人のファンの人たちとの接点を感じて、その返ってくる感動を喜びにしてきた人です。俺もそうです。」

私もその気持ち、よく分かります。
http://asabatyou.exblog.jp/19728550/に書いた事と同じになるかもしれませんが、声優やスーツアクターは顔を出さなくて、一般の知名度が低いマイナーな存在だからこそ、「一体どんな人なんだろう?他の出演作は何だろう?」と謎めいた雰囲気がありますから、興味関心が出てきますし、「えっ!?このキャラとこのキャラって同じ人が演じていたの!?」、「この人、こんな事もやっていたのか」というギャップが面白く、最大の魅力だと思っていますから。
Commented by asabatyou at 2014-09-29 19:12
「鈴木邦夫さんのように、怪獣モゴラになりきって演じてきたような人は、退職して着ぐるみ劇団なんか作りませんよ。」

山村哲夫さんだって、最初は子役として顔出し出演していたのですが、「ウルトラQ」でM1号の着ぐるみを見たのをきっかけに、怪獣役者になった人ですからね。
にも関わらず、この映画のような描き方をしてしまったら、山村さんの事を否定する事になってしまいますから・・・。
Commented by asabatyou at 2014-09-29 19:30
実は私も浜松にあるヒーローズアカデミー(http://www.heros-academy.com/)で、アクションや殺陣を習っており、今現在次回の発表会に向けて練習をやっている所なのです。
そこの先生もスーツアクター経験者で元々東映関係の人物らしいのですが、カズさんと同じような事をおっしゃっていました。
その人はウルトラ怪獣の中では、ゼットンを演じた事があるそうですが、殆ど動けなかったそうです。

「asabatyouさんのこと、俺、大好きになりました。有り難う!!!!!」、「asabatyouさんのような人がいらっしゃることで、がんばれます。仲間たちに代わってお礼を言います。本当に有り難う!」

いえいえ、こちらこそありがとうございます。
色々大変かもしれませんが、頑張ってください。
遠くからではありますが、応援しています。
Commented by asabatyou at 2014-09-29 19:50
私が思うに「イン・ザ・ヒーロー」は、アニメ版「アイドルマスター(https://www.youtube.com/watch?v=kxYDGWNZkf0、http://www.nicovideo.jp/watch/sm21940543)」みたいなノリで描くべきだったと思います。
オタク臭いと思われるかもしれませんが、内容はアイドルになるという夢に向かって、日夜戦う女の子達の活躍を描いたもので、テーマとなっているものに対して偏見も何もなかったですから。
そもそも最初からオタクやマニアをターゲットにしていれば(いっその事、実写映画じゃなくてアニメにした方が良かったかも)こんなストーリーにならなかったかもしれないのに、非常に勿体ないです。
Commented by asabatyou at 2014-09-30 22:09
「「スーツアクターは普通の顔出し俳優になれなかった負け犬」とでも言いたげな所が見え隠れ」

この部分を感じたのは、リョウが主人公の元でアクションを学んでどんどん成長していき、憧れだったハリウッド映画のオーディションに合格したみたいな話になった時の事でした。
周りのスーツアクターをやっている人達が、「夢は必ず叶うもの・・・、そう思っていた時もあったよ・・・」と妙に暗い雰囲気になったり、さらにそんなリョウや仲間たちを見て、もうアクションはやめたいという人まで出てきたり、主人公ですら「日本でアクション出来る奴は、みんなスーツアクターになっちまう」と言うシーンでした。
これらのシーンを観た時は、「何だよ・・・、その反応と言い方は・・・」と思って、不愉快になり許せなかったです。
もし本当にスーツアクターの為の映画なら、絶対にこんなシーン入れません。
私には結局、通常の顔出し俳優万歳映画にしか見えませんでした。
Commented by asabatyou at 2014-09-30 22:32
本田透さんの「電波男」に、電車男とエルメスの恋を応援しているオタク仲間が「俺達はもうオタクをやめられない、秋葉原から抜け出して恋愛の世界へ帰る事は出来ない。しかし電車男よ、お前だけはあっち側の世界へ戻ってくれ!俺達の希望なんだ!」というセリフに、「オタクをやめろって・・・みんな、モテないから仕方なく、いやいやオタクをやっていただけだったの・・・?オタクって、その程度のものだったのか・・・?」とがっかりしていたのですが、この映画はそれに近いものを感じました。
何度も同じ事を言うかもしれませんが、一見楽しんでやっているように見えて、実は嫌々やっているだけだったの?スーツアクターって、その程度の存在だったの・・・?とね・・・。
Commented by asabatyou at 2014-09-30 23:02
またしても似たような事を何度も言う感じになるかもしれませんが、私がもし作るとしたら、「アイドルマスター」や「それが声優!」などといった、アイドルや声優を題材にした漫画やアニメみたいなノリにします。
主人公達が最初からその業界で働いているという所は同じなのですが、スーツアクターをやる事を本当に心の底から楽しんでいるストーリーにしたいです。
勿論主人公達もヒーローも良いけど怪獣や怪人もやるなどで、幅広いキャラを演じてみたい、日本のキャラも良いけど洋画のキャラも演じてみたい、実は作る側にも興味があって、リック・ベイカーや大橋史典さんみたいに、自分で作ったキャラを自分で演じてみたいなど、みんなそれぞれやりたい事や夢があって、ひたすらその夢や目標に向かって、日夜戦う主人公の活躍や生き様を描いた、所謂青春物ですね。
Commented by asabatyou at 2014-10-01 22:42
またも同じような事を言うかもしれませんが、芸能界を舞台にしたものであろうと、スポーツものであろうと、仕事関連がテーマとなっている作品を作る場合、主人公達はその仕事に誇りを持っており、心の底からそれを楽しんでいるという作りにしないといけません。
そうでないと観ているお客さんは楽しんでくれませんし、ファンは絶対に納得してくれません。
「スラムダンク」も私は全部観たわけではありませんので、あまりあーだこーだ言えませんが、主人公達が本当に心の底からバスケを愛しており、それに青春を捧げる姿を描いたから、人々の心をグッと掴み、歴史に残る名作になれたのですから、それと同じです。
いかに愛情と敬意を籠めて作るか?それが最も重要で大切な事です。
Commented by asabatyou at 2014-10-03 17:57
そもそもこのキャッチコピーに、スーツアクターや特撮の「ス」の字や「と」の字が入っていない事、まるでそれらをバカにするかのような予告編の作りで、この映画に彼らに対する愛がない事が丸見えです。
本当に彼らの為の映画なら、こんな事するはずがありません。
結局スーツアクターや特撮は、映画作りのネタに利用されただけで、本当はどうでも良かったんでしょう。
何だか「イン・ザ・ヒーロー」の真の姿が、分かってしまったような気がしました。
Commented by asabatyou at 2015-05-11 21:14
「ひとひら」に、「演劇は自分じゃない自分になれて楽しい」と言うセリフがあるのですが(https://www.youtube.com/watch?v=9c96-jlnES4)、スーツアクターは顔が出ませんから、余計に自分じゃない自分になるというのをストレート且つ、具体化したものではないかと思います。
これは声優やモーションアクター、ロトスコープで動きの演技を担当する人にも同じ事が言えます。
それを考えもせず、俳優じゃないとか子供向けだと馬鹿にしている時点で、考え方が古臭いという以前に俗物そのものです。
Commented by asabatyou at 2017-01-18 23:42
カテゴリを「映画」から、「声優、スーツアクター」へと変更しました。

私はこの映画を嫌っていますし、存在を認めていませんが、それでもスーツアクターを題材にしている事は確かだからです。