フリークス/怪物團

今日で今まで見ていた「怪物團(今現在は原題をそのまま日本語化した、「フリークス」というタイトルで定着しつつある)」を見終りましたので、その事について書きます。
偶然知った時から興味がありまして、ツイッターでもいくつか語った事がありましたが、やっと見る事が出来ました。
本当はYouTubeに日本語字幕付きの動画があったらそれで見たかったのですが(PS4があれば、テレビで視聴出来るから)、なかったのでニコニコ動画で見ました。


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スタッフ
監督、製作 :トッド・ブラウニング(製作をした事は、ノンクレジット)
脚本 : ウィリス・ゴールドベック、レオン・ゴードン、エドガー・アラン・ウールフ(ノンクレジット)、アル・ボースバーグ(ノンクレジット)
撮影 : メリット・B・ガースタッド(ノンクレジット)


キャスト
ハンス : ハリー・アールス
フリーダ : デイジー・アールス
クレオパトラ : オルガ・バクラノヴァ
ヘラクレス : ヘンリー・ヴィクター
フロソ : ウォーレス・フォード
ヴィーナス : リーラ・ハイアムス


ストーリー
フランスの曲馬団の一員である小人のハンスは、同じく小人で曲芸師のフリーダと婚約していたが、軽業師の美女クレオパトラにも魅せられていた。
やがてハンスは親戚から莫大な遺産を相続する事になったが、それを知ったクレオパトラは金目当てに彼を誘惑し、結婚までしてしまう。
実はクレオパトラは怪力男のヘラクレスと手を組んで、ハンスを毒殺しようと企んでいたが、それはハンスの仕事仲間にあっさりばれてしまった。
ハンスだけでなく自分達に対する侮辱行為をしたクレオパトラとヘラクレスに、今復讐の魔の手が迫る!!


レビュー
フリークス、何とも好奇心をくすぐられるタイトルですが、それは英語で異形や畸形、異様な物事という意味です。

とあるサーカスを舞台に本物の奇形者や障害者、見世物小屋のスターの方々が出演していますが、当時は大変なショックを与え、「魔人ドラキュラ」でドラキュラのイメージを決定づけた事で有名なトッド・ブラウニングも、仕事に恵まれなくなり、キャリアを閉ざすものとなってしまいました。
イギリスでは公開から30年間公開禁止となり、出演した殆どの奇形者達でさえ、出演したのを恥じたほどです。

何かと悪いイメージがあるようで、そんな問題作や禁断とも言える映画をこうして見たわけですが、様々な映像があって当たり前の時代を生きている今の我々にとっては、別にショッキングなものではありません。

ホラー映画とされていますが、それっぽいところがあるのは終わり頃の復讐シーンだけで、それ以外は完全な日常物です。
食事しながら会話したり、仕事仲間が出産すると大勢で祝福したり、結婚式でどんちゃん騒ぎしたりなど、そんなドラマ中心で話が進んでいきます。

けどその一方で一部の登場人物やクレオパトラやヘラクレスといった悪役達が、奇形者や障害者を怪物や化け物と言ったりと明らかに差別するシーンがあるので、今では絶対出来ないでしょう。
しかしハンスもフリーダと婚約していながらクレオパトラにも手を出しているので、彼にまったく罪がないかというと決してそうではありません。
ハンスが馬鹿にされるのは自業自得と言えなくもないですが、そんな彼を見捨てずに気遣って最後まで支えたフリーダは、おそらくこの映画一の人格者です。

ただ単純に「障害者や奇形者が清くて、健常者が醜い」という安易な内容ではなく、彼らだって人間だし日常生活も送っているし、怒る時はちゃんと怒るよと描いていたのに好感が持てました(と言いつつも初めて彼らの姿を見た時は、正直ちょっとびっくりしてしまいましたが、私自身発達障害に近いと同時に知的障害者でもあるので、療育手帳を持っています。自分だって似たようなものなのに、笑ってしまいます)。

クレオパトラとハンス達の仕事仲間であるヴィーナスの見た目が似ていて、見分けがしにくいという欠点があり、ストーリーも非常にシンプルですが、障害者や奇形者が大勢出演している映画は中々ないので、他の映画とは違った独特の世界観や雰囲気が魅力です。

同じような映画に「悪魔の植物人間」がありますが、こちらは「フリークス」の二番煎じで安っぽい作品みたいです。



本編です。
ニコニコ動画でいくつか投稿されていますが、こちらの方が画質が良くて時間も長いので、オススメします↓


ブラウニング監督は、何故このような映画を作ろうとしたのかといいますと、元々サーカスで働いていて奇形の芸人達と親しかった事が影響してるみたいです(サーカスに魅了されて16歳の時に実家を離れ、サーカスと共に過ごし各地を回ったらしい)。
他にも1915年に車の事故で前歯を失い、右足を粉砕骨折するといった重傷を負った後、下半身のない障害者や事故で下半身不随となる人物など、下半身に強く執着するようになったので、出演者の中ではジョニー・エックを可愛がっていたそうです。



出典

参考サイト

参考文献

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by asabatyou | 2018-01-27 16:47 | 映画 | Comments(3)
Commented by asabatyou at 2018-01-28 11:16
「フリークス」ですが、2005年にはデジタルリマスター版がリバイバル上映され、2012年には日本の音楽ユニットのALI PROJECTが作曲した、「凶夢伝染」のミュージック・ビデオに本作の映像が流用されているみたいです(テレビアニメ「Another」の、OPに起用されました)。
実際見てみたら、1:11~1:38ぐらいで確かに使用されてました→https://www.youtube.com/watch?v=We_uZ7-_HmM

内容について、ただ単純に「障害者や奇形者が清くて、健常者が醜い」という安易ではない事を書きましたが、本編を見ていれば分かります。
フロソとヴィーナスは健常者ですが完全にハンス達の味方で、奇形者や障害者達の世話係もいれば、デイジー&ヴァイオレット・ヒルトン姉妹は結婚もしていたり、恋人もいたりします。
Commented by asabatyou at 2018-01-28 11:53
この映画の出演者は見た目に特徴や個性がありすぎて、一度見たら忘れられない方々ばかりですが、特に印象に残ったのはシュリッツです(2枚目の画像の人物)。

https://en.wikipedia.org/wiki/Schlitzieを日本語に訳して読んでみたら、本名や出身地や両親も不明という謎めいた人物らしいです。
小頭症だけでなく重度の知的障害者でもあったので、単音節の言葉でしか話せなかったようです。

私も軽度の知的障害者なので、台本を読む時はともかく普段の日常会話では、何と言ったら分からなかったり、上手く言えない時があるので、変に止まりながら喋る時があります。
シュリッツの喋っているところを見た時は、そんな自分を思い出しました↓
https://www.youtube.com/watch?v=jDK1BCOM138
Commented by asabatyou at 2018-02-17 23:35
「フリークス」を語っているブログが、他にもありましたが、https://ameblo.jp/kyonsy-f/entry-12331137237.htmlに書いてある事が素晴らしかったです。

障害者は奇形者は昔見世物小屋で働いていたが、彼らは自分の意思で参加し、お客さんを喜ばせようと頑張っている。
笑いを提供しようとしている芸人と何ら変わらないのに、障害者達の活動を駄目にした風潮こそが差別ではないか?

障害者=可哀想だ、力を貸してあげたい、楽させたいと思ってしまいがちですが、それは健常者のエゴで、弱いから守ってあげるべきと、勝手に思い込んでいるだけに過ぎない。
助けてほしいサインを出すまでは手を出すべきではないと思うと書いてありますが、本当にその通りです。
これは健常者も障害者も、変わりません。

私も今まで何度も書いているように、ハンデを持った状態で生まれましたが、かと言って1人では何も出来ないわけではなく、自分で出来る事は自分でやるようにしています。

本作に出演している障害者や奇形者達は、その状態で生まれてきたからといって、変に暗いわけでもなく、普通に生きていますから。例え一部の心無い人間に、何を言われようともね。
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タイトルの通り「asabatyouのなんでもブログ(http://d.hatena.ne.jp/asabatyou/)」の続編です。ツイッターは、こちらです(https://twitter.com/asabatyou)。


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