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プリンセスと魔法のキス

昨日は録画した「プリンセスと魔法のキス」を見ましたので、その事について書きます。
前から興味がありましたので、やっと見る事が出来ました。


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スタッフ
監督 : ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ
製作総指揮 : ジョン・ラセター、アギー・コー
音楽 : ランディ・ニューマン
編集 : ジェフ・ドラヘイム


キャスト
ティアナ : アニカ・ノニ・ローズ、エリザベス・ダンペアー(幼少時代)
ナヴィーン王子 : ブルーノ・カンバス
魔術師ファシリエ : キース・デイヴィッド
レイモンド : ジム・カミングス
ルイス : マイケル・レオン・ウーリー
ママ・オーディ : ジェニファー・ルイス
イーライ"ビッグ・ダディ"ラバフ : ジョン・グッドマン
シャーロット・ラバフ : ジェニファー・コーディー、ブレアナ・ブルックス(幼少時代)


ストーリー
ティアナとその家族は、貧しいながらもいつか自分のレストランを持つ事を夢見ていた。
しかしそれから数十年の時が経ち、父親のジェームズはその夢を叶えられないまま他界し、成長したティアナは父の無念を晴らす為に、懸命に働く日々を送っていた。
けどせっかく手に入れた場所も他の人に取られそうになり、現実は厳しい一方だった。
ある晩ティアナは、富豪の娘シャーロットがナヴィーン王子を招待して開いた舞踏会に出席するが、そんな彼女の前に1匹のカエルが現れる。
自分は魔法にかけられて変身してしまったナヴィーン王子で、お姫様のキスで元の姿に戻るからしてほしいと言うカエルに戸惑いながら、キスするティアナ。
だがナヴィーン王子はカエルのままだけでなく、ティアナまでカエルになってしまい・・・。


レビュー
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが製作した長編アニメ映画で、「ホーム・オン・ザ・レンジ にぎやか農場を救え!」以来となる2D作品です。

ディズニープリンセス初の黒人の女の子が主人公ですが、よく考えてみたら黒人が主役のアニメ自体珍しいのでは?今まであるとしたら「アフロサムライ」か、「ブーンドックス」ぐらいでしょう(昔作られた「Coal Black and de Sebben Dwarfs」みたいに、ステレオタイプな人種描写のある差別的な作品は、ここではカウントしない)。
アメコミも含みますと、トッド・マクファーレン氏原作の「スポーン」がいます。
日本のアニメでも日本人か白人、無国籍風の人々ばかりで、黒人が主役のアニメはないも同然です(「BLACK LAGOON(ブラック・ラグーン)」は、主役の1人にダッチがいるので、まったくないとは言えませんが)。
ディズニー自身典型的な差別主義者で、白人至上主義だった事を考えますと、時代が変わった事を感じます。

ストーリーは2002年に発表された小説の「カエルになったお姫様」を基にしているだけでなく、グリム童話の「かえるの王さま」を劇中話に引用したりパロディとして使用しているので、これらを知っていると話が分かりやすいです。
一見カエルになった王子様がお姫様とのキスで、ウホッ!いい男…に戻るありがちな展開を想像してしますが、キスしても王子様はカエルのままで、ヒロインまでもカエルになってしまいます。
そこで2人は元の姿に戻る為の旅をするのですが、その途中で様々な動物達が仲間に加わる、冒険物となっています。
このヒロインも所謂恋をして王子様と結婚するのが目的ではなく、亡き父の夢を叶える為にレストランを作るのが夢でそれに向かって、とにかく働き続ける努力家ですが(しかもお姫様ではなく、貧しい家庭で育った)、王子様は女たらしで恵まれ過ぎていたせいで1人では何も出来ない駄目人間と、今までの雰囲気を残しつつも、良い意味で壊している部分もあったので、中々楽しめる内容となっています。
王子様も最初は駄目人間だったけど、ティアナに少しずつ惹かれていき、最後は彼女の夢を実現する為に力を貸しますから、彼にとっては成長物語と言えます。

仲間の巨大ワニのルイスも、違う意味で夢を叶えたのも好感が持てました。
彼の夢を本当にそのまま叶えてしまったら、多分薄っぺらくて安っぽい印象を受けたでしょうから。

見所はありますが、「時代設定が1920年代なのに、当時あった人種差別が描かれてない」、「仲間のホタルが、歯抜けとして描かれている」(このホタル、良い奴だったんだが)など、アメリカ黒人社会からの批判があったようです。
他にも「カエルのお姫様」というタイトルになるはずが、主人公が黒人の女の子な為、差別を連想させるとの事で、今のタイトルになりました。
主人公の名前は最初「Maddy」だったが、これは「Mammy」(お母ちゃん)に聞こえるということ以上に、「Addy」(典型的なアメリカ黒人奴隷の名前)に聞こえるという問題があり、ティアナになったそうです。
ティアナの母ユードラを演じたオプラ・ウィンフリー氏は、ディズニーの配慮を賞賛した上で、「残念ですが、不満を持つ人々が映画を見ない限りは、ティアナはおそらくディズニー最後の黒人のプリンセスになるでしょう」とコメントしているみたいです。



予告編です↓



ちなみに本作は一応高い評価は得ましたが、ディズニーが予想していたほどの収益は得られなかったらしいです。
ディズニーはプリンセスを強調し過ぎていた為、男性からあまり指示を得られなかったからだと考え、次作の「塔の上のラプンツェル」では原題が、「tangled(タングルド。もつれる、からみ合うという意味)」になりました。

個人的に一番驚いたのは、日本語吹き替え版にコング桑田さんが出演していた事です。
彼は「餓狼伝説」シリーズや「ザ・キング・オブ・ファイターズ」シリーズのギース・ハワードや、「サムライスピリッツ」シリーズの牙神幻十郎を演じている方ですが、ここでは「それがニューオーリンズ」を歌っているみたいです。



出典

参考サイト

参考動画

by asabatyou | 2018-02-14 17:29 | アニメ | Comments(2)

Commented by asabatyou at 2018-02-16 18:21
本作に登場するティアナの友人シャーロットは、白人であると同時にお姫様願望が強いのですが、これはティアナと対比であり、ティアナが新しいディズニープリンセスを象徴するとしたら、シャーロットは旧ディズニープリンセスを体現してると言えるでしょう。

でもこのシャーロット、ちょっと騒ぎ屋といいますかはしゃぎ屋なところがありますが、根は良い人なので、どちらかといいますと「名探偵コナン」シリーズの鈴木園子に近いです。
Commented by asabatyou at 2018-02-18 19:33
本作が「当時あった人種差別が描かれてない」と批判された事についてですが、「風と共に去りぬ」にも同じような事を言われました。

名作と言われていますが、あくまで南部白人の視点からのみ描かれているので、黒人からは「奴隷制度を正当化し、(オハラの様な)白人農園主を美化している」、白人至上主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)を肯定しているといった批判があるようです。

「マンディンゴ」はアンチ「風と共に去りぬ」として作られ、「クレヨンしんちゃん」の「映画に行くゾ」にも、「愛は風と共に去る」という明らかに意識した映画を登場させ、完全にコケにするシーンがありました(しんちゃんは漢字が読めないから、平仮名だけ読んだら「もらさないから」などの、滑稽なセリフになってしまった)↓
https://www.youtube.com/watch?v=ewLYJYIFwts(44:35から見られます)


詳しくは、こちら↓
http://crashinsti.at.webry.info/201009/article_1.html、

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E3%81%A8%E5%85%B1%E3%81%AB%E5%8E%BB%E3%82%8A%E3%81%AC、

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B4