モスラ2 海底の大決戦

昨日は録画した「モスラ2 海底の大決戦」を見ましたので、その事について書きます。
リアルタイムで見た事がありますが(その時見た劇場は、今はもう存在しない)、レンタルにもなければ長い間テレビ放送もなかったので、実に21年ぶりとなりました。


a0265223_13175840.jpg
a0265223_13364202.jpg
スタッフ
監督 : 三好邦夫(本編)、川北紘一(特撮)
製作 : 富山省吾
企画、原案 : 田中友幸
脚本 : 末谷真澄
音楽 : 渡辺俊幸


キャスト
モル : 小林恵
ロラ : 山口紗弥加
ベルベラ : 羽野晶紀
ダガーラ : 吉田瑞穂、中野陽介(ノンクレジット)
浦内汐里 : 満島ひかり
ユナ : 野波麻帆


ストーリー
デスギドラの襲撃事件から1年。
沖縄の海上にヒトデに似た奇妙な生物ベーレムが無数に出現し海を赤く染めるが、それは古代文明のニライカナイが産んだ魔海怪獣ダガーラ復活の前兆だった。
エリアス姉妹は沖縄に向かうと、海底遺跡ニライカナイが海中から浮上し、ダガーラも出現。
ダガーラが放出するベーレムで身動きが取れなくなり、苦戦するモスラ。
だがこのピンチを救う鍵を、ニライカナイの秘宝を知る謎の小動物ゴーゴが握っていた!!


レビュー
「モスラ」(1996年版)の続編で、モスラが水中でも行動出来る形態に変身した衝撃作(今までは幼虫では出来ても、成虫になると不可能だった為)。
「ゴジラ対メカゴジラ」と同様沖縄が舞台となっていますが、ニライカナイ(この映画の為に作られた架空の存在と思ってしまいがちだが、実は沖縄県や鹿児島県奄美群島の各地に伝わる理想郷のひとつで、他にもこれを題材にした創作物はいくつか存在する)の秘宝をめぐって子供達が大冒険する、海洋冒険作品となっています。

本作は完全にリアルタイムで進んでいくので、次の日になったり夕方や夜になる事も一切ありません。
ただ前作にも言えますが、相変わらず特撮と人間ドラマのバランスが悪く、特撮と比べると人間ドラマの作りが弱いです。
主人公とその仲間の少年達ですが、最初は悪ガキやいじめっ子のような出で立ちで登場するのに、ゴーゴや同じくニライカナイの秘宝を狙っている漁師2人組が登場してから、あっさり味方になるので違和感があります(ツンデレなんだろうか?)。
漁師の方も根は悪人じゃないのに子供達を襲ったりと、どう考えても悪人としか思えない行動するのも不自然ですし(ベルベラに脅迫されていたから、仕方ないかもしれないが)、こちらも簡単に仲間になってしまうので、結局敵か味方かはっきりしない状態です(今までのいがみ合いは、なんだったんだろ)。
このニライカナイで冒険するのが人間ドラマのメインとなっていますが、変化が乏しいので正直ちょっと退屈で疲れてしまいます(「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」にある、見えない橋のパクリシーンもあったし)。
ベルベラも漁師2人組をパシリとして使ったくせに(秘宝を手に入れるには、人手が多い方が手っ取り早いと判断したからだろう)、ニライカナイの王女ユナの前で「人間は醜いんだ」と言って、彼らが盗んだ他の宝を見せつけたりと、ちょっと身勝手な一面もありました(自分がそうさせたのに、その言い方はないだろう)。
一応悪役キャラだから、多少は許される気もしますが。
いくらリアルタイムで進むといっても、ゲイリー・クーパー氏とグレース・ケリー氏の「真昼の決闘」のような中身や面白さはなく、監督や演出、脚本に問題があるとしか思えないです。

他にもモーセの十戒のごとく海を2つに割るシーンがあるのですが、あまりにも薄っぺらくてチンケでちっとも迫力がありません。
1966年の「大魔神怒る」にもそっくりなシーンがありましたが、こちらの方がよっぽど迫力と見応えと壮大さがあります(こちらの方が、31年前の映画なのに)。

興行も前作を下回ったのも納得の酷さですが、これがゴジラ映画などで有名な田中友幸さんの遺作となってしまいました。



予告編です。
しかし何故最後に、「ちびまる子ちゃん」でお馴染みの丸尾君(CV:飛田展男さん)が出てくるのでしょうか(笑)?
全然関係ないのに(笑)↓

ちなみにダガーラを演じたのは、前作でデスギドラ役だった吉田瑞穂さん。
「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」ではゴジラを演じるので、モスラとは3回も対決する事になります。
魚とドラゴンが混ざったかのような魅力な姿をしていますが、商品化に恵まれずその後の登場作品が一切ない不遇の怪獣でした。
しかし2017年の「GODZILLA 怪獣惑星」で、過去に地球で暴れ回った怪獣の1匹として実に20年ぶりの再登場を果たしたと同時に、初のゴジラ映画進出をしました。
ゴジラとの対決はなかったですが、初めて見た時からゴジラ映画に出てほしいと思っていたので、これは嬉しかったです。



出典

参考サイト

参考文献

[PR]

by asabatyou | 2018-06-10 11:19 | 特撮、モンスター | Comments(4)
Commented by asabatyou at 2018-06-11 18:34
本作ではモスラがイルカと戯れるシーンがありますが、よく考えてみたらこのモスラはまだ成虫になったばかりの若者ですから、子供っぽい一面があるのも納得出来ます(この時のエリアス姉妹は、モスラの保護者のようだった)。

「モスラの歌」も勿論ありますが、前作はどこで歌ってるの?と言いたくなるような異空間(?)で歌っていましたが、こちらではちゃんと現実世界で歌っていたので、前作にあった不自然さはありません。

敵怪獣のダガーラも本来は、古代のニライカナイ文明が海洋の汚染除去の為に、人工的に生み出された生命体ですが、ベーレムというヒトデに似た海洋生物で海を汚染させてしまい、ニライカナイ文明を滅ぼすきっかけを作ってしまいました。
欠陥品だった為、自分の生みの親と敵対関係になり、最後は始末されてしまうので、哀しき悪役と言えます。
Commented by asabatyou at 2018-06-13 22:09
ニライカナイの王女の名前がユナなのは、どうなのでしょうか?
ユナは漢字にすると湯女になるのですが、湯女は売春する女性なので、あまり良い意味ではありません。
でも「千と千尋の神隠し」も風俗をテーマにしていますし、http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040314にも、「古代から、世界各地の神殿の巫女は売春もしていた。

最も聖なる者と最も下賎なる者は同じと考えられていた。

日本に限らず、世界中で神に仕える女性は同時に娼婦でもあった。

キリスト教以前の社会では、巫女との性行為を通じて人は神と対話した(ギリシアの巫女の例がよく知られている)。

民俗社会においては、巫女は、神の妻であり、人間にとっては処女であり(誰の妻でもなく)、、同時に娼婦でもある(誰の妻でもある)。

だから湯女たちは巫女の衣装を着ている。

性職者は聖職者だった。古今東西。」とあるので、もしかしてそれを意識したのかもしれません。
ただダガーラは神ではなく、海の汚染除去の為に生み出された人口生命体ですが・・・。

Commented by asabatyou at 2018-06-14 22:08
ちなみに「別冊映画秘宝 特撮秘宝vol.1(http://www.yosensha.co.jp/book/b199501.html)」によりますと、回転しながらモスラに攻撃するカットでダガーラを演じたのは、助監督の中野陽介さんという方だそうです。
遠心力で回転台からダガーラが飛び出さないよう、前足などを足場用の番線で固定し、撮影に挑んだみたいです。

中野さんの他の参加作品は、こちら↓
https://www.toho.co.jp/library/system/people/?24573
Commented by asabatyou at 2018-06-16 16:00
ダガーラを一部のシーンで中野陽介さんが演じた事についてですが、何故全部吉田瑞穂さんにやらせなかったのでしょうか?
もしかしたら、自分も怪獣になって暴れたいという気持ちがあったのかもしれません。
line

タイトルの通りasabatyouのなんでもブログ(http://d.hatena.ne.jp/asabatyou/)の続編です。ツイッターは、こちらです(https://twitter.com/asabatyou)。


by asabatyou
line
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30