チート

昨日は元々自宅にあるDVDの1枚、「チート」を見ましたので、その事について書きます。
久々にもう一度見たいと思っていましたが、中々時間がありませんでした。


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スタッフ
監督、製作、編集 : セシル・B・デミル(監督と編集した事は、ノンクレジット)
脚本 : ヘクター・ターンブル、ジーニー・マクファーソン
撮影 : アルビン・ワイコフ


キャスト
ヒシュル・トリ : 早川雪洲 
イーディス・ハーディ : ファニー・ウォード
ディック・ハーディ : ジャック・ディーン  
トリの使用人 : 阿部豊  
ジョーンズ : ジェームズ・ニール


ストーリー
ニューヨークの投資家ディック・ハーディの妻イーディスは社交的な女性だったが、同時に浪費家でもあった。
ディックはイーディスに浪費を慎むようたしなめるが、彼女にその気はなかった。
赤十字の基金を使い込み途方にくれたイーディスは、親交のあった日本人の富豪ヒシュル・トリから大金を借りるが、その条件とは彼の愛人になる事であった。
大儲けしたハーディから嘘をついて1万ドルを得たイーディスだが、トリはそれを受け付けず、彼女に迫る。
必死に抵抗するイーディスに激怒したトリは、自分の所有物である事を意味する焼印を、彼女の肩に当てるが・・・。


レビュー
ハリウッドで有名な日本人俳優と言ったら、誰がいるでしょうか?
黒澤映画によく出演し、多くの映画人に尊敬された三船敏郎さん、元祖ゴジラ俳優で「ミスター・ゴジラ」という愛称で親しまれている中島春雄さん、「世界のキタノ」と呼ばれているビートたけしこと北野武さん、「硫黄島からの手紙」や舞台版「王様と私」などに出演した渡辺謙さん、「ラストサムライ」や「ラッシュアワー3」などに出演した真田広之さんがいますが、彼らの先駆けと言える人物がいます。
それがこの「チート」に出演している、早川雪州さんです。

元々早川さんは剣劇の俳優として活動していたのですが、それを見ていたセシル・B・デミル監督(実は旧約聖書の「十戒」を1923年と1956年と2回も映像化しており、グロリア・スワンソン氏主演の「サンセット大通り」では、本人役で出演していたりする)に気に入られて、出演する事になったようです(最初は「活動写真なんて・・・」と乗り気じゃなかったけど、お金がたんまり貰える事を知って、引き受けたという)。

人妻が焼印を押されるショッキングなシーンや、早川さんの外国人ならではの東洋的な美貌が受けて大ヒット(この頃はまだ人種差別があって当たり前の時代だったので、彼の成功が面白くない人々も少なからずいたとの事)、早川さんもアメリカとヨーロッパで主演男優としてスターダムにのし上がった最初のアジア系俳優となりました。
けど「残忍かつ好色で、非人道的な日本人」が主人公なので日本では公開されず、早川さんも母国での立場が悪くなり、白人家族に雇われている日本人がこの映画を見た主人から、いきなり解雇される事態まで起こりました。

さてタイトルとなっている「チート」、今現在でも耳にする事が多いので聞いた事がある人も多いと思いますが(使用例:「リアルチート」、「チートキャラ」など)、英語で「ズル」や「騙す」を意味する言葉です。
15歳ぐらいに初めて見た時は意味が分かりませんでしたが、色々知るようになった今ならそれが分かります。
被害者ぶっているヒロインですが、元を辿れば後先に考えずに金をバンバン使ったり、悪人と関係を持ってしまったからこんな事になったので、ぶっちゃけ全ての元凶であり自業自得です。
それで最後はトリに全責任を押し付けて、自分は清廉潔白みたいな感じになりますから、なるほど確かにチートキャラだ(笑)。
実際この映画のチートとは、早川さん演じる日本人ではなく、このヒロインの事らしいです。

サイレント映画ではありますが、44分(59分という表記もあり)でテンポ良く進んでいきますので、この手の映画に馴染みがない人でも楽しめます。
それに映像を見ていれば、大体どういう話なのかが分かります。
国辱的と言われてしまったのは仕方ないと思いますが、それでも悪い印象がないのは、早川さんの悪の魅力が堪能出来るおかげです(他の人では、こうはならなかったかも)。



劇中にあるシーンの一部です↓

この映画での早川さんですが、人間でありながらどこか人間離れしていて冷たい雰囲気があり、それで服装や立ち振る舞いに気品がありますから、吸血鬼に見えます。
他の人々は至って人間的ですが、1人だけ異世界人のようで何だか浮いた感じがしたのは確かです。
もしドラキュラ映画に出演しても、彼なら違和感なくこなせたでしょう。

ちなみに第1次世界大戦後の1918年にリバイバル公開された時は、日本がアメリカと同じ連合軍側で戦った事を考慮し、早川さんの役名や設定が「日本人の骨董商ヒシュル・トリ」から、「ビルマ人の象牙王ハカ・アラカウ」へと変更されました。
しかし撮り直しはせず、早川さんの衣装や邸宅が日本的であるシーンはそのままなので、違和感がある作りとなってしまいましたが・・・。
今現在日本で入手出来るDVDは、この1918年版です。



出典

参考サイト

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by asabatyou | 2018-11-02 09:22 | 映画 | Comments(0)
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タイトルの通り「asabatyouのなんでもブログ(http://d.hatena.ne.jp/asabatyou/)」の続編です。ツイッターは、こちらです(https://twitter.com/asabatyou)。


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