レッド・バロン(1971年版)

昨日は自宅にあるDVDの1枚「レッド・バロン」(2008年にも同じタイトルで映画化されたので、区別する為にここでは1971年版と表記する)を見ましたので、その事について書きます。
久々に見たかったからというのもありますが、今年は第1次世界大戦の終戦から100年経ったという節目を迎えたので、その影響もあります。


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スタッフ
監督 : ロジャー・コーマン
脚本 : ジョン・ウィリアム・コリントン、ジョイス・H・コリントン
音楽 : ヒューゴー・フリードホーファー
撮影 : マイケル・リード


キャスト
マンフレート・フォン・リヒトホーフェン : ジョン・フィリップ・ロー
ロイ・ブラウン : ドン・ストラウド
ラヌー・ホーカー少佐 : コリン・レッドグレイヴ


ストーリー
第1次世界大戦中の1916年、マンフレート・フォン・リヒトホーフェンは、オズワルド・ベルケ少佐率いる編隊に編入され、彼の特訓を受けた。
同じ頃、イギリス空軍基地のホーカー大佐の隊に、カナダ人で農夫出身のパイロット、ロイ・ブラウンが着任する。
リヒトホーフェンは撃墜王と言えるほどのエースパイロットへと成長するが、ブラウンも敵に手段を選ばぬ徹底した実戦主義で、イギリス軍編隊のリーダーにのし上がっていた。
ブラウンの作戦でイギリス軍は、まだ出撃前のドイツ軍の基地を奇襲したが、それに怒ったドイツ軍も同じ手を使い、イギリス軍の基地を破壊する。
こうして騎士道精神の戦いは徐々に衰退し、醜いただの殺し合いへと成り下がっていく・・・。


レビュー
B級映画の帝王として、「金星人地球を征服」や「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」といった数多くのSF映画などを作ったロジャー・コーマン監督が(実はジェームズ・キャメロン氏や、ジャック・ニコルソン氏などの映画人を発掘した人でもある)、第1次世界大戦で大活躍したドイツの撃墜王でレッド・バロンと呼ばれた(乗機を赤く塗っていた為)、マンフレート・フォン・リヒトホーフェン男爵の生涯を映画化したもの(なので当然主役はドイツだが、製作はかつての敵国であるアメリカだったりする)。
リヒトホーフェン男爵は、「バーバレラ」やレイ・ハリーハウゼン氏の「シンドバッド黄金の航海」で有名な、ジョン・フィリップ・ロー氏が演じました。

しかし映画自体はリヒトホーフェン男爵よりも、段々騎士道精神溢れる戦いが失われていく様を描いているので、若干男爵の影が薄いです。
けど「大の男が敵から逃げ隠れするなんて、恥ずべき行為だ」という理由で、自分だけでなく味方の飛行機までかなりド派手な色にしたり、敵とはいえ強い相手には敬意を払って乾杯する、医療施設を攻撃する事は禁止されているといったシーンがあるので、誰が見ても分かりやすい作りになっているのは事実です(アメリカがイギリスと同盟を結んで戦いに参戦した事で、ドイツが段々追い詰められて余裕がなくなり、騎士道的な戦いを好むリヒトホーフェンが目障りになったから、彼に身を引いてほしいと頼む。けどそれを彼が拒んだので、上の立場の連中とも関係が悪くなる様子も描かれている)。

飛行機も同じ第1次世界大戦を題材にした、「ブルー・マックス」や「暁の出撃」(1970年版)で作られた物を安く借り受けたので、当然本物です。
登場する機体は、ドイツ軍だとフォッカー Dr.1やフォッカー D.VII(イギリス機に扮しているシーンが、少しだけあり)、ファルツ D.IIIで、イギリス軍はS.E.5ですが(ポスターでは、何故かソッピース キャメル(ソッピース パップの可能性もある)になっている)、「ブルー・マックス」と同じく、イギリスの練習機であるデハビランド・タイガーモスや、スタンプSV.4らしき飛行機がシーンによって、イギリス機やドイツ機に扮していたりします(コードロン・リュシオルと思われる飛行機も登場しているが、こちらはイギリス機のみ扮している。「ブルー・マックス」からの流用だから、らしきではなく、それ自身で間違いないだろう)。

ちなみにリヒトホーフェン男爵の最期は諸説があり、はっきりしていませんが、この映画ではブラウン大尉との空中戦で敗れた事になっています(調べてみると、オーストラリア軍第24機関銃中隊軍曹セドリック・ポプキン氏が、撃墜した可能性が高いと考えられている)。

「ブルー・マックス」と比べますと安っぽいですが、こちらも楽しめるので、この手の映画が好きな人は一度見る事をオススメします。

また飛行中のパイロットを映したシーンが多いですが、これは2人乗りの飛行機を使用しており、前にパイロット(アイルランド空軍からの参加者や、アメリカの元戦闘機パイロットらの混合部隊らしい)が乗って、後ろに俳優が乗って撮りました。
つまりセットや合成ではなく、本当に空中で撮影したものです。
カメラも前と後ろの間に置かれて、その撮影は俳優に任されていたようですが、空中戦を模したスタント飛行をパイロットが展開するうち、俳優はタイミングを見計らって自らカメラのスイッチを入れるというやり方でした。
戦闘機乗りだけでなく監督の気分も味わえるので、この撮影方法は俳優にも好評だったみたいです。



予告編です↓

リヒトホーフェン男爵ですが、赤い撃墜王だっただけでなく、容姿端麗で女性にモテたり、仲間と協力して敵を倒した時には味方に手柄を譲ったり、攻撃に熱中すると周りが見えなくなってしまうという欠点があったりと、「一体、どこの主人公だ!?」と言いたくなるような、数多くの伝説を残しています。
そんなリアルチートな人柄は、クリエイターの創作意欲を刺激したようで、「機動戦士ガンダム」のシャア・アズナブルや、「紅の豚」のポルコ・ロッソの元ネタでは?とされています。

それとコーマン監督は、元々南北戦争で活躍した南軍の英雄、ロバート・E・リー将軍を映画化したかったのですが、予算の関係で実現せず、代わりに誕生したのが本作なんだとか(コーマン監督は、リヒトホーフェン男爵やブラウン大尉について様々な本にあたるうち、この物語が魅力的な映画になる、と確信したという)。



出典

参考サイト

参考文献

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by asabatyou | 2018-12-04 23:03 | 映画 | Comments(0)
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タイトルの通り「asabatyouのなんでもブログ(http://d.hatena.ne.jp/asabatyou/)」の続編です。ツイッターは、こちらです(https://twitter.com/asabatyou)。


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