バグダッドの盗賊(1924年版)
昨日は最初から自宅にあるDVDの1枚で、久々に見たかった「バグダッドの盗賊」(1924年版)について書きます。
by asabatyou | 2018-12-19 22:04 | 特撮、モンスター | Comments(2)
それで改めて感じましたが、この映画は主人公の成長物語だという事です。
悪ガキのまま大人になってしまったかのような盗賊に、初めて愛すると同時に守るべき相手が出来て、周囲の協力を得ながらも、その王女に相応しい男になる為の試練を乗り越えて、本当にそれを叶えるという話ですから。
最初はどこか幼稚さがあった主人公ですが、自分のやるべき事が決まった後は、そのようなところは一切ありません。
周囲の人物も主人公の正体を知った時はボロクソに鞭で叩いたりしましたが、主人公が冒険の末、手に入れた魔法の銀の箱で、本物の王子になって帰ってきた時は、素直に主人公を認めていました。
そして敵役のモンゴルの王子は何か?と言いましたら、これは主人公の影で分身と言える存在です。
主人公は食べ物や金や宝などを盗んだりしていましたが、モンゴルの王子はバグダッド侵略を企んでいます。
主人公は最初惚れた王女をさらう事を考えていましたが、モンゴルの王子も王女を狙っているという共通点があります。
王子になった主人公は、王女を救って仲間達と協力しモンゴルの王子を成敗しますが、これは主人公が自分自身のダークサイドに打ち勝つという見方も出来ます。
今まで特撮やセットしか目が行きませんでしたが、実は人間ドラマも見応えがあって、よく出来ている事に気付きました。
それに王家の血筋でも何者でもない存在が、努力と勇気と優しさで王子になるという話は、夢と希望を与えてくれます。
主人公の1人アーマッドはバグダッドの若き王様なのですが、政治は全て大臣のジャファーに任せていました。
しかしジャファーは、自分が嫌いなものは容赦なく処刑するだけでなく、アーマッドから王の座を奪おうと企んでいました(当然民は自由に生活出来ずピリピリしており、アーメッドに対する怒りや恨みは強い)。
なのでアーマッドがしっかりしていれば、こんな事にはならなかったので、事件を起こした全ての元凶と言えます。
ジャファーの陰謀で何もかもなくしたアーマッドですが、生活が苦しいけど色んな世界を見て冒険する事を夢見ている、盗賊少年のアブー(タイトルの「バグダッドの盗賊」とは、彼の事)と出会った事で、その運命が大きく変わる事になります(と言っても、イマイチ頼りないアーマッドを、アブーがフォローしながら進んでいく感じですが)。
YouTubeで日本語字幕付きの物がありますので、興味関心のある方は是非どうぞ。
ディズニー版「アラジン」が、「バグダッドの盗賊」の1924年版と1940年版のいいとこ取り且つ、似過ぎでやり過ぎなのがよく分かりますから↓
https://www.youtube.com/watch?v=X6B-MI6LOoI、
https://www.youtube.com/watch?v=1hpC3Y0dZmk