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フランケンシュタインと狼男

昨日は自宅にあるDVDの1枚で、久々に見たかった「フランケンシュタインと狼男」を見ましたので、それについて書きます。


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スタッフ
製作 : ジョージ・ワグナー
監督 : ロイ・ウィリアム・ニール
音楽 : ハンス・J・サルター(ノンクレジット)
特殊効果 : ジョン・P・フルトン
特殊メイク : ジャック・P・ピアース
スタント : エディー・パーカー、ギル・パーキンス(全てノンクレジット)


キャスト
ローレンス・タルボット/狼男 : ロン・チェイニー・ジュニア(クレジットでは、ロン・チェイニー)
フランケンシュタインの怪物 : ベラ・ルゴシ
エルサ・フランケンシュタイン : イローナ・マッセイ
フランク・マナリング医師 : パトリック・ノウルズ
マリーヴァ : マリア・オースペンスカヤ



ストーリー
自分の意思と関係なく狼男に変身する体質となってしまったローレンス・タルボットは、父親に討たれて死を迎えた…、と思ったら2人組の墓荒らしによって、再びこの世に蘇ってしまう。
タルボットは以前の悪夢を繰り返し、満月の夜になると狼男に変身して殺人事件を起こす。

呪いから解放されたいタルボットは、ジプシー老女のマリーヴァの助けでフランケンシュタイン男爵の城を訪ねるが、住民達は怪物を生んで事件を起こした男爵を嫌っているだけでなく、彼は既に他界している事を知る。
絶望するタルボットは再び狼男になって騒ぎを起こすが、地下に逃げ込んだ時に、氷漬けになったフランケンシュタインの怪物を発見する。

何か知っているかもしれないと悟ったタルボットは怪物を解放し、せめて男爵が残した日記を探そうとするが見つからず、代わりに遺族のエルサの写真を発見。
タルボットは彼女のもとを訪ねるが、エルサは「そんな物ないし、仮にあったとしても、とっくに処分している」と言って、またしても失敗に終わる。
途方に暮れたタルボットはエルサと共にワイン祭りに参加するが、そこへ怪物が襲撃し、彼女も住民達から厳しい目を向けられる。

遂にエルサは日記のありかを教えるが、呪いから逃げるには「死」しかない事が判明する。
タルボットを気遣って後を追ってきたフランク・マナリング医師の協力で、タルボットと怪物の生命力を抜き取る実験を開始するが、怪物を殺したくなくなったフランクは、その力をどんどん上げていき…。


レビュー
ユニバーサルが手掛けた「フランケンシュタイン」シリーズ第5弾にして、「狼男」シリーズ第2弾。
フランケンシュタインの怪物と狼男の対決を描いていますが、このような怪物共演作品はこれが初めてで、「キングコング対ゴジラ」や「エイリアンvsプレデター」シリーズ、「フレディvsジェイソン」、「貞子vs伽椰子」のご先祖様と言えます。
でも製作会社と世界観が同じ事を考えますと、「モスラ対ゴジラ」や「エイリアンvsプレデター」シリーズに近いです。

タイトルこそ「フランケンシュタインと狼男」ですが、実際は完全に「狼男」(1941年版)の続編なので、狼男中心で話が進んでいきます。
そこにフランケンシュタインが入り込んでいる感じなので、「狼男」(1941年版)を見ていないと話が分かりにくいです。
フランケンシュタインについても城が崩れているのは、前作の「フランケンシュタインの幽霊」で爆破されるシーンがあるようなので、やはりそれを見ていないと分かりません。

ちなみに本作でフランケンシュタインの怪物を演じたのは、「魔人ドラキュラ」でドラキュラのイメージを決定付けたベラ・ルゴシです。
ルゴシとこの怪物は何かと因縁があり、「フランケンシュタイン」(1931年版)で演じるつもりが、素顔が隠れてセリフがないこの役を嫌った、テスト・ショットを見たプロデューサーのカール・レムリ・Jrが、ルゴシのメイクを見て大笑いしたと言われています。
結局ルゴシが演じる事はなく、代わりに演じたボリス・カーロフがホラー映画スターとして出世し、ルゴシはスターの座から転落しますが、そんな彼がこのような形でその怪物を演じる事になったのが、何とも皮肉です。

そんなルゴシが演じた怪物はどうかといいますと、歩いている時が、いつこけても可笑しくないぐらいヨタヨタとした危なっかしい動きで、顔もかつてカーロフが「フランケンシュタイン」(1931年版)で怪物を演じた時にあった、人間のようで人間ではないような不気味さや異質さ、異形さがありません。
当時61歳だった彼が全てやるのは無理があったようで、ギル・パーキンスというスタントマンがいくつか演じていたみたいです(よく代役をしたと言われているスタントマンのエディー・パーカーは、実は狼男のスタントをやっていたらしい)。

話や設定自体は都合良く出来ていますが、本作が後の怪物共演作品と異なり、終わり頃のみではありますが、怪物達の絡むシーンがちゃんとあります(これ以降の共演物は、話自体は別に悪くはないのだが)。
なのでそれらと比べると十分見応えがあり、ゴジラシリーズやガメラシリーズといった日本の怪獣対決物映画のような、わくわく感が味わえるのも事実です。



予告編です↓

「フランケンシュタインの幽霊」でルゴシ演じるイゴールは、怪物と脳が入れ替わるシーンがあるそうですが、この映画で本当にルゴシが怪物役となりました。

ちなみに「フランケンシュタインと狼男」は、映画版「エイリアンvsプレデター」の第1作目で、登場人物の1人が暇つぶしに見ている映画として、ちょっとだけ登場しています。



出典

参考サイト

参考文献

by asabatyou | 2018-12-25 21:07 | 特撮、モンスター | Comments(0)