人気ブログランキング | 話題のタグを見る

クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡

昨日はWOWOWで放送したのを録画した「クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡」を見ましたので、その事について書きます。
久々に見たかったので、ちょうど良かったです。


 クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡_a0265223_12242841.jpg
 クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡_a0265223_12244711.jpg

スタッフ
監督、脚本、絵コンテ : 原恵一
原作 : 臼井儀人
音楽 : 荒川敏行、宮崎慎二
撮影 : 梅田俊之
編集 : 岡安肇


主題歌
財津和夫「ひまわりの家」


キャスト
野原しんのすけ : 矢島晶子
野原みさえ : ならはしみき
野原ひろし : 藤原啓治 
野原ひまわり : こおろぎさとみ
シロ、風間くん : 真柴摩利
ローズ(タケシ) : 郷里大輔
ラベンダー(ツヨシ) : 塩沢兼人
レモン(キヨシ) : 大滝進矢
東松山よね : 山本百合子 
珠由良の母 : 水原リン
玉王ナカムレ : 山本圭子
ヘクソン : 筈見純
チーママ・マホ : 島津冴子
サタケ : 立木文彦 
魔人ジャーク : 青森伸
マンガ家 : 臼井儀人(特別出演)


ストーリー
新東京国際空港(現:成田国際空港)でホステスの一団が謎の男を迎えていると、奇妙な3人組が現れて、彼らからある物を奪う。
千葉県警はこの事件の捜査を、東松山よねが担当させられる事になった。
その頃しんのすけはシロと一緒に散歩している時に、寝ているオカマの近くにある不思議な玉を見つけて持ち帰る。
夜になって野原家に珠由良ブラザーズというオカマの3人組が現れ、玉を返してほしいと言うが、それはしんのすけの妹、ひまわりが誤って飲み込んでしまう。
実はその玉、魔人ジャークを復活させるのに必要な2つの玉の内の1つだった。
こうして玉を狙う珠黄泉族と、ひまわりを守ろうとする野原一家と珠由良族、東松山よねの戦いが幕を開ける・・・。


レビュー
クレヨンしんちゃん映画シリーズ第5作目で、野原しんのすけの妹、野原ひまわりが映画に初登場した記念すべき第1号(原作では16巻、アニメ版では1996年9月27日放送のTVスペシャル、「赤ちゃんが生まれたゾ」で初登場したが、元々はアニメのマンネリ化を防ぐ為に、シンエイ動画のテコ入れとして行われたという)。

その為完全にひまわり中心で話が進んでいき、事実上この物語の主人公となっていますが、作風も変わって過去作品と異なる作りになったのも特徴です。
今までは本郷みつるさんが監督しており、その頃の作品は異世界や過去の時代で冒険したり、しんのすけが様々な姿に変身したりと、SFやファンタジー色が強かったですが、本作から原恵一さんが監督するようになり、より現実的な世界観となりました。

空想的な要素はほぼなくなり、銃撃戦や迫力のある肉弾戦、カーチェイスもあったりと、ハードな描写が多いですが、コミカルタッチなシーンも多いのでシリアスで重々しい事はなく、安心して見られるようになっています。

一見過去のしんちゃん映画と別物になってしまったかのような印象も受けますが、ひまわりが玉を飲み込んで事件に巻き込まれるのは第1作目の「アクション仮面VSハイグレ魔王」で、魔人を復活させるには2つの玉が必要だったり、敵が味方になるのは2作目の「ブリブリ王国の秘宝」に似ていた事、悪役達が「世界の国からこんにちは」を踊るという古風なネタがあるのは、後の「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」を思わせるのが興味深かったです。

また当時はひまわりが誕生したばかりなのか、周囲がひまわりばかり相手していて、しんのすけが自暴自棄になってしまう事に、何だか時代を感じます。

ちなみに本作は原作者の臼井儀人さんがタイトルを付けた最後の作品で(彼自身、本人役で出演もしている)、テレビで2度目の放送を果たした時、「オカマ」という単語を含むセリフのあるシーンが全てカットされたようです(私が見た時は、普通にありましたが)。
これ以降、オカマのキャラクターが登場する事は少なくなり、「オカマ」という単語も一切使用されなくなったので、しんちゃん映画が節目を迎えたと言えるでしょう。



予告編とCMです↓


本作の悪役である珠黄泉族、健康ランドで戦いが始まろうとした時、「他のお客の迷惑になるから」と外でやるよう指示をしたり、ひろしが取引先の社員2人と名刺交換する事になった時は、「サラリーマンの神聖な儀式だから」と邪魔しないようにしたりと、妙に正々堂々としており、「本当に悪人か?」と言いたくなるシーンがあるのが印象的です。
でもその一方で、空港やスーパーマーケットでの戦闘は周囲の人々を容赦なく巻き込んでいますし、実はジャークの力を独占したいが為に仲間を捨て駒としか考えていないと、本質は悪である事が窺えます。

終わり頃にひろしとみさえが独身時代に歌っていた歌を歌うシーンがありますが、あれは1970年の「愛は傷つきやすく」という曲です。
後の「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」で、1960年代ぐらいの日本を再現した「20世紀博」を見て、ひろしが懐かしいと言ったりしますが、どう考えても2人は1980年代や90年代に生まれた人の親世代であり、今の20代や30代とは全然違います。
そもそも臼井儀人さん自身1958年生まれで、私の母と同い年ですから(以前「しんちゃんに出てくるネタとか、全部分かる」と言った事があります)、自然とそうなるのかもしれません。



出典


参考サイト

by asabatyou | 2019-04-09 19:53 | アニメ | Comments(0)