カテゴリ:特撮、モンスター( 155 )


キングコングの逆襲

昨日は最初から自宅にあるDVDの「キングコングの逆襲」を見ましたので、その事について書きます。
久々に見たかったと同時に、今のやり方が出来上がった状態でもう一度レビューしたい気持ちもあったからです(以前初代ブログでやった時は、こんな感じでした)。


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スタッフ
製作 : 田中友幸
脚本 : 馬淵薫
音楽 : 伊福部昭
監督 : 本多猪四郎
特技監督 : 円谷英二


キャスト
野村次郎三佐 : 宝田明
マダム・ピラニア : 浜美枝
カール・ネルソン司令官 : ローズ・リーズン(声 : 田口計)
スーザン・ワトソン : リンダ・ミラー(声 : 山東昭子)
ドクター・フー : 天本英世
フーの助手 : 田島義文、堺左千夫 ほか
フーの手下 : 黒部進、伊吹徹 ほか
キングコング : 中島春雄
メカニコング、ゴロザウルス : 関田裕


ストーリー
悪の天才科学者であるドクター・フーは、北極の地下に眠る究極の核兵器素材である放射性物質のエレメントXを、採掘しようと目論んでいた。
彼は国籍不明の女工作員マダム・ピラニアの資金援助により、巨大なゴリラ型ロボットのメカニコングを開発し、発見したのは良かったが、エレメントXが発する磁気の為、作動不良に陥ってしまう。
そこでフーとピラニアは、キングコングと彼と親しいカール・ネルソン、野村次郎、スーザン・ワトソンをさらい、再びエレメントXを採掘しようとするが、コングは催眠術があっさり解けてしまい、3人もこれを拒否したので、またもや失敗に終わる。
コングとスーザン達は脱出に成功するが、フーは新たに製造したもう1体のメカニコングを使用して、コング達の跡を追う。


レビュー
1962年の「キングコング対ゴジラ」で、キングコングの使用権を得た東宝。
しかし5年契約だったので1967年にその終了が迫っており、最後にもう1本作ろうという事で製作されたのがこれです。
最初は「ロビンソン・クルーソー作戦 キングコング対エビラ」にしようと思ったのですが、アメリカ側が難色を示し、悪役がドクター・フーやロボット・コングという、テレビアニメ版に似た作りとなりました(しかし東宝は「キングコング対エビラ」を捨てがたかったようで、主役をゴジラに変更した「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」を製作しました)。

ストーリーはこれまでの作品とは何も繋がりはなく、完全に独立したものとなっていますが、その一方で過去作品への敬意がある魅力的な作品となっています。

まずゴロザウルスや大ウミヘビとの戦いは、完全に本家「キング・コング」(1933年版)にある、ティラノサウルスや蛇に似た謎の巨大生物の戦いへのオマージュで、メカニコングがヒロインをさらって東京タワーへ登って行くけど転落死するのも、本家コングと同じ最期となっています。

コングも前作の反省点を活かしてちゃんとゴリラらしい姿になり(しかし顔はキングコングというより、ドンキーコング似である)、ゴジラ役者として有名な中島春雄さんの熱演もあって、かつての魅力を取り戻しています(前作でコング役だった広瀬正一さんも下手糞ではなかったですが、見た目が本家とかけ離れているだけでなく、動きも本当にただの猿といいますか、プランプランしているところがあって、そこが不満でした)。
よく考えてみたら、中島さんは映画界を代表する2大モンスターを全て演じた最初の俳優なので正直羨ましく、こんなに贅沢な役者は他にいないでしょう(ちなみに2人目は、「キング・コング」(2005年版)や「GODZILLA ゴジラ」(2014年版)に出演した、アンディ・サーキス氏)。

美人のお姉さんに弱いというお約束もありますが、元祖にあった美女と野獣や男女関係といった感じではなく、完全に友達タイプなので、中身は第2作目の「コングの復讐」に登場したちびコング(キングコングの息子とされる白い巨大ゴリラで、通称キコもしくはキイコですが、本編では使用されず)に近いです。
なので元祖と2作目のいいとこ取りなのが、今回のコングです。

それとフーがヘリコプターで睡眠薬入りの爆弾を落として、コングを攻撃し捕獲するシーンがありますが、これが最新作「キングコング: 髑髏島の巨神」で主人公達が、初めてコングに遭遇するシーンにそっくりだった事です。
他にも東京タワーで2匹のコングが戦う最終決戦は、「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」の壊れた吊り橋での対決シーンに似ているので、後世に与えた影響も大きいのではないでしょうか?
主役の怪獣とそれをモデルにした巨大ロボットの戦いは、「ゴジラ対メカゴジラ」へと受け継がれましたから。

このように日本の怪獣だけでなく、コングのファンが見ても楽しめるので、オススメ出来る1本です。



予告編です↓

ちなみに本作では、コングとメカニコングとゴロザウルスが北極で三つ巴の戦いを繰り広げているスチール写真がありますが、本編にはまったくありません。
同じくコングとメカニが北極で1対1の戦いをしているシーンや、ゴロザウルスが北極にいるシーンも一切ないので、これらがあるんだと思い込んで見てしまうと、正直ガッカリしてしまいます。
他の怪獣映画と異なり、いかにもスチール写真やロビーカード然としておらず、本当に劇中にありそうな作りなので、絶対勘違いする人が出てきます。
この有様だからメカニとゴロザウルスは絡むシーンすらないので、「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」でサンダ役だった関田裕さんが、1人2役で演じたほどです。

また本作で使われたコングの着ぐるみは、「行け!グリーンマン」のゴリラに流用されました。
本当はキングコングとして登場させたかったのですが、使用権が終了して無理だったので、宇宙生物に洗脳されて凶暴化したゴリラへと変更されました(鳴き声も「帰ってきたウルトラマン」の、ブラックキングになっています)。

ゴロザウルスは「行け!ゴッドマン」にも登場しましたが、着ぐるみの劣化が酷くて見た目がヨボヨボになり、すっかり変わり果てた姿になっています。
「怪獣総進撃」に登場した時はゴジラ達と協力して、キラアク星人やキングギドラの魔の手から地球を守る為に大活躍したのに、あの勇姿がまるで嘘みたい・・・。




出典

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参考文献

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by asabatyou | 2018-02-08 17:26 | 特撮、モンスター | Comments(3)

シンクロナイズドモンスター

昨日は映画館で前から興味があった「シンクロナイズドモンスター」を見ましたので、その事について書きます。


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スタッフ
監督、脚本 : ナチョ・ビガロンド
製作総指揮 : アン・ハサウェイ、ナチョ・ビガロンド ほか
音楽 : ベアー・マクレアリー
撮影 : エリック・クレス


キャスト
グロリア : アン・ハサウェイ、ハンナ・ケラミー(子供時代)
オスカー : ジェイソン・サダイキス、ネイサン・エリソン(子供時代)
ティム : ダン・スティーヴンス
ジョエル : オースティン・ストウェル
ガース : ティム・ブレイク・ネルソン


ストーリー
グロリアは憧れのニューヨークで働いていたが、失業してからは毎晩酒に溺れて暴走し、ついには同棲中の彼氏ティムに呆れられ、家を追い出されてしまう。
何もかも失ったグロリアは生まれ故郷の小さな田舎町に帰るが、そこで幼馴染のオスカーと再会し、彼が営むバーで働く事になる。
だがそんな時、韓国の首都ソウルに巨大な怪獣が出現し、世間は大パニックとなるが、グロリアはその怪獣を何度も観察して調べていく内に、ある事に気付いた。
「この怪獣、私と全く同じ動きをする・・・?」
すっかり上機嫌になったグロリアは騒ぎを引き起こしていくが、実は彼女と同じ能力を持っている者は、他にもいるのであった・・・。


レビュー
「プリティ・プリンセス」シリーズや「アリス・イン・ワンダーランド」などで有名なアン・ハサウェイ氏が、主演と製作総指揮を担当した怪獣映画(ただしカナダとスペインの合作なので、ハリウッド映画ではない)。

所謂普通の怪獣映画と異なり、人間と怪獣の動きがシンクロしている異色の作品となっていますが、おそらく「ウルトラマンエース」に登場した、超獣のガラン以来でしょう。

そこに巨大ロボットも登場し怪獣との戦いもあるので、「ゴジラ対メカゴジラ」シリーズや「キングコングの逆襲」、アニメ版「キングコング」(1967年版)、「ゲゲゲの鬼太郎」の「ラジコン大海獣」、「ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ」、「ゴジラ対メガロ」、「行け!グリーンマン」、「パシフィック・リム」シリーズ、「ジャイアントロボ」、「ジャンボーグA」などと同じです。

怪獣(名前は特になし)は「ウルトラマンマックス」のラゴラスを人型にアレンジしたかのような姿をしていて、巨人のようにも見えますが、ちゃんと尻尾もあります。
ロボット(同じく、名前はない)の方はオーソドックスな人型ではありますが、赤い目が1つあるだけなのが、「2001年宇宙の旅」のHAL 9000を思わせます。
ちなみにモンスターの造形に監督は殆ど口出しせず(本人曰く「自分に造形のスキルがないから」、「CG製作チームの皆さんに、怪獣を身近に感じてほしかった」との事)、さらにモーションキャプチャーも一切使用する事なく、全てCGだったようです。

さて映画の見所は、この怪獣とロボットの対決シーンと言いたいところですが、思ったより出番が少ないので正直ガッカリしてしまいます。
本作の怪獣やロボットは、ある公園の遊び場に主人公達が足を踏み入れないと出現しないから、仕方ない気もしますが、怪獣より駄目人間となったアン・ハサウェイ氏を見せたいだけって感じです。
それで展開も悪くてダラダラ気味ですから、110分なのに長く感じてしまいます。

ただ最後どうやって敵を倒すのかについては意外性があったので、そこは楽しめました。



予告編です↓

ちなみに怪獣やロボットが現れる場所が韓国のソウルなので、正直「何故、家に来ない!!」と思ってしまいましたが、日本だと色々うるさいので変更したそうです(確かに韓国にも「大怪獣ヨンガリ」やリメイク版の「怪獣大決戦ヤンガリー」、「宇宙怪人ワンマグイ」、「D-WARS ディー・ウォーズ」、「グエムル-漢江の怪物-」、「飛天怪獣」、「人喰猪、公民館襲撃す」などの怪獣映画はありますが・・・)。

またどうして人間と怪獣がシンクロするのかについては、ネット社会のメタファーでもあるそうです。
インターネットの普及により様々な人々が情報発信出来る時代になりましたが、それには自分の行動や発言に責任を持たねばならない、無責任にやってしまうと世間を騒がす事になるよと。
この主人公達みたいに、知らない内に社会に迷惑をかけてしまう事を、人間と怪獣のシンクロに例えていると。
そう思うと、何だか納得出来る部分があります。
現実世界でもおでんツンツン男や上西小百合みたいに、問題行動や発言をして炎上した連中がいますから。



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by asabatyou | 2017-12-28 17:43 | 特撮、モンスター | Comments(1)

ドラキュラとせむし女

昨日はYouTubeで「ドラキュラとせむし女」を見ましたので、その事について書きます。
前から興味がありましたが、やっと見る事が出来ました。


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スタッフ
監督 : アール・C・ケントン
製作 : ポール・マルヴァーン
脚本 : エドワード・T・ロウ・ジュニア(クレジットでは、エドワード・T・ロウ)
音楽 : ウィリアム・ラバ(ノンクレジット)


キャスト
ドラキュラ伯爵 : ジョン・キャラダイン
狼男/ローレンス・タルボット : ロン・チェイニー・ジュニア(クレジットでは、ロン・チェイニー)
フランケンシュタインの怪物 : グレン・ストレンジ
エーデルマン博士 : オンスロー・スティーブンス
ニーナ : ジェーン・アダムス
ミリザ・モレル : マーサ・オドリスコル


ストーリー
エーデルマン博士の邸宅に、ラトス男爵と名乗っているドラキュラ伯爵がやって来た。
罪なき人々の生血を吸って何百年も生きている彼は、この呪いから解放される為に博士の所に来たという。
彼を治療する事にした博士だったが、そこへローレンス・タルボットも狼男化を防ぐ為に、博士を訪ねてくる。
博士は彼の悩みも引き受けるが、この近くにある洞窟で眠っているフランケンシュタインの怪物が発見された。
こうして三大怪物が一ヶ所に集合する事になったが、ドラキュラは治療を受けている時に自身の血を博士に注入し、博士は徐々に凶暴な殺人鬼となってしまう・・・。


レビュー
ドラキュラ、フランケンシュタインの怪物、狼男といったユニバーサル・モンスターの看板キャラ3名を共演させた、「フランケンシュタインの館」の続編(その為これのエンディングで、フランケンシュタインの怪物と共に底なし沼に沈んだニーマン博士が、白骨死体として登場している)。

このストーリーを読めば分かるように、かつて人類の脅威だったはずの怪物達がただの病人に成り下がり、もはや昔の威厳もへったくれもありません。
ジョン・キャラダイン演じるドラキュラは出番こそ前より増えましたが、血を吸う事はないので、正直普通の人間と変わりません。
狼男も相変わらず悩んでいる事は、自分の意思と関係なく怪物に変身してしまうありきたりなパターンで、新鮮味がありません(前作で死亡したはずなのに、当たり前のように生き返っているので矛盾している)。
フランケンシュタインの怪物については殆ど眠ってばかりで、動き回るのは最後の数分間のみで、ドラキュラや狼男と異なり話に絡んでこないので、正直いなくても問題になりません(本当にただ出てきただけって感じ)。
前作と同じで今回も怪物達の絡むシーンはなく、単体で暴れまわるシーンしかないので、共演させた意味なしです。

ただ患者の面倒を見ようと思ったら、逆にその陰謀によって怪物になってしまう意外(?)な話が展開されるので、思っていたより楽しめました。
けど言い方を変えると、別にユニバーサル・モンスターでなくても良いかなという気もしますが(例えばある医者の邸宅に患者がやって来るが、その正体は地球侵略を企んでいる宇宙人で、まんまとハメられた医者はその手先になってしまう話でも、問題ないはず)。

期待していないで見ましたが、そんなに悪くない映画なので、興味のある方は見て損はないと思います。



予告編と本編です↓


ちなみに日本でDVDが発売された時、邦題が原題を直訳した「ドラキュラの屋敷」となっているのは、せむしが差別用語で今では不適切で使用不可能だからでしょう(ニーナという看護婦がせむし女だが、まだ若くルックスも比較的良い方である)。
またこの映画で一番得したのは、狼男ことローレンス・タルボットでしょう。
やっと普通の人間に戻れたと同時に、最後はヒーローポジションになるので、救いのある結末となっています(「狼男」(1941年版)→「フランケンシュタインと狼男」→「フランケンシュタインの館」と順番に視聴すれば、彼がいかに苦労していたかがはっきりと分かる)。



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by asabatyou | 2017-12-09 12:15 | 特撮、モンスター | Comments(0)

ロスト・バケーション

昨日は録画した「ロスト・バケーション」を見ましたので、それについて書きます。
以前から興味がありましたが、そんなタイミングで静岡県磐田市の太田川河口付近で、サーファーがサメに襲われ重傷する事件が起こってしまったので、サメ映画の出来事が私にとっても他人事ではなくなってしまいました。


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スタッフ
監督 : ジャウマ・コレット=セラ
製作 : リン・ハリス
音楽 : マルコ・ベルトラミ


キャスト
ナンシー : ブレイク・ライブリー
カルロス : オスカル・ハエナダ


ストーリー
医学生のナンシーは、亡き母が教えてくれた秘密のビーチにやって来た。
同じようにサーフィンしている若者2人と親しくなり楽しい時間を過ごすが、クジラの死骸を見つけた事で怖くなったナンシーは、そのまま帰ろうとする。
だがその時1匹のホオジロザメに襲われて足を怪我してしまい、何とか近くにあった岩場に避難して一命をとりとめた。
持前の知識で身につけている物を上手く利用し傷を癒したが、やがてその岩場も潮が満ちてくると海に沈んでしまうので、残された時間は僅かであった・・・。


レビュー
サーフィンを楽しんでいた主人公が、運悪くサメに襲われてしまい、おまけに足を怪我して身動きが取れなくなってしまう様を描いたスリラー映画。

サメ映画といいましたら、もはや説明不要の名作「ジョーズ」があり、それ以外でもサメを怪物として扱ったパニック映画や怪獣映画が、当たり前のように作られるようになりましたが、「ジョーズ」以外の作品では「ディープ・ブルー」(1999年版)しかヒット作がありませんでした。
近年のサメ映画はマンネリ化を防ぐ為か、砂地や雪原を泳いだり、巨大な竜巻に乗って街の上から落ちてきたり、悪霊となって市街地に現れるなど、もうすっかり何でもありになりつつありますが、本作では1匹しか登場せず、出現する場所も海のみと原点回帰した内容となっています。

そんな久々にまともなサメ映画となった「ロスト・バケーション」ですが、前半は襲いかかってくるサメにただ主人公は狼狽えるだけでしたが、後半は生き残る為にサメと1対1の戦いをする様を描いています。
あくまで主人公vsサメがメインなので、サメの犠牲者はたった3人しかいません(だがその中の1人は、主人公が助けを求めているのにそうしようとせずケータイや金を盗んだり、「サメがいるから危ない!」と必死に警告したのに、サーフボードまで盗もうとした時に襲われて真っ二つにされてしまうから、はっきり言って自業自得で因果応報でもあります)。

他にも同じく怪我で飛べなくなってしまったカモメも登場し、ずっと主人公と同じ岩場で生活を共にします。
まともに動けないのでサーフィンしている若者を見つけた時、それを教えるぐらいしか活躍しませんが、そばにいるだけで癒されますし、良きマスコットキャラであり相棒でもあります。
もしこのカモメすらいない主人公ただ1人だけだったら、本当に救いようがなく絶望しかなかったでしょう。
そう言いたくなるぐらい、印象に残ります。

でも近くにデカいクジラの死骸があるんだから、そっちを食べろよと言いたくなるのに、サメが主人公を執拗に狙ったり(そうでないと、話にならないのもあるが・・・)、主人公を助けない酔っ払い親父の登場が唐突だったり(最初見た時、死体かと思った)、サメの最期が馬鹿っぽかったりと不満があるのも事実です。
また「ジョーズ」の場合、主人公が不注意だったせいで犠牲者を出してしまい、自分の子供まで危険な目に遭わせてしまったので、責任を感じて水が苦手でサメに関する知識もない素人でありながら、仲間と協力してサメに立ち向かいます。
けど本作ではそういう人間ドラマがなかったので、「ジョーズ」と比べると中身が薄いのも事実です。
悪くはないですけど、やはり「ジョーズ」の方に軍配が上がります。



予告編です↓




原題は日本語に訳すと浅瀬という意味ですが、出来れば邦題はそのまま「シャローズ」にしてほしかったです。
「ロスト・バケーション」では一瞬何の事か分かりませんし、映画自体浅瀬のみで話が進んでいきますから、その方がしっくりきます。
それとこの映画では単なる自然界やサメの恐ろしさを描いておらず、人間だけでなくサメも嫌うサンゴやクラゲも登場するので、両者に対して公平だったのも印象的でした。
主人公の味方をするカモメもいますから、自然界は人類にとって敵にも味方にもなりえるという事でしょう。



出典


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by asabatyou | 2017-09-14 17:49 | 特撮、モンスター | Comments(2)

最後の海底巨獣

昨日は元から家にあるDVDの1枚「最後の海底巨獣」を見ましたので、その事について書きます。
久々に見たかったというのもありますが、こちらや「あなたの知らない怪獣マル秘大百科」にも書いてあるように、夏で恐竜映画と言いましたら、これだと思っているので。


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スタッフ
監督 : アーヴィン・S・イヤワース・ジュニア
製作、原案 : ジャック・H・ハリス
音楽 : ロナルド・スタイン
特殊効果 : ティム・バー、ウォー・チャン、ジーン・ウォーレン
ストップモーションアニメーター : デヴィッド・パル、ドン・セイリーン ほか(全てノンクレジット)
恐竜の造形 :マーセル・デルガド(ノンクレジット)


キャスト
バート : ウォード・ラムゼイ
ベディ : クリスティナ・ハンソン
チャック : ポール・ルカザー
フリオ : アラン・ロバーツ
ネアンデルタール人 : グレッグ・マーテル


ストーリー
カリブ海に浮かぶカンティーナ島近海の海底で、氷漬けのティラノサウルスとブロントサウルス、ネアンデルタール人(劇中では、単に原始人としか呼ばれてない)が発見される。
島の海岸に引き上げられた2匹と1人は、その日に起こった落雷のショックで復活し、島は大パニックとなる。
ブロントサウルスとネアンデルタール人は、島の少年フリオと仲良くなり親友となるが、ブロントサウルスはティラノサウルスに敗れて流砂に沈み、ネアンデルタール人もフリオやその知人達を助けて、崩れゆく廃坑で命を絶った。
土木技師のバートは油圧ショベルに乗って、ティラノサウルスと戦う。


レビュー
本作は「マックイーンの絶対の危機(ピンチ)」で製作を担当したジャック・H・ハリスが、万人受けする恐竜映画として企画されました。
さらに特撮のアドバイザーとして、「キング・コング」(1933年版)で有名なウィリス・オブライエンが招かれましたが、コングと同じ恐竜をストップモーションで撮影しようというオブライエンの意見は聞き入れませんでした。
時間と予算がかかるからストップモーションを使うのが嫌だったのですが、ハリスはジョージ・パルに相談したところ、ジーン・ウォーレン率いるプロジェクト・アンリミテッドを紹介されました。
ストップモーションの経験者だったウォーレンは、恐竜の特撮はそれを使うよう提案し、結局ハリスが折れるかたちとなり、ストップモーションとロッドパペットを使う事になりました。
恐竜のモデルは「キング・コング」(1933年版)でも造形を担当したマーセル・デルガドが担当し、アニメーターはパルの息子デヴィッド・パルやドン・セイリーンなど、「80万年後の世界へ:タイムマシン」でアカデミー賞を獲得したティム・バーも参加し、オブライエンも現場を度々訪れては、様々なアドバイスをしていたそうです。

しかし完成した映画は、日本でVHSが発売された時「ダサイナザウルス」というサブタイトルがつけられたとおり(しかも着ぐるみは一切使用してないのに、「ぬいぐるみだい!」といい加減な事を言われてしまう始末)、お世辞にも良いとは言えません。
低予算の影響がもろに出てしまい、合成は合成だと丸分かりで映像も安っぽく、恐竜の造形や動きも悪くて、一流のスタッフが参加したとは思えない仕上がりとなってしまいました。
話も滅茶苦茶ですが(同じ恐竜でもティラノサウルスは白亜紀末期で、ブロントサウルスはジュラ紀後期だから、時代がまったく異なる)テンポ良く進んでいき、映画自体も雰囲気がとにかく明るく、さらに「恐竜と友達になって、その背中に乗ってみたい」という夢が、嫌味なく純粋に描かれているので、結構楽しめる映画となっています。
これが本作最大の魅力であり、ついつい惹き込まれてしまいます。

またフリオとネアンデルタール人がブロントサウルスの背中に乗って歩き回るシーンは「怪獣王子」、ティラノサウルスがバスを襲う時車内を覗くのは「ジュラシック・パーク」、ティラノサウルスと油圧ショベルの戦いは「魔の火山湖・蘇った巨大生物の恐怖」や「エイリアン2」のラストシーンそっくりなので(実際、比較映像もある)、何だかんだで後世に与えた影響は大きいです。
「ダサイナザウルス」というサブタイトルをつけた人は、物の価値が分かってないね(笑)。

それと最近になってハリスが、老衰により98歳で亡くなられた事を知りました。
彼の映画で見たのはこれと「マックイーンの絶対の危機(ピンチ)」、「ダーク・スター」だけですが、「最後の海底巨獣」は初めて見た時から好きな映画で何度も見ました。
楽しい映画を、誠にありがとうございました。



予告編です↓


よく考えてみたら、この映画はフリオの立場になって見ると、悲劇でしかありません。
お気に入りのおもちゃを性格の悪い育ての父親に壊れただけでなく、せっかく友達が2人も出来たのに全て亡くすので、彼自身はまったく幸せになっていません。

本作で使用されたブロントサウルスのモデルとミニチュアセットは、「トワイライト・ゾーン(ミステリーゾーン)」の1エピソード、「33号機の漂流」で旅客機が恐竜時代に迷い込むシーンに流用されました。

ティラノサウルスの鳴き声も「豪勇ゴライアス」のドラゴンや、「SF第7惑星の謎」の1つ目怪獣の悲鳴、「アウター・リミッツ」の砂竜や三葉虫に似た怪生物に流用されました。



出典
画像2:dino.html


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参考文献


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by asabatyou | 2017-08-16 17:37 | 特撮、モンスター | Comments(2)

巨神兵東京に現わる

今月の18日ですが、録画した「巨神兵東京に現わる」を見ましたので、その事について書きます。
これは「館長 庵野秀明特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」に行った時に一度見たのですが、途中からだったので、ちゃんと見るのは今回が初めてです。


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スタッフ
製作 : 庵野秀明、鈴木敏夫
巨神兵 : 宮崎駿
監督、画コンテ : 樋口真嗣
製作 : スタジオジブリ


キャスト
ナレーター : 林原めぐみ


ストーリー
東京に1人暮らししている「私」のところに、突然弟がやってきて「明日、この街は滅ぶ」と予言めいた事を言い出す。
いつもそんな事を言わない弟を訝しく思いながらも取り合わない「私」だったが、翌日に突然異形の巨人「巨神兵」達が東京に現れ、街を焼き尽くすのだった・・・。


レビュー
「風の谷のナウシカ」に登場した巨神兵を主役にした、短編特撮映画。
所謂スピンオフ作品ですが、ナウシカとは何も繋がりはなく、完全に独立した話になっています(でもナウシカを知っていた方が、色々と分かりやすいかな)。

CGが普及した世の中で、あえてそれを一切使用せず、ミニチュアと合成にこだわった今時珍しい作品なのも特徴です。

ストーリー自体は巨神兵が東京に来て暴れるだけなので、別にないも同然ですが、ミニチュア模型の完成度が高く、巨神兵も「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」のC-3POみたいに、人間と同じ大きさの人形を後ろにいる人が棒を使って動かす(日本の人形浄瑠璃を、ヒントにしたらしい)という、あまり例のない特撮が使用されています。
さらに効果音も、1950年代から70年代までの東宝や円谷プロの特撮で使われた物なので(一部新しく作ったと思われる物や、「スーパーロボット レッドバロン」の物も流用されていた)、懐かしさだけでなく新鮮味もある作品となっています。

昔の音を使うだけでなく、巨神兵の制御不能な暴れっぷりは間違いなく「シン・ゴジラ」へと受け継がれたと言えますが(実際両者を共演させた動画も、存在する)、ゴジラは1匹で行動し作品によっては人類の味方にもなったりするけど(これは「ジュラシック・パーク」シリーズに登場する、ティラノサウルスのレクシィも同じである)、巨神兵は複数登場しずっと脅威のままなので、絶望感ではこちらの方が上です。

スタジオジブリ作品ではありますが、完全に怪獣映画なので、ある意味異色作と言えるでしょう。



特報と予告編です↓


宮崎駿さんの名前がクレジットされていますが、あくまで巨神兵の作者だからであって、実際は何もかかわっていません(庵野秀明さんの思いつきで始まった映画だが、宮崎さんの許諾を得る為に話してみたら、「いいけど、ナウシカを出すのは駄目だよ」という条件付きだった)。

元々「館長 庵野秀明特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」で公開されましたが、展示会終了後2012年のアニメ映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」と同時上映されました(ただしまったく同じではなく、エンドロールの追加や音声の調整に加え、3DCGを使用している)。



出典


参考サイト

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by asabatyou | 2017-07-20 17:26 | 特撮、モンスター | Comments(0)

ピクセル

今月の21日ですが、録画した「ピクセル」を見ましたので、その事について書きます。


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スタッフ
監督 : クリス・コロンバス
原案 : ティム・ハーリヒー
原作 : パトリック・ジャン
音楽 : ヘンリー・ジャックマン


キャスト
サム・ブレナー : アダム・サンドラー、アンソニー・イッポリート(少年時代)
ウィル・クーパー : ケヴィン・ジェームズ、ジャレッド・ライリー(少年時代)
ヴァイオレット・ヴァン・パッテン中佐 : ミシェル・モナハン
ラドロー・レイモンソフ : ジョシュ・ギャッド
岩谷教授 : デニス・アキヤマ
ナムコのエンジニア : 岩谷徹


ストーリー
1982年。NASAは有効目的として、地球外生命体に向けて当時流行っていたゲームを収録した映像などを送った。
だがそれを見た宇宙人のヴォルーラ星人は、「果たし状」と誤解してしまう。
2015年になり、星人は映像を基にゲームのキャラクターを兵器として再現し、地球に送り込んで猛威を振るった。
巨大なパックマンやドンキーコングなどが暴れている中、かつてゲーマーだった男達が集結した!!


レビュー
「ホーム・アローン」シリーズや「ハリー・ポッター」シリーズといった、ファミリー・コメディ映画で有名なクリス・コロンバス監督の、ゲームを題材にしたSFコメディ映画。

同じゲームを題材にした映画でディズニーの「シュガーラッシュ」がありますが、これと同様にクロスオーバー作品でもあります。

「シュガーラッシュ」は任天堂からは「マリオ」シリーズのクッパやデイジーなど、セガからは「ソニック」シリーズのソニック・ザ・ヘッジホッグやドクター・エッグマン、カプコンからは「ストリートファイター」シリーズのリュウやケンなど、バンダイナムコエンターテインメントからは「パックマン」のパックマンやグズタなどが登場しますが、本作ではバンダイナムコエンターテインメントからはパックマンやギャラガ、任天堂からは「ドンキーコング」(1981年版)の初代ドンキーやマリオ、「ダックハント」の犬とカモ(最近では「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U」にも参戦した)、コナミからはQバート、タイトーからは「スペースインベーダー」のインベーダーなどが登場します。

ゲームに対する愛情や敬意が見られ、パックマンの生みの親である岩谷徹さんが出演して、暴れまわるパックマンを説得しようとしたり(デニス・アキヤマ氏が演じているが、本人も1982年に幼い主人公達が通っていたゲームセンターでアーケードゲームの修理をするナムコのエンジニア役として、一瞬だけ出演している)、「ドージョークエスト」(本作オリジナルの架空のアーケードゲーム)に登場するヒロインの、レディ・リサに惚れている主人公の仲間がリサと共闘する様などが描かれています。
個人的に一番嬉しかったのは、ラスボスとして登場する初代ドンキーコングです。
やはり昔から知っていますし、本当にこのイメージをちゃんと残しつつつも、良い感じにアレンジされていて、ヒロインのポジションが星人にさらわれた人達で、マリオのポジションが主人公達になっています。
再現度の高さに、思わずニヤリとしてしまいます。

オタクの主人公達が自分の趣味を活かして、そのままゲームで遊んでいるような感じで、宇宙人と戦っていく様は大変面白いのです。
しかし他の方のレビューにもあるように、戦闘訓練を受けていないごく普通の一般人に過ぎない彼らが、何故銃や車を超人並みに扱えるのか?という違和感バリバリなシーンもあるので、ご都合主義な印象を受けるのも事実です。

私が思うにこれを見て楽しめるのは、パックマンなどのゲームをリアルタイムで楽しんだ世代でしょう。
主人公達の年齢を見ていますと、明らかに40代以上なので、彼らをターゲットにしたのは間違いありません。



予告編です↓


私が思うに「ピクセル」のキャッチコピーは、「ゲームクリアか、ゲームオーバーか。」の方が良かったかな。
せっかくゲームの映画ですし、全滅ではまんま過ぎて面白味がないです。

ちなみにパックマンとドンキーコングは、「マリオカート アーケードグランプリ」シリーズや「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U」でも共演しています(ただしドンキーの方は、今現在活動している2代目の方)。

それにしてもドンキーは、1994年にスーパーファミコン向けに発売された「スーパードンキーコング」で2代目に世代交代した後、初代はクランキーコングという老猿になりましたが、そんな彼がゲームボーイの「ドンキーコング」(1994年版)以来21年ぶりに久々にドンキーとして登場する事になりました(当然、若かりし頃の姿)。
ドンキーが悪役なのは、「マリオvsドンキーコング」シリーズ(2代目が登場)以来です。



出典


参考サイト

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by asabatyou | 2017-05-23 17:22 | 特撮、モンスター | Comments(0)

ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団

昨日はYouTubeで前から見たかった、「ウルトラ6兄弟vs怪獣軍団」を見ましたので、その事について書きます。
幼い頃持っていたウルトラマンの本に本作の事が書いてあったので、存在は知っていましたが、ちゃんと見たのは今回が初めてです。


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スタッフ
企画、製作 : 円谷皐
プロデューサー : ソムポート・センドゥアンチャイ、伊藤久夫
監督 : 東條昭平
音楽 : 冬木透


キャスト
コチャン : コ・ガオデンディ
アナン : アナン・プリーチャー
ヴィルッド博士 : ヨーチャイ・メクスワン
マリサー : パワナー・チャナチット


ストーリー
ブッダを敬う心優しい少年コチャンは、いつにもまして激しい高気温と乾燥がタイを襲う中、貧しいながらも仲間の少年達と一緒に楽しく生活していた。
ある日彼は仏像を盗みに来た泥棒3人組の後を追ったのは良いが、返り討ちにあい射殺されてしまう。
だがその様子を見ていたウルトラの母は、コチャンの亡骸を光の国へ運び、彼を白猿ハヌマーンとして復活させた。
蘇ったコチャンはハヌマーンに変身し泥棒3人組を成敗した後、地を焼き尽くすばかりの強い光を放つ太陽を説得して、タイを救った。
しかし乾燥と高気温に対抗する為に、人口降雨ロケット発射計画を進めていたヴィルッド博士達が、無茶な進行を続けた結果、地底に眠っていた怪獣達を目覚めさせてしまう・・・。


レビュー
日本の円谷プロダクションとタイのチャイヨー・プロダクションの合作による、ウルトラマン映画。
一見純粋なウルトラマンの映画に思えますが、原題が日本語に訳すると「ハヌマーンと7人のウルトラマン」で(理由はタイ語で「6」は「転ぶ」という単語と同じで、縁起があまり良くない数字だから、ウルトラの母も入れて7人になった)、あくまでハヌマーンが主役だから、ウルトラマン達は助っ人として終わり頃に登場するだけです。

異国の地でウルトラマン達が大活躍し、地元のヒーローと共闘する様を描いているので、一見夢のような作品に思えますが、実際は色々と残念な仕上がりになっています。

ストーリーや世界観や登場人物が完全にタイなので、全体的に仏教臭い民話的な価値観が漂っていて、他のウルトラマンとは明らかに異なる、異色のファンタジー映画といった感じになっています。
そこは別に良いのですが、問題はそれ以外です。
この映画は文化や時代の違いが影響しているのか、「悪には何をしても良いのだ」とでも言いたげで、他の作品と比べるとより過激で残酷な描写が目立ちます。

まず主役のハヌマーンですが(日本語吹き替え版の声は、「めぞん一刻」や「うる星やつら」などに出演した二又一成さん)、いかにも民族的でエキゾチックなルックスをしているのは良いにしても、いつも変な踊りをしていて落ち着きがなく、空を飛ぶポーズが「卍」に似ている珍妙さです。
人々には正統派ヒーローとして見られていますが、果たしてこれをカッコいいと思っているのでしょうか?
コミカルタッチなヒーローとして作られているなら、これでも多少は許される、かな・・・?
だけどその一方で、いくらかつて自分を殺した悪党とはいえ、巨大化した状態で「仏様を大切にしろ!大切にしない奴は死ぬべきなんだ!!」や「お前達を殺してやる!」などとヒーローらしかぬ物騒な事を言いながら、やけに楽しそうに人間達を血祭りに上げていく、サディスティックな一面があるのも事実です(当然、鬼畜ヒーローシリーズに1つにカウントされている)。
日本公開版ではカットされていましたが、本家では最後の泥棒を殺害した時流血しています。
いくら同じ人間の悪党を殺害した巨大ヒーローでも、大魔神のような爽快感は皆無です。

ウルトラマン達もそれに合わせているので、ドロボンの頭と両腕の皮と肉を剥いで骨を丸見えにしたり、たった1匹だけ残ったゴモラをみんなで寄ってたかって集団リンチするという、怪獣退治ではなく動物虐待にしか見えない蛮行をしているので、悪い意味で印象に残ってしまいます(他にも音楽や光線の構えが、かなり適当でいい加減)。
確かにこれが作られた1970年代といいましたら、表現規制が緩かったせいか、敵の体をバラバラに引き裂いたり、切断された時腸が飛び出る描写があり、同じ円谷プロが作った「レッドマン」では、倒れた敵の口に向かって槍を突き刺したり、敵の死骸を引きずって崖から落とすなどのシーンがありましたが・・・。

ラスボスのゴモラも、本来はキング・コングみたいに故郷で平和に暮らしていたけど、身勝手な人間によって連れて来られた哀れな被害者なのに、ここでは単なる悪役なので、正直納得出来ない扱いです。

決して傑作とは言えませんが駄作とも言えず(特撮の完成度は高い)、怪作と言うべきでしょう。

昔はVHSやレーザーディスクが出ていて日本でも視聴可能でしたが、今現在は円谷プロとチャイヨープロの関係が悪化したので、DVDやブルーレイは一切出ていません(ただし、タイではDVDなどが今日に至るまで発売されている)。



上が予告編で、下が本編です↓









1970年代半ばのタイは日本の漫画やアニメ、ヒーロー物が人気を博していて、チャイヨープロの社長ソンポート=セーンドゥアンチャイ(ソンポート・センゲンチャイ)氏も、かつて日本の東宝撮影所に留学して円谷英二さんや円谷皐さんらと、親交を深めていた縁でこれが製作されました。
それは嬉しいのですが、このチャイヨープロは何かとお騒がせな会社らしく、本作の続編として作られた「ハヌマーンと5人の仮面ライダー」は、東映の許可なしで作ったので日本未公開で非公式扱いになっている、「ハヌマーンと11人のウルトラマン」を作った時は、円谷プロの許可なしに「ウルトラマンレオ」などの映像を流用したので、映像ソフト化はされていない、円谷プロ抜きで中国との合作で「ウルトラマンミレニアム」を作ったので、著作権侵害訴訟になったとか・・・。

判決では円谷プロが「ウルトラシリーズ」唯一の著作者で、ソムポーテ氏の契約書が偽造とする円谷側の主張が認められました。



出典


参考サイト

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by asabatyou | 2017-05-19 17:14 | 特撮、モンスター | Comments(4)

地球最後の男(1964年版)

昨日はYouTubeで前から見たかった、「地球最後の男」を見ましたので、その事について書きます。


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スタッフ

監督 シドニー・サルコウ(アメリカ版)、ウバルド・ラゴーナ(イタリア版)

原作 リチャード・マシスン

音楽 ポール・ソーテル、バート・シェフター



キャスト

ロバート・モーガン ヴィンセント・プライス

ルース・コリンズ フランカ・ベットーヤ(声:キャロリン・デ・フォンセカ)



ストーリー
地球全体に人間を吸血鬼化させてしまう疫病が流行り、人類のほぼ全てが吸血鬼になってしまった。
ただ1人生き残ったロバート・モーガンは、昼間は吸血鬼狩りをしつつも、生活に必要な物を集めたり吸血鬼除けの武器を作っていたが、夜になると吸血鬼達が現れ、自分の命を狙って襲いに来るのだった。
一見冷静に対処しているように見えるが、実際はかなり追い詰められていた。一体いつまでこうしていれば、良いんだろうと・・・。
そんな時昼間に1匹の黒い犬や1人の女性を見かけるが、犬は疫病に感染していて女性も感染者でありながら完全な吸血鬼にならなかった、新人類である事を明かした。
さらに新人類は他にもいて自分達の社会を作っている事や、昼間モーガンが吸血鬼狩りをしている時、その新人類達も大量に殺していた事まで判明する。
その時新人類の部隊がやって来て吸血鬼達を仕留めたが、今度はモーガンに狙いを定めた。
彼らにとってモーガンはみんなが寝静まった頃に徘徊し、人々を殺戮しまくる伝説の怪物で、今や抹殺されるべき存在になっていた・・・。


レビュー
リチャード・マシスン氏原作の「アイ・アム・レジェンド(「吸血鬼」や「地球最後の男」、「地球最後の男<人類SOS>」の表記もあり)を、アメリカとイタリアの合作で映画化したもので、主演はこの手の映画でお馴染みのヴィンセント・プライス氏です。

所謂吸血鬼を題材にした作品ではありますが、ボロボロの肌や服にフラフラとした動きで集団行動するなど、一般的な吸血鬼のイメージとかけ離れていて、ゾンビそのものです(だけど吸血鬼だから、言葉を普通に話せるので知性はある。その内の1人が主人公の親友で、「出て来いモーガン!貴様を殺してやる!」と叫ぶなどの挑発行為をしている)。

ゾンビのような連中が主人公の自宅を取り囲んで襲う様が、ジョージ・A・ロメロ監督の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」に受け継がれ、やがてゾンビのキャラクターやイメージが完全に出来上がる事になります。
なのでゾンビ映画の歴史を語る以上、決して避けて通れない大変重要な役割の作品です。
もしこれがなかったら、ゾンビが今ほどメジャーになる事もなかっただろうし、その後のゾンビ映画も随分変わってい方もしれません。

ただ「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」では共に戦う仲間がいましたが(対立もあったけど)、こちらはずっと孤独のままで(主人公がぼっちなのは、「縮みゆく人間」や「激突!」といった他のマシスン氏の作品にも見られる)、価値観が逆転する意外なラストもあって(ここで原作の原題「アイ・アム・レジェンド」の意味が分かる)絶望感ではこちらの方が上です。

吸血鬼との格闘シーンや銃でぶっ放すシーンがなく、回想シーンがちょっと長めでもう少し短く出来なかったなという気もしましたが、この世界で何があったのかははっきりと分かりますので(最初はごく普通の日常生活を送っていたのに、疫病が原因でそれが少しずつ崩壊していく様を描いている)、クールなサバイバルSF映画として楽しめます。

ちなみに「ドラえもん」で有名な藤子・F・不二雄さんも、これを基にした「流血鬼」という短編漫画を作っています。
元ネタへの敬意なのかマシスン氏が、人間を吸血鬼にしてしまう奇病を発見した博士の名前として登場しており、結末も異なりながらバッドエンドである事は共通しています。

また音楽が「ジャックと悪魔の国」と同じ人達なのでよく似ており、中には殆ど同じ曲もあります。



上が予告編で、下が本編です(右下に日本語字幕をつけるところがあるので、そこをクリックすると出てきます)↓


実は「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」に影響を与えたとされる映画は他にもありまして、それが「インビジブル・インベーダーズ(ソフト版では、「インベーダー侵略 ゾンビ襲来」というタイトルに)」です。
地球侵略を企む透明宇宙人が、死体や生きた人間に乗り移って暴れまわる話で、その乗り移られた姿が明らかにゾンビなんだとか。



出典


参考サイト


参考文献


参考動画

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by asabatyou | 2017-04-29 09:06 | 特撮、モンスター | Comments(0)

恐怖城

昨日はYouTube(プレイステーション4があると、テレビの大画面で楽しめるので、それで見た)で「恐怖城(「ホワイト・ゾンビ」や「ベラ・ルゴシのホワイト・ゾンビ」という表記もあるが、原題が「white zombie 」だから、後者のタイトルの方がしっくりくる)」を見ましたので、それについて書きます。
前から興味があった映画の1本ですが、やっと見る事が出来ました。


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スタッフ

監督 ヴィクター・ハルペリン

脚本、原作 ガーネット・ウェストン

原案 ウィリアム・シーブルック(ノンクレジット)

製作 エドワード・ハルペリン ほか

メイクアップ・アーティスト ジャック・P・ピアース(クレジットでは、ジャック・ピアース)ほか



キャスト

ルジャンドル ベラ・ルゴシ

マデリーン・パーカー マッジ・ベラミー

ニール・パーカー ジョン・ハロン

チャールズ・ボーマン ロバート・フレイザー

ブルーナー博士 ジョセフ・カーソン

ゾンビ :フレデリック・ピーターズ、クロード・モーガン ほか



ストーリー
ニールとマデリーンはボーマン氏の紹介で、結婚式を挙げる為にハイチを訪れる。
しかしそこにはゾンビと呼ばれる不気味な集団がいて、ボーマンの屋敷の先客だった宣教師のブルーナー博士は、2人にここには長居はしない方が良いと忠告する。
その不安は的中し、ボーマンはマデリーンに惚れていて、彼女を奪う為にゾンビを操る魔術師ルシャンドルと手を組んでいた。
ボーマンはルシャンドルから貰った薬で、マデリーンをゾンビに変えてしまったが・・・。


レビュー
ゾンビ映画の、記念すべき第1号。


当時ハリウッドでは「魔人ドラキュラ」や「フランケンシュタイン」(1931年版)などのホラー映画がブームになっていて、古典モンスターに代わる新しい素材を渇望していました。

そんな時インディペンデント系映画を製作するハルペリン兄弟は、ウィリアム・シーブルックの著作「the magic island(彼がハイチに渡り、ブードゥー教の信者に取材した時の事を本にした)」にあるゾンビに着目したほか、ブロードウェイで上演されていた「zombie」を基にして、本作を企画し製作しました。


主役を「魔人ドラキュラ」で有名になったベラ・ルゴシにして、さらに取り壊す直前だった同作のセットを流用させてもらった上、ジャック・P・ピアースまで雇ったので、5万ドル(5千ドルという説も)という低予算とは思えない仕上がりとなりました。


さて「恐怖城」のゾンビは、後の作品と異なり生ける屍ではなく、自我をなくして仮死状態にされた人間です。

基本は命令通りに動くだけの奴隷に過ぎず、人を襲ったり人肉を食らったりしないので、本作における恐怖はゾンビではなく、ゾンビにされる事やゾンビ―マスターに対するものです。

その為今現在見てしまうと地味な印象を受けてしまいがちですが、この映画のゾンビは一切声を出す事もなければ、無表情無感情で目を見開いたままで、異様さがあるのは事実です。

終わり頃では主人公を抹殺する為に襲いかかりますが、集団でフラフラとした動きは、後のゾンビ映画を彷彿させます。


若干テンポが悪く、ストーリーも同じヒロインを巡って男達が争う三角関係物ですが(ヒロインの見た目が、ベティ・ブープに似てる)、ゾンビの不気味さやルゴシ演じるゾンビマスターの悪魔的な雰囲気(ゾンビを操る時、両手を握り合わせるところが印象に残るが、これはティム・バートンの「エド・ウッド」で、ルゴシを演じたマーティン・ランドーが再現していた)、その彼がいる城の幻想的で壮大さのある作りもあって(まさにダーク・ファンタジー)、見所はあります。


ちなみにヘヴィメタルバンドにも、ホワイト・ゾンビがいますが、この映画が元ネタです。




上が予告編で、下が本編です(右下に日本語字幕を出すところがありますので、そこをクリックすると出てきます)↓




本作は「魔人ドラキュラ」の亜流という事もあって、それと似たところがあります。

ベラ・ルゴシが恐怖の存在として描かれていて、彼に関わった者はいかれてしまうのは、まんまドラキュラと同じです。

前者の場合は狂人で、後者はゾンビというだけで。


一応「恐怖城」の後も「死霊が漂う弧島」などのゾンビ映画は作られましたが、他のホラー映画キャラのような支持は得られませんでした。

「ブードゥリアン(「生と死の間」、「私はゾンビと歩いた!」という表記もあり)」で作品的に頂点に達すると、ブードゥー教を基にしたゾンビ映画は失速したので、ゾンビが市民権を得て人気者になるには、ジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」まで待たねばなりませんでした。




出典

画像1:White Zombie de Victor Halperin (1932) - Analyse et critique du film - DVDClassik.html

画像2:White Zombie (1932) Review _BasementRejects.html



参考サイト

Kyôfu-jô (1932) - IMDb.html

恐怖城 - Wikipedia.html

最低映画館~恐怖城.html

アニヲタWiki(仮) - 恐怖城ホワイトゾンビ(映画).html

White Zombie(1932) _ Digitalvampire.net.html



参考文献

モンスター大図鑑

図説 モンスター―映画の空想生物たち (ふくろうの本)

映画秘宝EX 映画の必修科目05 突撃! モンスター映画100 (洋泉社MOOK)


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by asabatyou | 2017-04-27 16:28 | 特撮、モンスター | Comments(0)
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タイトルの通りasabatyouのなんでもブログ(http://d.hatena.ne.jp/asabatyou/)の続編です。ツイッターは、こちらです(https://twitter.com/asabatyou)。


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