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カテゴリ:映画( 120 )


雨に唄えば

昨日は図書館で借りたDVDの「雨に唄えば」を見ましたので、その事について書きます。
本作自体はテレビでその一部の映像が出たり、「志村けんのバカ殿様」でもパロデイをやったり、「えいごであそぼ」でもジェリー伊藤さんが歌った事があり、黒歴史にされがちな「GODZILLA ゴジラ」(1998年版)でもちょっとだけ使われているので、小学生の頃から知っていましたが、実際に見たのはこれが初めてです。

以前から興味がありましたが、6月と言えば梅雨、梅雨と言えば雨、雨と言ったら「雨に唄えば」、見るなら今しかないと思ったからです。


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スタッフ
製作 : アーサー・フリード 
監督 : ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
脚本 : アドルフ・グリーン、ベティ・カムデン


キャスト
ドン : ジーン・ケリー 
キャシー : デビー・レイノルズ 
コズモ : ドナルド・オコナー
リナ : ジーン・ヘイゲン 
シンプソン : ミラード・ミッチェル


ストーリー
1927年のハリウッド。

映画スターのドンとリナは10本を超える作品に共演する名コンビで、大スター同士のカップルともてはやされていたが、実際はリナがドンに一方的に惚れているだけであった。
そんな時、ドンはまだ駆け出しで舞台女優をやっているキャシーと恋仲になってしまう。

やがてドンとリナが共演する映画の撮影が開始されたが、世界初のトーキー映画「ジャズ・シンガー」の大ヒットにより、映像のトーキー化が進んでいく。
早速2人の映画をトーキーにする事にしたが、慣れない仕事に皆悪戦苦闘し、リナも見た目に似合わぬキンキンとした甲高い声で、試写会は最悪な結果となってしまう。

こんな物が世に放たれたら、自分の俳優人生が崩壊すると危機感を抱いたドンは、親友のコズモやキャシーと協力して、これをミュージカル映画にしようと思い付く。
さらにリナの声をキャシーが全て吹き替えする事が決まり、物事は順調に進むと思われていたが・・・。


レビュー
「巴里のアメリカ人」などで有名なジーン・ケリー氏が、監督と主演をこなしたミュージカル映画の名作。
話自体はサイレント映画時代の終わりと、トーキーの時代が迫った1927年のハリウッドで、何があったかを歌や踊りで表現しています。
今でこそ映像はトーキーが当たり前ですが、

当時は「こんな物売れるわけないよ」、「単なるブームで終わるさ」と言われていたり、

マイクを仕掛けるけど声が入ってない部分が多いから場所を変えたりの繰り返し、

作ったのは良いけど雑音があったり、音声が入ってない部分がある、

サイレント映画のようなオーバーな動きで観客に笑われる、

見た目と声にギャップがある人がいる、

ボイストレーニングの先生がいて、滑舌や発声練習、早口言葉を言わせようとするが、上手く言えない人や訛りがある人がいる、

撮影中にムードメーカーとして音楽を演奏する人がいたりと、やけにリアルに描いています。

これ自体は1952年の映画ですが、この頃はまだチャールズ・チャップリン氏やバスター・キートン氏、ハロルド・ロイド氏など、サイレント映画時代を知っている世代がまだご存命中だったからこそ、ここまでやれたと言えるでしょう。

似たような題材の映画に2011年の「アーティスト」がありますが(今時珍しいサイレント映画である)、それほど重々しくシリアスなわけでもなく、明るく前向きに描いています。
なのでサイレントからトーキーに変わる様子を陽気に楽しみたい方は、こちらをオススメします。

終わり頃の主人公が、「こういう映画を撮りたいんだ!」というイメージ映像が若干長い気もしましたが、話自体は至ってシンプルで分かりやすいと同時に、資料的価値は十分あるので見て損はありません。



予告編です↓

撮り方やセットの作りが舞台に近く、それにしても向いているだろうなと思っていたら、1983年にロンドンで本当に舞台化されていました。
日本でも1996年と2003年、2008年、2018年に舞台化されています(その内1996年版以外は、全て宝塚歌劇団が担当している)。

またリナは結果的に敵役となってしまいましたが、見方によっては被害者であり悲劇のヒロインでもあったりします。
まず声が酷いという理由で舞台挨拶でも喋らせてもらえなかったり、その声を別人に吹き替えられたり、自身の吹き替えを担当したキャシーを自分の専属声優にしようと思ったけど失敗する(演じたジーン・ヘイゲン氏自身は真逆で美声の持ち主で、劇中劇のリナの台詞をキャシーが吹き替えるシーンでの台詞も、ジーン氏自身が吹き替えたものが使われているという)、主人公に惚れていても片思いに過ぎないと踏んだり蹴ったりで、何も報われていません。
主人公自身もスターになれたのは、リナの存在もあってこそだと思うのに、ある意味裏切ってしまったわけですから、あの仕打ちは正直どうなんでしょうか?
実際ネット上で、「雨に唄えば リナ かわいそう」と出てくるのも納得出来ますし、主人公が場合によっては悪役になってしまいます。
名作なのは間違いないですが、今やったら賛否両論になるかもしれません。

それと主人公が出演しているという設定のアクション映画が登場しますが、あれはケリー氏主演の「三銃士」(1948年版)からの流用です(どうりで、見覚えがあると思いました)。
他にもトリビアがあるそうですが、流石に全部書くのは大変なので、ここでは省略します。

ヒロイン役のデビー・レイノルズ氏ですが、実は「スター・ウォーズ」シリーズのレイア姫で有名なキャリー・フィッシャー氏の実母みたいです。
残念ながら今現在は、娘の死後、その後を追うように亡くなられた事が明かされました。

私もサイレント映画見る時、どうしても出演している役者は一体どんな声なのか気にする事があります。
やはりトーキーが当たり前の時代を生きているので、嫌でもそうなってしまうのかもしれません。



出典

参考サイト


by asabatyou | 2019-06-06 19:49 | 映画 | Comments(0)

地獄への道

昨日は借りたDVDの「地獄への道」を見ましたので、その事について書きます。
この時は「蛍火の杜へ」を見た以来久々、1枚だけ無料で借りられるハガキが来たのですが、最近WOWOWで見たい映画やアニメをやった関係で、サイレント映画、もしくは1930年代~50年代のような昔の映画を見る機会がまったくなかったので、そのような時間が欲しかったという気持ちもあります。
また西部劇が見たかった事や、本作を偶然知って以来、興味があったというのもありますが。


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スタッフ
監督 : ヘンリー・キング  
脚本 : ナナリー・ジョンソン 
製作 : ダリル・F・ザナック
音楽 : ルイス・シルヴァース(音楽監督) 
編集 : バーバラ・マクリーン


キャスト
ジェシー・ジェームズ : タイロン・パワー 
フランク・ジェームズ : ヘンリー・フォンダ
ゼレルダ : ナンシー・ケリー
ウィル・ライト : ランドルフ・スコット
ミセス・サミュエル : ジェーン・ダーウェル


ストーリー
南北戦争の終戦後、鉄道の敷設によって土地を奪われただけでなく、母親まで殺されたジェシーとフランクのジェームズ兄弟は、復讐の為に列車強盗を繰り返す。
そうしていく内にジェシーは、ゼレルダと愛し合い結婚するが、既に追われる身になっていた彼らに安らぎは訪れなかった。
怯えてばかりの生活に我慢の限界が達したゼレルダは、生まれたばかりの子供を連れて出ていくが、これをきっかけにジェシーは銀行や列車を次々と襲うになり・・・。


レビュー
かつて実在したガンマン、ジェシー・ジェームズの半生を描いた伝記的西部劇。

最初は土地を奪われただけでなく、母親まで殺されたジェシーとフランクのジェームズ兄弟が、復讐心から列車を襲う強盗になったものの、愛する人に捨てられたのをきっかけに、本当にただの悪党や無法者に成り下がってしまう様を描いています。
その鉄道会社も自身に逆らう者には容赦なく暴力を振るったり、ジェシーに対して「もし自首すれば、刑を軽くする」と約束したのに、「あれは嘘だ」と言い放ったりと、中々の悪役ぶりを見せますが、途中から主人公もその道を歩んでしまうので、基本悪しかいないと思った方が良いです。

「オズの魔法使」と同様、第2次世界大戦が勃発した1939年の映画ですが、テクニカラー作品として製作されました。
ですが音楽が三ヶ所ぐらいしかなく、他のテクニカラー作品と比べますと、異なる印象を受けます。
1930年代といいましたら、まだトーキーの創成期という事もあって、「魔人ドラキュラ」や「フランケンシュタイン」(1931年版)、「類猿人ターザン」(1932年版)などみたいに、音楽が殆どない作品がありましたが、テクニカラー作品でそれがあったのは意外でした。
その為、若干地味な印象があるのは否めません。

全体的に淡々としており、子供が少しずつ成長していく様を描いているのに、そんなに時間が経っているように見えなかったりと雑な描写もありますが、かつてこのような人物がいた、出来事があった事を知るきっかけには良いかもしれません。



予告編です↓

本作ではやや影が薄いフランクですが、フリッツ・ラングが監督した「地獄への逆襲」はその続編で、そこでは主役になっています。
さらに1957年には、「無法の王者ジェシイ・ジェイムス」としてリメイクされただけでなく、ジョン・キャラダインも別役で出演しているとの事です。



出典


参考サイト


by asabatyou | 2019-05-14 17:37 | 映画 | Comments(1)

リベンジgirl

昨日はWOWOWで放送したのを録画した「リベンジgirl」を見ましたので、その事について書きます。
以前から興味はありましたが、やっと見る事が出来ました。


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スタッフ
監督 : 三木康一郎
原作 : 清智英、吉田恵里香
脚本 : おかざきさとこ
脚本監修 : 吉田恵里香


キャスト
宝石美輝 : 桐谷美玲
門脇俊也 : 鈴木伸之
斎藤裕雅 : 清原翔
如月凪子 : 斉藤由貴


ストーリー
東大首席でミスキャンパス1位に選ばれるほどの美人でありながら、性格最悪の宝石美輝。
本人はまったくそれに気づかず、イケメンで政治家一家の息子である斎藤裕雅と付き合うが、彼は女癖が悪く大勢の女性にも手を出している事を知ってしまい、フラれてしまう。
美輝は裕雅を見返す為に自分も選挙に出る事を決意するが、そこで昔政治家の秘書として働いていた門脇俊也に弟子入りする。
厳しく指導する俊也に初めは嫌な奴だと感じる美輝だったが、いくつもの失敗を重ねたり、自分を慕ってくれる人々が現れたり、裕雅の凶悪な一面を知ったりして、徐々に本格的に取り組むようになる。


レビュー
同名の小説を映画化した、ラブコメディ。
本作自体は日本のソニー・ピクチャーズ エンターテインメントが配給する日本映画ですが、同じソニーグループであるコロンビア映画のオープニングロゴが使用されています(何だか不思議な光景です)。

内容自体は傲慢な主人公がヤリチン男にフラれたその復讐心から、奴を見下す為に総理大臣を目指すという、とんでもない話となっています。
動機は正直下らないですが、最初は傍若無人に振舞う感じ悪い主人公が、政治家になるに連れて段々それがなくなり、人々の為に尽くすようになる成長物語です。

最初は変にアニメや漫画を思わせる演出があり、また「クローバー」の悪夢が繰り返されるのかと若干不安でしたが、特にそういう事はなく至って自然体で見る事が出来ました。

例のヤリチン男もただの女癖が悪いだけでなく、己の目標達成の為なら手段を選ばず、それで何も関係ない一般市民が巻き込まれて傷ついても罪悪感を感じないどころか、「騙される方が悪いんだよ!!ヒャッハー!!」と言い放ったり、そんな自分に怒る主人公に対しても「女のお前に、何が出来るんだ?ヒャッハー!!」と実は女性を差別してるのでは?と思われる発言をしたりと、吐き気を催す邪悪と言いたくなるような、救いようのないクズっぷりが印象的でした(これで主人公は、さらにこんな奴に日本を任せられないと改めて思い知る)。
見た目は好青年なのに、性格は冷酷無慈悲でまさに外道と言いたくなるような、完全な悪人です。
奴の事務所もやけに薄暗いので、もう悪の組織にしか見えません。
何だか主役よりも、そちらの方が印象に残ってしまいます。

若干ダラッとしていてご都合主義的で、主人公との秘書との恋愛は蛇足な気もしましたが(周囲で見ている人達は女性陣は「おぉ…♥」だったのに、男性陣は「何これ?」という反応だったのが印象的でした)、個人的には楽しめました。
しかし肝心の映画自体は、興行収入ランキングでも初登場トップ10圏外という大コケをし、レビューも辛辣なコメントが多いという最悪な結果となってしまいました(皆さんが酷評している理由も納得出来るし、ツッコミどころがあるのは紛れもない事実)。
これは2017年の映画ですが、当時は「カメラを止めるな!」以外の邦画は全然話題にならず、相手にされてなかった感じですが。



特報と予告編です↓






実は私、エキストラとして本作に出演していまして、それが見たかった一番の理由です(ただし出演シーンはないので、当然ノンクレジット)。
けどいつもエキストラで、一緒になる知り合いの方はばっちり映っていまして(太田隆文監督の「明日にかける橋 1989年の想い出」にも出演しています)、知っている方のお顔を見る事が出来ただけでも嬉しかったです♪



出典


参考サイト


by asabatyou | 2019-03-13 21:45 | 映画 | Comments(0)

空軍大戦略

昨日は自宅にあるDVDの1枚「空軍大戦略」を見ましたので、その事について書きます。
幼い頃私の父がVHSをダビングしていた事もあり、好きで何度も見ていましたが、久々に見たくなりました。


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スタッフ
監督 : ガイ・ハミルトン
脚本 : ジェームズ・ケナウェイ、ウィルフレッド・グレートレックス
製作 : ハリー・サルツマン、ベンジャミン・フィッツ
撮影 : フレディ・ヤング


キャスト
ヒュー・ダウディング大将 : ローレンス・オリヴィエ
キャンフィールド少佐 : マイケル・ケイン
コリン・ハーヴェイ少佐 : クリストファー・プラマー
“スキッパー”少佐 : ロバート・ショウ
フォン・リヒター男爵 : クルト・ユルゲンス
アドルフ・ヒトラー : ロルフ・シュティーフェル


ストーリー
第2次世界大戦の勃発から1年経った、1940年の夏。
アドルフ・ヒトラーとウィンストン・チャーチルの交渉は決裂し、ドイツはイギリスに対して激しい爆撃を開始した。
2500機を有するドイツ空軍に対して、イギリス空軍は600機で彼らの劣勢は明らかだった。
その上、数々の撃墜王を生み出した「ドイツ飛行部隊」を迎え撃つイギリス空軍パイロット達は経験が浅く、その技術の差は歴然としていた。
大敗必至かに見えたイギリス軍は、決死の巻き返しを図るが・・・。


レビュー
かつて第2次世界大戦中の1940年に起こったバトル・オブ・ブリテン(原題がこれだから、邦題もこれの方が良かった気が・・・)を、映像化した航空映画。

監督は「007」シリーズで有名なガイ・ハミルトンで(1922年生まれの彼は戦争を知っている世代なだけでなく、イギリス海軍に入隊していた事もある)、ローレンス・オリヴィエやマイケル・ケインといった名優が出演しました。

映画自体は実際に起こった出来事をベースにしつつも、様々なエピソードを綴った群像劇となっているので、これといった主人公や明確なストーリーはありません。
簡単にいいますと、イギリスとドイツの関係を公平に描き、再現ドラマ化したと言えば良いかもしれません(真珠湾攻撃を題材にした「トラ・トラ・トラ!」も、そんな感じでした)。

しかしこの映画の一番の見所は、やはり飛行機でしょう。
イギリス軍からはスーパーマリン スピットファイアやホーカーハリケーンが登場し、ドイツ軍からはメッサーシュミット Bf109とハインケル He111、ユンカース Ju 87 シュトゥーカ(「スツーカ」や「ストゥーカ(ステューカ)」の表記もあり)が登場しています。
正確に言いますと Bf109とHe111は本物ではなく、戦後スペインでライセンス生産されたイスパノ HA 1112とCASA 2.111を使用しているので、Bf109はエンジンやプロペラがカーチスP-40に似ていたり、He111は後ろの車輪を出したまま飛行するという異なる部分があります(エンジンは敵機のスピットファイアやハリケーンと同系の、ロールス・ロイス・マーリンが使われている)。
それでも見た目はそっくりで別に気になるレベルではなく、模型やCGではない本物の飛行機を使っている事に変わりはないので、生の迫力があります。
他にもイスパノ HA 1112は本作以外にも、「メンフィス・ベル」(1990年版)や「ダンケルク」(2017年版)などでもBf109役で登場し、CASA 2.111も「パットン大戦車軍団」にもHe111役で出演しました(実は1957年から1958年のイフニ戦争において、近接航空支援の任務で実戦に使用されたという)。
スツーカは残念ながらラジコンを使っているので、他の飛行機と違って出番が少なく、姿もはっきりと映らなかったり飛行中しか出てきませんが、劇中ではまったくそんな事を感じさせません。
ちなみに、スピットファイアとハリケーンは本物です。
特にスピットファイアは出番が多く、映画自体ドイツ軍の侵略からイギリスを守る話なので(イギリスもドイツを空襲するシーンはあるが1回だけで、ドイツが何度も攻撃した後にやっている)、事実上主人公とも言えます。

2時間を越えますが、映画の殆どというより空中戦がメインなので(最終決戦のみサイレント映画のごとく、音楽以外の音が一切ない状態で空中戦が繰り広げられるが、それが却って幻想的な効果を生んでいる)、飛行機や航空映画好きな方は一度見る事をオススメします。



予告編とOPです↓



予告編にもありますが、ヒトラーが演説をやっている時、周囲の人々がナチス式敬礼で何かを叫んでいますが、最近になって「ジークハイル」と言っている事を知りました(小さい頃は、分からなかったが)。
ヒトラーやナチスがタブーとなっている今では、例え冗談でも絶対に出来ない事です。

イギリス軍のパイロットで妻子持ちの人物がいて、自分の子供達にスピットファイアのおもちゃを与えるシーンがありますが、初めて見たと同時によく見ていた頃、その子供達とほぼ同い年だったので、自分達と姿を重ねたりしました。

ハインケル He111がイギリスを空襲するシーンでは、戦後以来初めてイギリス上空に飛ばして撮影したそうです。
国民感情を考えればぎりぎりの撮影だったので2機だけ飛行させましたが、ロンドン市民はあっけにとられて空を見上げていたようです。

劇中ではイギリス軍の中隊でレッドやイエローといった単語が登場しましたが、後の「スター・ウォーズ」シリーズにもあるので、それを思わせました。

オープニングではユンカース Ju52が登場し、元師が下りてきた後、ドイツ軍を横断していきますが、音楽や映像のカッコ良さもあって、自分が今まで見た航空映画の中では、一番好きです(「トラ・トラ・トラ!」のOPも、これに近い感じ)。




出典

参考サイト

参考文献


by asabatyou | 2019-01-25 22:00 | 映画 | Comments(1)

ダイ・ハード2

今月の9日ですが、図書館で借りた「ダイ・ハード2」を見ましたので、その事について書きます(図書館はカードさえあれば、無料で借りられるのでお金に余裕がない時に、何か見たい場合は本当に助かります)。
クリスマスシーズンですから、そのような映画を1本見たいと思って借りました。


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スタッフ
監督 : レニー・ハーリン
製作 : ローレンス・ゴードン、ジョエル・シルバー、チャールズ・ゴードン
音楽 : マイケル・ケイメン  
撮影 : オリヴァー・ウッド
脚本 : ダグ・リチャードソン、スティーヴン・E・デ・スーザ


キャスト
ジョン・マクレーン : ブルース・ウィリス 
ホリー・マクレーン : ボニー・ベデリア 
リチャード・ソーンバーグ : ウィリアム・アザートン
アル・パウエル : レジナルド・ヴェルジョンソン 
ラモン・エスペランザ : フランコ・ネロ 
スチュアート大佐 : ウィリアム・サドラー


ストーリー
ナカトミビルのテロリスト襲撃事件から、1年経ったクリスマス。
その事件を解決して英雄となったジョン・マクレーンは、妻のホリーを迎えに雪の降るワシントンのダレス国際空港にやってきた。
ところがそのダレス国際空港で、非常事態が発生してしまう。
間もなく護送されてくる南アメリカ、バル・ベルデの麻薬王エスペランダ将軍を奪還する為に、スチュアート大佐率いるテロリストが、空港の管制システムを乗っ取ったのだった。
管制塔の機能は完全にマヒして大パニックに陥り、去年と同じくまたしてもマクレーンは、事件に巻き込まれてしまう・・・。


レビュー
かつて1988年に作られた「ダイ・ハード」の続編(ただし物語は、前作の1年後という設定)。
前作は超高層ビルを舞台に死闘が行われましたが、今回は空港を舞台に、またしても事件に巻き込まれてしまったマクレーンの活躍を描いたものとなっています。
本当は1作目に引き続き、ジョン・マクティアナン(「プレデター」の監督でもある)が監督するはずでしたが、「レッド・オクトーバーを追え!」の撮影の最中であり、無理だった事から「エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター 最後の反撃」や、「ディープ・ブルー」(1999年版)などを手がけた、レニー・ハーリンが担当する事になりました。

話自体は悪役達が自分の主人が来るのを待つ事なので、どこかゲイリー・クーパーやグレース・ケリー主演の「真昼の決闘」を思わせます。
ただ前作は超高層ビルだけで完全に話が完結するのに対し、こちらは空港を中心に敵のアジトである教会も登場したりと、舞台がちょびちょびと変わったりします。
それで様々な味方や敵が登場するわけですが、全体的に詰め込み過ぎな印象を受けます。
前作の方が悪役もただ単に冷酷なだけでなく、どこか気品やカリスマ性があり(これはラスボス役の、アラン・リックマンのおかげ)、味方キャラのパウエルも、おもちゃの銃を手にしていた少年を誤射してしまったトラウマが原因で銃を使えなくなりましたが、最後はマクレーン達を救う為に銃を使うと、色々見応えがありました。
けどこちらには、敵も味方もそのようなものがなかったので、若干見せ場に欠けていた感じが否めませんでした。
戦闘シーンは相変わらず迫力があって申し分ないですし、こちらも決して悪くはないですが、前作の方が分かりやすくて見やすくスッキリしています。

ちなみにテロリストの1人を演じたのは、「ターミネーター2」のT-1000で有名なロバート・パトリックだったりします。
普通に表情豊かだったり、銃撃戦で近くに隠れて身を守ろうとした時は、どうも違和感がありました(笑)。「あんたなら、撃たれても平気だろ?」ってね(笑)。
「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」のルイージ役で有名なジョン・レグイザモも、テロリストの1人を演じています。



「吹替の帝王」版予告編です(1と3と、ごちゃ混ぜになっていますが)↓

本作の悪役であるエスペランザはバル・ベルデ出身という事になっていますが、これはネットで大人気の映画として有名な「コマンドー」で初登場した、架空の国です。
と言っても単に登場しているだけで、世界観が同じではないようです(プロデューサー:ジョエル・シルバーと、脚本:スティーヴン・E・デ・スーザの手がける作品に、たびたび登場するという。実はテレビアニメ「戦姫絶唱シンフォギア」や、ライトノベル「ケモノガリ」といった、日本の作品にも登場した事もあり)。

前作と同じく原作となった小説がありますが、タイトルは「ケネディ空港着陸不能」で(1作目の原作である小説「ダイ・ハード」の続編ではなく、まったく関連性はない)、主人公がフランク・マローンからジョン・マクレーンへ、舞台もニューヨークのケネディ空港から、ワシントンD.C.のダレス空港になるなど、変更点があります。



出典

参考サイト


by asabatyou | 2018-12-11 14:34 | 映画 | Comments(1)

レッド・バロン(1971年版)

昨日は自宅にあるDVDの1枚「レッド・バロン」(2008年にも同じタイトルで映画化されたので、区別する為にここでは1971年版と表記する)を見ましたので、その事について書きます。
久々に見たかったからというのもありますが、今年は第1次世界大戦の終戦から100年経ったという節目を迎えたので、その影響もあります。


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スタッフ
監督 : ロジャー・コーマン
脚本 : ジョン・ウィリアム・コリントン、ジョイス・H・コリントン
音楽 : ヒューゴー・フリードホーファー
撮影 : マイケル・リード


キャスト
マンフレート・フォン・リヒトホーフェン : ジョン・フィリップ・ロー
ロイ・ブラウン : ドン・ストラウド
ラヌー・ホーカー少佐 : コリン・レッドグレイヴ


ストーリー
第1次世界大戦中の1916年、マンフレート・フォン・リヒトホーフェンは、オズワルド・ベルケ少佐率いる編隊に編入され、彼の特訓を受けた。
同じ頃、イギリス空軍基地のホーカー大佐の隊に、カナダ人で農夫出身のパイロット、ロイ・ブラウンが着任する。
リヒトホーフェンは撃墜王と言えるほどのエースパイロットへと成長するが、ブラウンも敵に手段を選ばぬ徹底した実戦主義で、イギリス軍編隊のリーダーにのし上がっていた。
ブラウンの作戦でイギリス軍は、まだ出撃前のドイツ軍の基地を奇襲したが、それに怒ったドイツ軍も同じ手を使い、イギリス軍の基地を破壊する。
こうして騎士道精神の戦いは徐々に衰退し、醜いただの殺し合いへと成り下がっていく・・・。


レビュー
B級映画の帝王として、「金星人地球を征服」や「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」といった数多くのSF映画などを作ったロジャー・コーマン監督が(実はジェームズ・キャメロン氏や、ジャック・ニコルソン氏などの映画人を発掘した人でもある)、第1次世界大戦で大活躍したドイツの撃墜王でレッド・バロンと呼ばれた(乗機を赤く塗っていた為)、マンフレート・フォン・リヒトホーフェン男爵の生涯を映画化したもの(なので当然主役はドイツだが、製作はかつての敵国であるアメリカだったりする)。
リヒトホーフェン男爵は、「バーバレラ」やレイ・ハリーハウゼン氏の「シンドバッド黄金の航海」で有名な、ジョン・フィリップ・ロー氏が演じました。

しかし映画自体はリヒトホーフェン男爵よりも、段々騎士道精神溢れる戦いが失われていく様を描いているので、若干男爵の影が薄いです。
けど「大の男が敵から逃げ隠れするなんて、恥ずべき行為だ」という理由で、自分だけでなく味方の飛行機までかなりド派手な色にしたり、敵とはいえ強い相手には敬意を払って乾杯する、医療施設を攻撃する事は禁止されているといったシーンがあるので、誰が見ても分かりやすい作りになっているのは事実です(アメリカがイギリスと同盟を結んで戦いに参戦した事で、ドイツが段々追い詰められて余裕がなくなり、騎士道的な戦いを好むリヒトホーフェンが目障りになったから、彼に身を引いてほしいと頼む。けどそれを彼が拒んだので、上の立場の連中とも関係が悪くなる様子も描かれている)。

飛行機も同じ第1次世界大戦を題材にした、「ブルー・マックス」や「暁の出撃」(1970年版)で作られた物を安く借り受けたので、当然本物です。
登場する機体は、ドイツ軍だとフォッカー Dr.1やフォッカー D.VII(イギリス機に扮しているシーンが、少しだけあり)、ファルツ D.IIIで、イギリス軍はS.E.5ですが(ポスターでは、何故かソッピース キャメル(ソッピース パップの可能性もある)になっている)、「ブルー・マックス」と同じく、イギリスの練習機であるデハビランド・タイガーモスや、スタンプSV.4らしき飛行機がシーンによって、イギリス機やドイツ機に扮していたりします(コードロン・リュシオルと思われる飛行機も登場しているが、こちらはイギリス機のみ扮している。「ブルー・マックス」からの流用だから、らしきではなく、それ自身で間違いないだろう)。

ちなみにリヒトホーフェン男爵の最期は諸説があり、はっきりしていませんが、この映画ではブラウン大尉との空中戦で敗れた事になっています(調べてみると、オーストラリア軍第24機関銃中隊軍曹セドリック・ポプキン氏が、撃墜した可能性が高いと考えられている)。

「ブルー・マックス」と比べますと安っぽいですが、こちらも楽しめるので、この手の映画が好きな人は一度見る事をオススメします。

また飛行中のパイロットを映したシーンが多いですが、これは2人乗りの飛行機を使用しており、前にパイロット(アイルランド空軍からの参加者や、アメリカの元戦闘機パイロットらの混合部隊らしい)が乗って、後ろに俳優が乗って撮りました。
つまりセットや合成ではなく、本当に空中で撮影したものです。
カメラも前と後ろの間に置かれて、その撮影は俳優に任されていたようですが、空中戦を模したスタント飛行をパイロットが展開するうち、俳優はタイミングを見計らって自らカメラのスイッチを入れるというやり方でした。
戦闘機乗りだけでなく監督の気分も味わえるので、この撮影方法は俳優にも好評だったみたいです。



予告編です↓

リヒトホーフェン男爵ですが、赤い撃墜王だっただけでなく、容姿端麗で女性にモテたり、仲間と協力して敵を倒した時には味方に手柄を譲ったり、攻撃に熱中すると周りが見えなくなってしまうという欠点があったりと、「一体、どこの主人公だ!?」と言いたくなるような、数多くの伝説を残しています。
そんなリアルチートな人柄は、クリエイターの創作意欲を刺激したようで、「機動戦士ガンダム」のシャア・アズナブルや、「紅の豚」のポルコ・ロッソの元ネタでは?とされています。

それとコーマン監督は、元々南北戦争で活躍した南軍の英雄、ロバート・E・リー将軍を映画化したかったのですが、予算の関係で実現せず、代わりに誕生したのが本作なんだとか(コーマン監督は、リヒトホーフェン男爵やブラウン大尉について様々な本にあたるうち、この物語が魅力的な映画になる、と確信したという)。



出典

参考サイト

参考文献


by asabatyou | 2018-12-04 23:03 | 映画 | Comments(0)

チート

昨日は元々自宅にあるDVDの1枚、「チート」を見ましたので、その事について書きます。
久々にもう一度見たいと思っていましたが、中々時間がありませんでした。


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スタッフ
監督、製作、編集 : セシル・B・デミル(監督と編集した事は、ノンクレジット)
脚本 : ヘクター・ターンブル、ジーニー・マクファーソン
撮影 : アルビン・ワイコフ


キャスト
ヒシュル・トリ : 早川雪洲 
イーディス・ハーディ : ファニー・ウォード
ディック・ハーディ : ジャック・ディーン  
トリの使用人 : 阿部豊  
ジョーンズ : ジェームズ・ニール


ストーリー
ニューヨークの投資家ディック・ハーディの妻イーディスは社交的な女性だったが、同時に浪費家でもあった。
ディックはイーディスに浪費を慎むようたしなめるが、彼女にその気はなかった。
赤十字の基金を使い込み途方にくれたイーディスは、親交のあった日本人の富豪ヒシュル・トリから大金を借りるが、その条件とは彼の愛人になる事であった。
大儲けしたハーディから嘘をついて1万ドルを得たイーディスだが、トリはそれを受け付けず、彼女に迫る。
必死に抵抗するイーディスに激怒したトリは、自分の所有物である事を意味する焼印を、彼女の肩に当てるが・・・。


レビュー
ハリウッドで有名な日本人俳優と言ったら、誰がいるでしょうか?
黒澤映画によく出演し、多くの映画人に尊敬された三船敏郎さん、元祖ゴジラ俳優で「ミスター・ゴジラ」という愛称で親しまれている中島春雄さん、「世界のキタノ」と呼ばれているビートたけしこと北野武さん、「硫黄島からの手紙」や舞台版「王様と私」などに出演した渡辺謙さん、「ラストサムライ」や「ラッシュアワー3」などに出演した真田広之さんがいますが、彼らの先駆けと言える人物がいます。
それがこの「チート」に出演している、早川雪州さんです。

元々早川さんは剣劇の俳優として活動していたのですが、それを見ていたセシル・B・デミル監督(実は旧約聖書の「十戒」を1923年と1956年と2回も映像化しており、グロリア・スワンソン氏主演の「サンセット大通り」では、本人役で出演していたりする)に気に入られて、出演する事になったようです(最初は「活動写真なんて・・・」と乗り気じゃなかったけど、お金がたんまり貰える事を知って、引き受けたという)。

人妻が焼印を押されるショッキングなシーンや、早川さんの外国人ならではの東洋的な美貌が受けて大ヒット(この頃はまだ人種差別があって当たり前の時代だったので、彼の成功が面白くない人々も少なからずいたとの事)、早川さんもアメリカとヨーロッパで主演男優としてスターダムにのし上がった最初のアジア系俳優となりました。
けど「残忍かつ好色で、非人道的な日本人」が主人公なので日本では公開されず、早川さんも母国での立場が悪くなり、白人家族に雇われている日本人がこの映画を見た主人から、いきなり解雇される事態まで起こりました。

さてタイトルとなっている「チート」、今現在でも耳にする事が多いので聞いた事がある人も多いと思いますが(使用例:「リアルチート」、「チートキャラ」など)、英語で「ズル」や「騙す」を意味する言葉です。
15歳ぐらいに初めて見た時は意味が分かりませんでしたが、色々知るようになった今ならそれが分かります。
被害者ぶっているヒロインですが、元を辿れば後先に考えずに金をバンバン使ったり、悪人と関係を持ってしまったからこんな事になったので、ぶっちゃけ全ての元凶であり自業自得です。
それで最後はトリに全責任を押し付けて、自分は清廉潔白みたいな感じになりますから、なるほど確かにチートキャラだ(笑)。
実際この映画のチートとは、早川さん演じる日本人ではなく、このヒロインの事らしいです。

サイレント映画ではありますが、44分(59分という表記もあり)でテンポ良く進んでいきますので、この手の映画に馴染みがない人でも楽しめます。
それに映像を見ていれば、大体どういう話なのかが分かります。
国辱的と言われてしまったのは仕方ないと思いますが、それでも悪い印象がないのは、早川さんの悪の魅力が堪能出来るおかげです(他の人では、こうはならなかったかも)。



劇中にあるシーンの一部です↓

この映画での早川さんですが、人間でありながらどこか人間離れしていて冷たい雰囲気があり、それで服装や立ち振る舞いに気品がありますから、吸血鬼に見えます。
他の人々は至って人間的ですが、1人だけ異世界人のようで何だか浮いた感じがしたのは確かです。
もしドラキュラ映画に出演しても、彼なら違和感なくこなせたでしょう。

ちなみに第1次世界大戦後の1918年にリバイバル公開された時は、日本がアメリカと同じ連合軍側で戦った事を考慮し、早川さんの役名や設定が「日本人の骨董商ヒシュル・トリ」から、「ビルマ人の象牙王ハカ・アラカウ」へと変更されました。
しかし撮り直しはせず、早川さんの衣装や邸宅が日本的であるシーンはそのままなので、違和感がある作りとなってしまいましたが・・・。
今現在日本で入手出来るDVDは、この1918年版です。



出典

参考サイト


by asabatyou | 2018-11-02 09:22 | 映画 | Comments(0)

オペラの怪人(1925年版)

昨日は最初から自宅にあるDVDの1枚、「オペラの怪人(後に邦題が「オペラ座の怪人」となる)」(1925年版)を久々に見ましたので、その事について書きます。
劇団四季の「オペラ座の怪人」が静岡市民文化会館の大ホールで、7月21日から公演する事が決まり、それを記念してもう一度見る事にしました(劇団四季の作品は前から少し興味があり、もしお金に余裕が出来たら1回は見てみたいと思っている)。


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スタッフ
監督 : ルパート・ジュリアン、エドワード・セグウィック(ノンクレジット)、 ロン・チェイニー(ノンクレジット)、 アーネスト・レムリ(ノンクレジット)
脚本 : エリオット・J・クローソン(ノンクレジット)、レイモンド・L・シュロック(ノンクレジット)
原作 : ガストン・ルルー
製作 : カール・レムリ(ノンクレジット)


キャスト
エリック(オペラ座の怪人) : ロン・チェイニー
クリスティーヌ・ダーエ : メアリー・フィルビン
ラウル・シャニュイ子爵 : ノーマン・ケリー
ルドゥ : アーサー・エドマンド・ケアウィ


ストーリー
上流社会の紳士淑女でにぎわうパリのオペラ座に怪人が出没して、プリマドンナのカルロッタは恐怖のあまり病気になり、新人歌手のクリスティーヌ・ダーエが代役で出演し大成功。
しかしカルロッタが復活するとシャンデリアが落ち、クリスティーヌも謎の男の美声に導かれて地下へ姿を消す。
そこでクリスティーヌを待っていたのが、仮面で素顔を隠している怪人であった。
怪人は、彼女を自分の隠れ家に案内するが・・・。


レビュー
ガストン・ルルー原作の「オペラ座の怪人」を、後に「魔人ドラキュラ」や「フランケンシュタイン」(1931年版)などのホラー映画やモンスター映画を量産する、ユニバーサルが映画化したもの(実はこれが2度目の映像化らしく、最初は1916年のドイツ映画で日本未公開だという)。

一応本作の怪人が主役兼敵役ですが、正直に言いますと一番の悪人はヒロインのクリスティーヌではないでしょうか?
ラウルという恋人がいるにもかかわらず怪人の方に惹かれて縁を切ろうとしますし、いざ怪人の顔を見てしまった途端に豹変して拒絶し(この時怪人は、「私のマスクを取らないでくれ」と言っている)、またラウルの所に戻って「私をあいつから救って!」と縋り付くので、身勝手にもほどがあります(ルックスは良いんだけど)。
簡単にいいますと、1人の尻軽女に大の男2人組が振り回されているだけなので、怪人やラウルが色んな意味で可哀想です。
エンディングは当然というべきか、クリスティーヌはラウルと結ばれるのですが、この調子だと2人が幸せになれるかが危ういです。
と同時に、人間の嫌な部分を見てしまった気分にもなりますが。

怪人自身も自分の邪魔をする奴は容赦なく殺害する悪人ですが(いくら惚れた女がいるからとはいえ、しつこくつきまっとているので完全にストーカーである)、音楽家で美声でありながら生まれつき顔が骸骨みたいに醜いので(これは原作通りらしい)、周りから化け物や幽霊などと差別されていたわけですから、性格が歪んでしまうのも無理はないでしょう(劇中でも「私を幽霊のようにしたのは、人間の憎悪だ」と言うシーンがある)。
クリスティーヌをさらったのも「好きだから」という恋心があったと同時に、ずっと1人で寂しかったからという気持ちもあった可能性があります(実際「私も人間だ。幸せになる権利がある」と言っていたほど)。
けどそれでも惚れた人に裏切られて孤立してしまうので、結局最後の最後まで救われない悲劇の主人公なので、怪人の哀れはよく描かれています。

怪人役が無声映画時代に活躍したホラー映画スターのロン・チェイニーなので、怪人を怪物扱いしており、まだ怪奇映画の体裁を持っています。
最後になって怪人の隠れ家が分かったと大勢の人々が、松明を持って怪人を襲おうとしますが、ここが「フランケンシュタイン」(1931年版)や「フランケンシュタインの館」に似ています(見た目が醜いから周囲から拒絶されるのも、共通している)。



The Angry Video Game Nerd(cinemassacre)のレビュー動画です。
この動画ではサイレント映画時代の終わりと共にチェイニーが亡くなったと言っていますが、本当は1930年の「The Unholy Three」が遺作で、唯一のトーキー映画出演を果たしています↓

いくつか違いはありますが、この映画版が最も原作に忠実らしいです。



出典

参考サイト

参考文献


by asabatyou | 2018-07-08 11:37 | 映画 | Comments(0)

プロデューサーズ(2005年版)

今月の16日に「プロデューサーズ」(2005年版)を見ましたので、その事について書きます。
本作にあるオカマみたいにナヨナヨしたヒトラーが、他のナチスのメンバーと共に歌って踊るシーンが「総統閣下シリーズ」で見られるので、それで知りました。


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スタッフ
監督 : スーザン・ストローマン
脚本 : メル・ブルックス、トーマス・ミーハン
製作 : メル・ブルックス、ジョナサン・サンガー


キャスト
マックス・ビアリストック : ネイサン・レイン
レオ・ブルーム : マシュー・ブロデリック
ウーラ : ユマ・サーマン
フランツ・リープキン : ウィル・フェレル
ロジャー・デ・ブリー : ゲイリー・ビーチ
カルメン・ギア : ロジャー・バート


ストーリー
かつてはブロードウェイの大物プロデューサーだったマックスは今ではすっかり落ち目で、ヒット作を出せないでいた。
そんな彼の元に冴えない会計士のレオが訪れ、帳簿を調べてみたら、「わざと失敗するようなミュージカルを作れば大儲け出来る」事を発見する。
金に目が眩んだマックスはプロデューサーになる事を夢見ていたレオを口説き落とし、一緒にプロデューサーとなって失敗作を作り、出資金を持ち逃げする事にする。

まず最低の脚本家を探し、ヒトラーを愛するフランツの「春の日のヒトラー」を採用する。
次にゲイのロジャーに演出を依頼し、さらにスウェーデン語訛りの酷いセクシー美女ウーラを出演させる事にする。
マックスは出資金を集める為に、愛に飢えた老婦人を口説いて回るが・・・。


レビュー
かつて1968年の、同名映画を再び映画化したもの(メル・ブルックス監督が、どのバージョンにも全て参加している)。
ですがこちらは2001年に作られたミュージカル版を基にしているので、セットの作りや撮り方が映画というより舞台に近く、映画を見ている感じはあまりしませんでした。
ちなみに監督のスーザン・ストローマン氏という方は、ミュージカル版の演出と振付を担当し(夫を亡くして間もなかったらしく、代役でやったらしい。元々アメリカのブロードウェイで活躍する演出家や振付家なので、これで映画監督デビューしたという。それなら舞台に近い作りなのも、納得出来る)、主演もミュージカル版と同様ネイサン・レイン氏とマシュー・ブロデリック氏が、そのまま担当する事になりました。
ちなみにユマ・サーマン氏とウィル・フェレム氏は映画オリジナルキャストで、ミュージカル版と異なります。

ストーリー自体は至ってシンプルで、落ち目プロデューサーと夢見る会計士がひょんな事からヒトラーを題材にしたミュージカルを作るハメになり、それを作る様を描いています。
その題材がアドルフ・ヒトラーという時点で既に危ないのに(ヒトラーやナチスは、タブーとなっている国が多いので)、金儲けの為にわざと失敗する作品を作るのは前代未聞ではないでしょうか(実際よくある詐欺らしくて、バブル時代だった1980年代の日本のメディアがみんな引っかかったという)?
ブルックス監督自身ユダヤ系アメリカ人で、1926年生まれだから第2次世界大戦を知っている世代なだけでなく、親戚の方々をヒトラーやナチスに殺されたのに、それを笑い者にするというとんでもない内容となっています。

何故このような映画になったのかといいますと、ブルックス監督がナチスやヒトラーを取り上げた作品を一貫して作り続けていると同時に、彼らに対する強烈な風刺精神があるからみたいです。
チャールズ・チャップリン氏の「独裁者」と同じくヒトラーをネタにした「生きるべきか死ぬべきか」の影響もあって、「ヒトラーを怖い存在として描くよりは、完全に笑っちゃう方が却ってヒトラーをバカにしてるだろ」という考えだそうです。
その気持ちは映像に見事に出ており、オカマにしか見えないヒトラーがミュージカルをするシーンは、普段とのギャップもあって笑うしかありません(笑)。
公式が病気と言いたくなるぶっ飛んだシーンなので、当然本作をネタにしたMADムービーもいくつか存在しており、「総統閣下シリーズ」の素材として見るのも良いですが、ブルックス監督の考えが分かる作品でもあるので、2つの楽しみ方があります。



予告編です↓

ちなみに本作は、日本語吹き替え版がないみたいです。
歌うシーンが多いので、やりようがないと思われたのかもしれません。



出典


参考動画


参考サイト


by asabatyou | 2018-04-18 17:34 | 映画 | Comments(1)

ブルー・マックス

昨日は最初から自宅にあるDVDの1枚「ブルー・マックス」を見ましたので、その事について書きます。
久々に見たかった事や、また航空映画を見たい気持ちがあったからです。


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スタッフ
監督 : ジョン・ギラーミン
製作 : クリスチャン・フェリー
撮影 : ダグラス・スローカム
原作 : ジャック・D・ハンター
音楽 : ジェリー・ゴールドスミス


キャスト
ブルーノ・スタッヘル少尉 : ジョージ・ペパード
フォン・クルーガーマン伯爵 : ジェームズ・メイソン
カエティ伯爵夫人 : ウルスラ・アンドレス
ウィリー・クルーガーマン少尉 : ジェレミー・ケンプ
マンフレート・フォン・リヒトホーフェン男爵 : カール・シェル


ストーリー
第1次世界大戦の終わりが近づいた1918年、庶民出身の歩兵であるブルーノ・スタッヘルは、撃墜王に与えられるドイツ国家最高の勲章ブルー・マックス(「プール・ル・メリット勲章」の、英語での俗称)に魅せられて、パイロットを志願した。
周囲のパイロットが貴族出身な為、対抗意識を燃やすスタッヘルは、最初の空中戦で敵機のSE5を撃墜するが、証拠がなかった為カウントされなかった。
それが分かると、彼は無抵抗の敵機を仲間達が見ている目の前で撃ち落としたり、味方のウィリー・クルーガーマン少尉が不慮の事故で死亡すると、その手柄まで横取りすると、とにかく手段を選ばない。
さらにレッドバロンこと、マンフレート・フォン・リヒトホーフェンのピンチを救うなどの活躍し、遂に念願のブルー・マックスを手に入れたが・・・。


レビュー
ドイツ国家最高勲章である「プール・ル・メリット勲章(ブルー・マックス)」を題材にした、航空映画。
その為当然ドイツが主役ですが、実際はアメリカとイギリスの合作(どっちか片方だけで、製作したという表記もあり。ちなみに会社は、あの20世紀フォックスである)なので、ドイツは一切関わっていません。

監督は「キングコング」(1976年版)や「キングコング2」のジョン・ギラーミンで、主演は「ティファニーで朝食を」でオードリー・ヘプバーンと共演したジョージ・ペパード(本名はジョージ・ペパード・ジュニアらしいが)と、「海底2万哩」のジェームズ・メイソンです。

「つばさ」(1927年版)や「レッド・バロン」(1971年版と2008年版)と同じ、第1次世界大戦を舞台にしていますが、これらと違うのは純粋な空の英雄を描いているのではなく、目的の為なら手段を選ばない欲にまみれたパイロットが主人公だという事です。
なので敵だけでなく味方からも嫌な目で見られるので、他とは異なる印象を受けます。
確かに見終った後味はあまり良くありませんが、2時間を越える長さでありながら無駄なく進んでいきますし、主人公の新鮮さもあって見応えのある作品となっています。

第1次世界大戦の空中戦は騎士道精神があり、弾切れになった相手には攻撃しなかったり、撃墜した敵機に花束を投げたりと美談もありますが、所詮はただの殺し合いなので、勝って勲章を貰えればそれで良いんだよと思っている人が、1人ぐらいいても全然不思議ではありません。
そういう意味では、妙なリアルさがあるのも事実です。

どちらかといえば人間ドラマ中心ですが、実際に飛行機を飛ばした空中戦は非常に迫力があるので、この手の映画が好きな方は是非1回は見てほしいです(昔は空中戦シーン以外は、まったく眼中になかったです(笑))。



予告編です↓

本作で使用された飛行機は当時の物の流用ではなく、一から作った物です(25万ドルでフォッカー Dr.I×2機、フォッカー D.VII×3機、ファルツ D.III×2機、SE5×2機を製作)。
これだけでも十分凄いですが、さらにコレクターから11機を借用したそうです。
しかしよく見ると、イギリスの練習機であるデハビランド・タイガーモスや、スタンプSV.4(ベルギーで開発され、1970年代まで練習機として使用されたらしい)、コードロン・リュシオル(フランスで開発された、スポーツ飛行機らしい)がシーンによって、イギリス機やドイツ機に扮していたりします。
これらの飛行機は第1次世界大戦後に誕生してるので、本来この時代にいては可笑しいのですが、時間や予算の関係もあったのでしょう。 



出典

参考サイト
http://wikiwiki.jp/rof/?%B6%F5%C0%EF%B1%C7%B2%E8

参考文献


by asabatyou | 2018-01-29 17:28 | 映画 | Comments(1)
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タイトルの通り「asabatyouのなんでもブログ(http://d.hatena.ne.jp/asabatyou/)」の続編です。ツイッターは、こちらです(https://twitter.com/asabatyou)。


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